仕上がった箱の雰囲気が変わりさまざまな表情を楽しむ事ができますよ。
(テーマ音楽)又吉さんがやって来たのは東京足立区にある古いお屋敷。
(又吉)ああこれは大きな門ですねぇ!お邪魔させて頂くことにしました。
あっどうも〜。
(赤羽)こんにちは。
こんにちは。
当家の主の赤羽です。
ああ。
よくいらっしゃいました。
よろしくお願いします。
よろしく。
お邪魔します。
はい。
どうぞ。
へぇ〜!大きいおうちですね。
ええ。
もう聞き伝えてるのは二百数十年たってるだろうと。
建物がですか?はい。
へぇ〜!200年以上。
はい。
屋根も…。
屋根はかやぶきです。
かやぶきですか?本当のかやぶきですね。
はい。
わらだとか麦がありますけどもこれは本当のかやで。
立派なお庭で。
はい。
文化財級の豪邸ですが今後どうするかが問題になっています。
あのおうちとお庭は…。
はい。
どうなるんですかね?う〜んまあねあの…恐らく大変ですからね…相続がなかなか?え〜もったいないですね。
相続したあと多額の維持費がかかるため3人の子どもたちの誰も家を継ぎたがらないというのです。
あまり相続について考えたことなかったんですけどやっぱりしっかり考えといたほうがいいですね。
ええまあそうだと思います。
相続。
遺産を受け継ぐとき残すときあなたはどうしますか?いざというとき困らないよう経済学で考えます。
安藤先生よろしくお願いします。
(安藤)よろしくお願いします。
とても古い立派なもう豪邸と言ってもいいすばらしいおうちですね。
そうですね。
相続について一緒に考えてくれるのはおなじみ安藤至大先生。
又吉さんはご家族で相続とかのお話ってされた事ありますか?いや家族は両親と姉が二人いるんですけど相続の話はまだしたことがないですね。
うん。
やっぱりねちょっと話づらいテーマなんですかね?そうですね。
もうちょっと先のことじゃないかって勝手に思ってしまってますね。
今回は相続に関心が強いというゲストをお呼びしました。
プロゴルファーの東尾理子さんです。
(東尾)よろしくお願いします。
(2人)よろしくお願いします。
強いイメージありますか?強そうというか。
アハハハッ!そんな事もないんですけどどうですか?実際は。
いやあの考えるようになりました。
少し。
なりました?はい。
父も両親も年ですし主人も両親と変わらない年なので。
ちょっと複雑な家系図になり始めてる気がするので。
「どうなるんだろう?」とかって。
東尾理子さんは夫石田純一さんとの間に3歳の息子がいて現在第二子を妊娠中。
石田さんには最初の妻と2番目の妻との間にそれぞれ子どもが1人ずついます。
東尾さん自身は一人っ子。
父は元プロ野球選手の東尾修さんです。
その時に贈与ができるっていうのを知りまして「あっこれは」と思って教えてあげたんですよ。
一応親も相続のこと考えてるかなと思って。
「私家建てるから贈与できるらしいよ」って言ったら「あっそう」って。
(笑い声)しないんだと思って。
なるほど。
何にも1円も来なかったのでこの人たちは私に何も残す気はないなってその時思いました。
なるほど。
又吉さんまだご結婚は…。
結婚してないんですよ。
ですよね。
なので考える機会とかは。
ないんですよね。
じゃあ受け取り側としてのご両親とは?それこそ僕の家はもう財産とか何もないんで。
はい。
どう…それでもなんかあるんですかね?いや〜又吉さんも東尾さんもねぇ仲のいいご家族だとは思うんですけれども実はこの相続これがきっかけでもともと仲の良かった家族が仲が悪くなっちゃうというケースがすごい多いみたいなんですね。
嫌ですねそれ。
それは嫌ですね。
うん。
最近…えっ!年間?そうですね。
そんな多いんですか?はい。
この10年でおよそ2倍に増えてるそうなんです。
へぇ〜!お金いっぱい持ってる方いらっしゃるんですね。
うん。
いや。
でもそうとも限らないかもしれないですよ。
こちらご覧いただきたいんですが裁判になったケースがどのくらいの遺産を分け合う事で裁判になったかというと実は3分の1は1000万円以下の話なんですね。
へぇ〜!相続問題で裁判にまで発展した9,000件のうち3分の1が1000万円以下の遺産額で争われています。
これは現金だけでなく家や土地など全て含んだ金額です。
一軒家を持ってたりしたら1000万ぐらいの価値はあったりするわけじゃないですか。
土地と家で。
そうすると結構ひと事じゃないぞという気になりますよね。
お金だけじゃないんですね。
そっか。
家があって例えばそれを売って残ったお金をどう分けるかとか。
そういうのもありますし。
今日はそれを分かりやすく理解するためにこんなものを準備しました。
おお!これはケーキですか?すごくシンプルな。
はい。
お二人が…はい。
そして……ということなんですよね。
はい。
このケーキが亡くなったお父さんの遺産だとします。
相続するのはお母さんと子ども二人。
どう分ければよいのでしょうか?えっ?これどうなんですかね?お母さんにどれぐらい残すかとか。
はい。
どのぐらい欲しい?えっ!?弟。
やっぱり半分ぐらいですか?えっ!?フフフッ。
えっ!何の半分?いやこの全体のこの…。
えっ?弟最近稼いでるって聞く。
フフフッ。
まあまあ3等分でもいいんですかね?そしたら。
でも?
(笑い声)けど…お金かかるのとか…。
なるほど。
なるほど。
じゃあまず…まず半分で。
はい。
これもうちゃんとやりますから。
もうちょっと少なくてもいいよ。
弟。
ちょっと笑わせないでください。
(笑い声)あっ!すごいきれいにいけたんじゃないんですか。
二人で相談した結果母が2分の1姉と弟がそれぞれ4分の1分けるという結論に。
非常にいいところをついてると思います。
残りの半分をつまりは半分ずつにして……でというのはちょうど民法という法律に書いてある「法定相続分」という基本ルールですね。
ベースのお話の分け方と一致してます。
ああそうなんですね。
はい。
割といい分け方やったんかもしれないですね。
でも現実はそんなに単純ではありませんよねぇ。
ここからは…ただし今回分けるものはちょっと違います。
ああいろいろ付いてる。
デコレーションケーキのようにいろんなものがあると。
残された遺産がシンプルなケーキじゃなくてこういう…う〜ん。
難しい。
私ねフルーツは欲しい。
うん。
フルーツ割とありますよ。
フフフフッ。
かなり。
こことここはもうフルーツですから。
うん。
え〜いや僕もでもどっちかというと…これはなかなか難航しますね。
難航しますね。
このケーキの切り分けこれもともとは数学の分野で経済学でも応用されている「ケーキ分割問題」と言われる有名なやり方があるんですよね。
はいはい。
何か……ということを昔の人は考えた。
(2人)うん。
ケーキ分割問題の重要なアイデアはまず切る人と選ぶ人を分けるというところにあります。
はい。
へぇ〜!切る人と選ぶ人が別だと相手の思惑をはかりながら自分の目的も達成しようとします。
そうすると合理的な行動が促されるのです。
又吉さんがお姉さんの…お姉さんに…ただし又吉さんが2つに切り分けたもののうち…お姉さんはやっぱりフルーツが好きですもんね?フルーツ好き。
中でも何が一番好きでしたっけ?イチゴとメロン。
イチゴとメロン?あとグレープフルーツも好きかな?フフッ。
中でも一番…ああなるほどね。
う〜ん。
このトリュフっぽい中がトロっとしたチョコレートも好き。
いやそんな…こっちは。
難しいとこだなぁ。
こうだな。
悩んだ末又吉さんは…このようにナイフを入れました。
最も欲しいと言っていたイチゴと2番目に欲しいと思われるメロンが入った上の部分を東尾さんに。
イチゴを譲る代わりにより大きな下の部分を自分にというのがねらいのようですが…。
う〜ん?こっち!えっ!?なんと東尾さんが選んだのは又吉さんのねらいとは逆のほうでした。
いやいやイチゴもありますしメロンもありますよ。
けど好きなんだけど1種類よりもチョコチョコチョコチョコっていっぱいいろんなものを食べるのが本当は好きなの。
うわ〜!アハハハッ!そうやったんすか!そう。
だからこっちのほうがたくさん種類が食べられそうでしょ?うわ〜!これは誤算でしたね。
話し合いの段階でもうちょっとねたくさん細かいのがあるのが好きってことまで聞き出せていればよかったのかもしれないですけどね。
そうですね勉強になりましたね。
やっぱりね…今はちょっと情報が足りなかったみたいですけども本当によく知っていれば…はい。
それが本当に食べ物だけじゃなくて遺産の時にも同じことが起きうるという事なんですかね?起きうるでしょうね。
そうですね。
はぁ〜分からないもんだなぁ。
ですよね。
分かってるつもりですもんね。
きょうだいとかだったら。
では今のケーキの切り分けのお話これを実際の相続争いに当てはめてみたいと思います。
はい。
父親が亡くなってから母親と同居していたMさん。
数年間介護をしていましたが先日母が亡くなりました。
遺産として残されたのは貯金200万円と資産価値1000万円の住宅。
相続するのはMさんと離れて暮らす姉R子さん。
いざ話し合ってみると二人の意見は分かれました。
Mさんは「貯金を二人で100万円ずつ分け自宅は自分が譲り受けたい」。
一方R子さんは「Mさんが自宅に住み続けるのであれば資産価値の半額500万円を現金で受け取りたい」。
ちなみにR子さんは以前マンションを購入した際頭金の一部として400万円を母親に援助してもらっています。
これはでも頭金400万円の問題がありますから。
うん。
住宅のほうから400万円を引きますよね。
だから落とし所としてはプラス100万ぐらいで住宅分はいくと。
又吉さんの提案はR子さんが要求している住宅の相続500万円からマンションの頭金分400万円を引いた100万円を現金で払うというもの。
R子さんに。
ハハハハッ。
ムチャクチャな事を言い出してるじゃないですか。
いやだからそうなってくるとその今まで一緒に暮らしてたわけですから親とね。
数年間。
うん。
…っていうのを出して…お〜!なるほど。
はい。
このように…過去の裁判例から次のような判断が下されると予想されます。
まず合計1200万円の遺産を600万円ずつ二人に。
そしてマンションの頭金も親からの遺産と考えR子さんから200万円引きMさんにプラス200万円。
またMさんが介護したことで介護費用を節約でき母親の財産が守られたという事でMさんにプラス100万円。
最終的にMさんが900万円R子さんが300万円という計算です。
自分たちで話し合いが成立しなかったときに…うん。
交渉が成立しなかった場合の取り分これを「交渉決裂点」と経済学では言うんですが交渉がまとまらなかったときにお互いの取り分はどうなるんですか?というのがまずここなんですね。
ここでの交渉決裂点は裁判になった場合のMさんとR子さんの取り分の予想金額を指します。
裁判所はこう判断するんだろうなという予想があったとしたらうまいこと……ですよねというのが今回の大事なポイントだと思います。
交渉決裂点を基準にすると姉R子さんが受け取るのは現金300万円。
しかし現金の遺産は200万円。
100万円不足します。
ケーキ分割問題で学んだことを生かして話し合うことでより良い分け方ができないでしょうか?そうですね。
やっぱりこの住宅1000万円相当の家を売ってしまうと住めなくなってしまいますもんね。
家は残したいっていう気持ちもあってそこに住みたいという気持ちもあるとそれをどう分けていくのか?現金をもらって。
あのじゃその…その辺ですかね。
ああそれはいいポイントかもしれないですね。
Mさんとしては…というと住み続けたいわけだから例えばMさんはR子さんに……とか。
そうするとMさんも家を売らないで済む。
そしたら…うん。
そうですね。
いきなりこれそう言われてたら多分違和感感じてたでしょうね。
う〜ん。
家はどっちみち誰かがこう守っていくものというイメージが強いじゃないですか。
でもちゃんと話し合った結果理解していくと「あっまあそうか」という感じですかね。
うん。
人生をかけて築いた財産。
そもそも世の人たちは子どもに残したいと思っているのかいないのか?伺ってみました。
そうしないと大変ですもんね。
私はもうねいつ死んでも…な〜るほど。
一方でこんなお考えの方々も…。
生きてる間にまあそれなりに収入があるわけでこれを自分が生きてる間で使い切るうまいこと死ぬところまで使い切るというのを「ライフサイクル仮説」と言います。
これですね。
例えば私がですね39歳から亡くなるまで例えば90歳まで生きるとしたときに…今から定年まで働き続けて定年になると収入はガクッと減って。
こういう収入を考えたときにどういうふうに使うのかというのを赤いラインで描いてみました。
今収入が黒いラインで収入よりも支出お金を使うのは少なめにしておいて貯金してる訳ですねこの間は。
ああなるほど。
で定年で仕事を辞めたからっていきなり生活水準を落とすのって難しいのでできるだけ平準化してお金を使いたい。
お二人だったらどんな感じですかね?分かんないすね。
はい。
ではまず又吉さんから。
はい。
収入の未来予想図が今がピークになってますけど…。
(笑い声)それでよろしいんでしょうか?ちょっと現実的に考えて今がピークの可能性が高いと。
これは僕のかなり希望として緩やかな落ち方になってますから。
ちゃんとこう徐々に減っていくと。
そしたらまあ使い方も僕はその時のノリというか。
はい。
いい時はそれなりにまあ使ったほうがいいんじゃないかと。
稼いだ分だけ使っていってその稼ぎに合わせて合わせて最後やっぱなくなっていきますから。
そこでちょっとだけまあこの辺の若干の貯蓄をここで使おうと。
その辺は変わらないんですか?この辺でしたほうがいいかもしれないですね。
この辺でしてということですかね。
奥さんにはこのグラフは見せれないですけど。
下がっていく…下がり始めた時でしたね。
今この辺っていうのが。
ウソのグラフを多分作ると思います。
その時は。
「こう上がっていくから」って言うと思います。
ハハハッ。
ええ。
どうですか?東尾さん。
私は何かその年収って不安定でその年によって全然違うので。
けどある程度の年がきたらこうガクンと体を壊したりとか。
体が駄目になったら収入がなくなるので。
子どもの教育費はちゃんと払い続けてあとは自分の介護を。
結構低く言ったけどいい介護をしてほしかったら自分で出そうと思うのでその介護費用を。
子どもに迷惑をかけないようにしようと思って。
そしたら思ったよりもうちょっと上だなと思って。
なるほどなるほど。
はい。
そうか。
それもありますよね。
介護を自分でできるためにまあ蓄えを残しておくという。
うん。
うん。
でも実際は…そうですね。
お金は全部使い切って死にたいと思っているような人であったとしてもやはり自分の寿命が分からないので……という可能性もありそうですね。
そうですね。
うんうんうん。
又吉さんはどなたかに遺産を残したいと思いますか?それとも自分で自分の収入は全部使い切りたい。
どちらでしょう?そうですねぇ。
まあ…経済学では……というふうに言われています。
1つが利己的。
はい。
これは…遺産を残す「利己的」な動機とは積極的には残さないが結果として残ってしまった。
または世話をしてくれた相手に多く残したいというもの。
逆に「利他的」な動機とは見返りを求めず単純に相手の生活のために財産を残したいというもの。
そして「王朝的」な動機とは自分の仕事や家を継いでくれる相手に残したいというもの。
皆さんはどれに当てはまりますか?ああ…世話をしてくれた相手に遺産を残したいという気持ちが。
誰も世話してくれなかったとしたらもしかしたら利他的という感覚が生まれるかもしれないんですけど誰か…うん。
はい。
私も同じ感じです。
ああ。
全くそうですね。
そうですね。
国によって利己的利他的王朝的この3つのタイプの遺産の残す理由って結構違いがあるんですよ。
へぇ〜!お国柄があるんですか?はい。
例えば日本とアメリカこれ比べてみますと日本では遺産を残す理由としてまさにお二人が選んだ利己的な。
これがおよそ3分の2。
これに対してアメリカの場合は利他的なほうが3分の2なんですね。
(2人)へぇ〜!うん。
確かに意外かもしれないですね。
ちなみに…『自分で使いたいです』『残るとしたら使い切れなくて』とか『いつ死ぬか分かんないから残っちゃいました』の割合が60%ぐらいで……ということみたいなんですよね。
あら。
相続への関心の高まりを受けて文具メーカーが開発したある物が売れているといいます。
それがこちら。
遺言書を書くためのセットです。
遺言書は遺書とは異なり法的拘束力があるため法律にのっとった書き方をする必要があります。
こちらのセットでは解説書の見開き2ページの指示どおり記入すれば正式な遺言書として通用するようにできています。
例えばパソコンなどは使わず自筆で書くこと。
書き間違えは無効になるため書き直すこと。
間違えやすい言葉遣いなど法律に詳しくない一般の人のために配慮されています。
また複写防止の特殊な用紙を使うことで不正ができないよう工夫されています。
これで2500円だそうですが一体どんな人がどんな理由で買っているのか開発を担当した方に聞いてみました。
これ気になるんですけどどれぐらいの世代の方が買われるんですか?こちら実は……ぐらいいらっしゃいます。
…という方も結構いらっしゃって。
このキットをコタツの机の上にそっと置いておいたら読んでくれてたとかそういう何かちょっときっかけ作りにもしていただいたりしています。
へぇ〜!えっ?30代の独身男性とかってどういう目的で買う事が多いんでしょうね?そうですね。
コレクションを重視してらっしゃる方も多くて。
30代男性の特徴なんですけど何かその……みたいな物をこうしてほしいというのを絶対書いとこうとか。
そういうのが多いですね。
へぇ〜!又吉さん…う〜ん。
僕…。
はい。
物も含まれるんですか?そうですね。
物もです。
中にはなんか古本で。
はい貴重なものが?それは…。
そうなんですよね。
そうですね。
僕がね一番最初に買ったソファーがあってそれ大事に使ってたんですけど割と広めの家に引っ越すことになって部屋とそのソファーが合わなくなったんですけどでもなんかこう捨てるのはもったいないというか思い入れも強いですし。
これをだから後輩に託そうと思って「もらってくれるか?」って何人か当たったんですけど誰ももらってくれなかったんですよ。
そういうのを遺言状に書いちゃうと迷惑かかる時も。
そうですね。
そういうちょっと大きい物とかは書く前にあげる予定の方に譲る予定の方に相談してからのほうがよいかなと思いますね。
面白いですね。
皆さんおっしゃるのが……というのが結構共通の感想で。
書き切ったらすごい「やった〜!」という感じが…。
自分が今何を持ってて何が価値があってとか。
そうです。
自分がまあ何が価値あってというよりはそういう資産とかがどれだけあるか把握するか以上に……っていうのがいいですね。
そうですね。
遺言書を書く動機はさまざまですが誰に何を残すのかを見つめ直すいい機会になっているようです。
では…これについて分かりやすく具体例を使って考えてみましょう。
はい。
あなたには成人した二人の息子がいます。
長男は年収700万円で持ち家があり結婚して子どもが二人います。
一方次男は年収300万円で賃貸住宅に暮らしています。
独身でギャンブル好き。
貯金もあまりありません。
あなたは今1000万円のお金を持っています。
これを遺産として二人の息子に分けることにしました。
さていくらずつ分けますか?迷うなぁ。
迷います?はい。
まずは又吉さんからお願いします。
はい。
僕は500万500万ですね。
はい。
これはまあ長男と次男両方気にはなるんですが半分に。
ストレートにすると。
もちろん次男はギャンブル好きやからこの500万がギャンブルに使われて一瞬でなくなるんじゃないかというのもあるんですけど長男のほうは割と安心できるんですよね。
うん。
年収700万円あって家族もいてその分お金もかかるのかもしれないですけど家もあるし。
…って考えると次男に頑張ってもらいたいもあって500500ですかね。
はい。
はい。
では東尾さんは?はい。
本当は100にしたかったんですけども0はかわいそうだろうなと思って91になりました。
なるほど。
じゃあその理由を教えて下さい。
理由は渡しても使うでしょ。
ギャンブルに…っていう。
消えちゃうと。
消えちゃう。
自分が頑張って働いてきてためたお金を渡された者の自由とはいえ無駄に使ってほしくはない気持ちが強いのでちゃんと活用してくれそうな長男にしっかり渡して。
長男なので次男のことを少しは考えてくれて困ったときは手伝ってあげてねというメッセージを添えつつ。
お金を生かせて何か増えそうな気がするんですよ。
この900万が。
長男に渡すと。
同じ900万渡しても絶対0になる気がするので。
うん。
いや僕もそのうすごい東尾さんのおっしゃってる事は正論と思うんですよね。
僕も最初長男に渡したほうがいいよなと思ったんですよ。
ただ「あれこの次男って割と数年前までの僕と状況似てるんじゃないか」って。
芸人を続けるとかが割とギャンブル性高いというか。
で考えるとこうおんなしだけ期待してるというふうに次男が受け取って改心するんじゃないかと。
ハハハハッ。
メチャメチャええように考えたらですけど。
もしかしたらなぜギャンブルをやってたのか?本当にギャンブルがやりたくてやってたのかもしくはそれこそ勉強をする資金をためるために…。
ウフッ。
一定のお金がたまったら…ためるための…。
苦しいっすか?その言い訳。
(笑い声)なんかでももっと駄目になるような気がするんです。
差別化をしたときに。
長男に多めに渡したときに次男が腐りそうやなという気もちょっとするんですよね。
今お二人には自分に子どもが二人いたとするとどういうふうに分けるのがいいか考えて頂いたんですけれどもこれまでに多くの経済学者が…ここでは1000万円ですね。
これをず〜っと議論してきたんですよ。
うん。
その中の代表的な論者を二人紹介したいんですがまず一人目がベンサムさん。
この人は「最大多数の最大幸福」ということを主張して格差がある程度あったとしてもトータルで一番有効活用されてる状態が世の中にとって一番いいんだって言ったんですね。
うん。
ベンサムですねこれね。
はい。
こちらですね。
はい。
これに対してロールズさん。
この人は「正義論」という有名な書籍があるんですけれども最も困ってる人に注目しましょう。
最も困ってる人の底上げを図ることが大事ですということを言ったんですね。
これはどちらかというと又吉さんはこちらに近いのかなとも思ったんですけれども。
う〜ん。
自分の子どもたちだけではなくて…それとも困ってる人が少ない…まあこういうような…うん。
なるほど。
いや〜迷うとこですね。
迷いますね。
私これ客観的に考えてたんですけど自分の子どもって考えたときに親はバカだからこっちにいっぱい出しそうな気がしてきました。
やっぱかわいいから使うって分かっててもやっぱり面倒見たいんですよね。
遺産だったらギャンブルで使わないだろうって信じたい気持ちが残るんですよね。
うん。
なのでちょっと自分になったら違うかもと思っちゃいました。
駄目な子ほどかわいいみたいな。
うん。
今日は経済学で相続と遺産について考えてきたわけですけれどもいかがでしたか?理解すれば理解するほど自分はこうやるだろうなというのが見えてきたんですけれどもいざじゃあ実際子どもに分けるときにって考えたときに「あれ?真逆かもしれない」というのができて。
これはちょっとじっくり自分の中で自問自答してみようと思いました。
はい。
お金を残す側お金が残せるかどうか分からないですけど残すとしたら僕はやっぱり自分で「誰にどれだけ」みたいなことは言っておきたいですね。
もめないように。
はい。
お金残したせいできょうだいの仲が悪くなっちゃったりしたら親としては一番悲しいことかもしれないですから。
そうですね。
それぐらいだったらもう自分のお墓とかをねこうボタンを押したら光るようにするみたいな。
その…。
それどういう意味ですか?ボタンを押したら光るんですか?はい。
要らないじゃないですか。
そんなん。
でも…。
そっちに使う方がまだマシだと。
そっちに使ったほうがまだケンカにならないですし「ああ光るな〜」みたいな。
何かその…。
仲良くなるかもしれないじゃないですか?またそれで。
2015/11/09(月) 22:00〜22:45
NHKEテレ1大阪
オイコノミア「これで納得?相続の経済学」[字]
財産の額にかかわらず、もめがちなのが相続。家や土地など、分けにくいものはどうすれば?東尾理子さんとともに、スッキリ納得できる分け方のコツを経済学で学びます。
詳細情報
番組内容
財産の多い少ないにかかわらず、もめがちなのが相続。遺産には、家や土地など、現金のようには分けられないものが含まれているうえに、生前の個人と相続人の人間関係も加わって、話がややこしくなりがち!そんなとき、ヒントをくれるのが経済学。「家系図が複雑になりつつある」という東尾理子さんとともに、スッキリ納得できる分け方のコツを学びます。遺産を受け取る立場、のこす立場。どちらにとっても役立つ情報が満載です。
出演者
【ゲスト】東尾理子,【出演】又吉直樹,【解説】日本大学大学院総合科学研究科准教授…安藤至大,【語り】朴ろ美
ジャンル :
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
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