未来世紀ジパング【池上彰が解き明かす!反ロシア未知なる小国】 2015.11.09


道なき道を進むと手付かずの自然が
突然行く手に何かが
お〜すごい。
羊の大群だ。
その知られざる国とは日本からトルコを経由して14時間半ヨーロッパとアジアを結ぶ要衝ジョージア
山岳の風が吹き抜ける渓谷に目指す秘境の村が見えてきた
そこで畑仕事をする男性がいた
実はここ
最高齢のご長寿がこの方
(スタッフ)今おいくつですか?
IDを見せてもらうと確かに1904年生まれ。
なんと日露戦争開戦の年だ
軽快なステップで得意のダンスを披露してくれた
針に糸を通すのも一発。
眼鏡をかけたことは人生で一度もないという
驚異の111歳その元気の源があった
こちらは皆さん集まってのお昼ご飯。
お年は70代後半から80代。
食べていたのは白いドロドロしたもの。
これが長寿の秘密だという
すると大きな鍋が登場。
この村に代々受け継がれてきた自家製のヨーグルト
作り方はいたって簡単。
搾りたての牛乳に…
種菌を混ぜて半日置けば完成。
今この長寿の食に世界が注目している
日本の企業もいち早く目をつけていた。
現地企業と組んですでに商品化に成功。
その味は?
今回はるばるジョージアに来たのにはある事情があった
なぜジョージアに変わったのか?そこにはただならぬわけがあった
ジョージアに潜むあの大国の野望
更に日本と深くつながる元力士黒海の感動秘話とは
今回はジョージアということなんですけれども池上さんちょっと未知なる国という感じがしますね。
そうですねちょっと日本の人にとってはピンとこないかもしれないんですけど私以前から注目していましてね2009年にはここを取材で訪れたこともあるんですよね。
実際に行かれてるんですね。
はい。
その場所といいますとこちらロシアとトルコに挟まれたこれ黒海ですね黒海沿いの地域なんですが…。
人口は430万人。
毎年5%近くそして十字のマークがあるでしょ。
国旗に十字が入ってます。
キリスト教の国なんです。
そして今日本に話題になっているのがやっぱりこの名前が変わったという…。
そうですよね。
ピンときます。
何で私が言うと笑うんですか皆さん。
ロシア語でグルジアという言い方をしていたんですね。
ところがこれが英語読みのジョージアに変わった…というのもジョージア政府から英語読みに変えてほしいと日本政府に要請があったんですね。
ところがでもどうしてジョージアっていう英語読みに変えてほしかったんですか?それはですねジョージアは実はこう呼ばれているんです。
なるほどね。
そこで今回の沸騰キーワードはこちらです。
え?どういうことですか?あのね最近ロシア何かとニュースになってるでしょ?そしてそこにはさぁ実はそんなジョージアと日本意外なつながりで結ばれていたんです。
ジョージアの国名の由来となった聖人ゲオルギオスが見下ろす首都トビリシ
街なかでよく見かけるのは日本車。
なかでも目立つのが…このマーク
ジョージアの新車販売の2台に1台がトヨタだ
そんななか1台450万円の4WD車が人気だ
更に日本で知られるあの昭和のヒット曲も。
豪華なバラの花束には…
ジョージアでもっとも有名な画家ピロスマニの作品の前には連日の人だかり
花束を持った女優マルガリータ。
この絵にまつわるラブストーリーとは?
日本でも大ヒットした『百万本のバラ』はこの絵から生まれたソ連時代の曲。
しかし…
反ロシアを強めるジョージアの象徴がこのガラス張りの建物
警察署はまるでルーヴル美術館のようなピラミッド
実はジョージアの警察署
いったいなぜ?
実際にこの10年で汚職は減少。
国会議事堂もご覧のとおりガラス張り
そして本場ロシアもうらやむ人物がいる
ここはそこに日本人の姿が!現在所属する日本人は5人。
バレエといえばロシアだがなぜジョージアに?
指先の角度まで厳しく指導する
世界中から有望な若手が集まっている
ニーナさんの代表作『白鳥の湖』。
世界最高峰ロシアのボリショイ・バレエ団で活躍。
プリマドンナを務めた
その若さの秘密とは?
ニーナさんはワインを毎晩欠かさず飲んでいるという
実はジョージアワイン発祥の地といわれ今世界中から引き合いが殺到している
もちろん日本人バイヤーも放っておくはずがない。
城壁の真ん中に日本の国旗が…
まずは自慢のブドウ畑へ。
農薬を一切使わない有機栽培が特徴だ
たわわに実るのはジョージアにしかない品種のブドウ
まさに収穫の最盛期を迎えていた
そんなジョージアワインの製法に欠かせないのが一風変わったこのつぼ!
ワインの発祥の地といわれる古来から伝わる製法に欠かせないのが…これ!
クヴェヴリというつぼで作る製法は2013年ユネスコの無形文化遺産に登録された
そんな伝統の製法を特別に体験させてもらうことに
足を洗ってそのままブドウの上に!
ワイン通の皆さんもこれは初めて
一斉に足踏み。
種をつぶさないように素足で丁寧に踏んでいく
この一苦労がワインをおいしくさせるという。
しばらくしてブドウの汁があのつぼの中に。
そこに皮や種まで加え半年以上じっくり寝かせる
(歌声)
つぼを開ける伝統の儀式
昔から変わらない美しい黄金色。
出来たての白ワインだ
(一同)乾杯!うまい。
そこでジョージアは販路を広げ日本にもチャンスが巡ってきたのだ
おいしそうですね。
今日はですねそのジョージアワインご用意いたしました。
ぜひ召し上がってみてください。
ありがとう。
甘口の赤ワインを皆さんにご用意しましたので。
いかがですか?熟した果実を食べたみたいな。
甘みがほんとに…。
広がりますよね。
でこのワインですけどジョージア出身?レーニンじゃないでしょ?違います。
スターリン?旧ソ連の最高指導者スターリンですね。
スターリンといいますとソ連のリーダーだったとき大粛清をして数百万人が犠牲になった。
殺害を命じた人物がスターリン。
え〜!粛清されるかと思うよね。
これをロシアはなんと輸入禁止にしてしまったんですよね?そうなんですよね。
こんなおいしいワイン。
なんでそんなことまでするのかというのをですね…。
こちらです。
そこにはこの国の存在が。
さぁどんな国か?この国。
アメリカなんですね。
アメリカがなんでジョージアに関係してくるのか?そこで見ていただきたい映像がこちらです。
片側3車線の幹線道路なんですがちょっと見てください。
ほらこれ!STREETと書いてある横に顔写真があります。
坂下さんさぁこれ誰だかわかりますか?えっこれわかります。
アメリカ前大統領のブッシュさん。
そのとおりです。
それを記念してこの通りにこういう名前をつけた。
あるいはアメリカと蜜月関係を維持しようとしてですね…。
しかしですねロシアにしてみればですね…。
それがジョージア戦争。
当時はグルジア戦争と言ったんですけど。
北京オリンピックその開幕の日にこの戦争が勃発をしたんですね。
その衝突した理由がこちらになります。
ここ南オセチアなんですね。
ですからこの南オセチアというのは…。
ロシア軍が一挙に来てなんとこのゴリまで占領されてしまった。
ここも独立運動が起きているんですね。
池上さんがジョージアに行かれたのは2009年っておっしゃってましたよね。
そうですねこの2008年にジョージア戦争があったもんですからそのちょうど1年後いったいどういう状況なのかな?当時の写真がありますね。
はいここですが。
さぁ後ろに立っているのは誰でしょうか?はいスターリン。
そうなんですよ。
そのゴリの街である異変が起きているようなんです。
ソ連時代の古い建物が残る
街なかを走っていると…。
見えてきたのは泣く子も黙るスターリン
そんなゴリのシンボルが
なかでも観光客に人気なのはこれ
スターリンが愛用した列車がそのまま残っている。
飛行機嫌いだったスターリンはヤルタ会談やポツダム会談にもこの列車で移動した。
6年前池上が訪れたとき街の中央広場にはスターリン像があった
しかし今その姿はない。
いったいどこへ?
6mものスターリン像はどこへ?この街最大のミステリーだ
スターリン出身地のゴリだが皮肉にもロシアの標的になった
壁には今でも空爆の傷跡が生々しく残る
南オセチアに隣接するゴリはロシア軍の激しい空爆にさらされ多くの民間人が犠牲に
ロシアはジョージア領内に侵攻。
戦争はわずか5日間で終わった
ロシアと対峙する最前線。
南オセチアとの境界へ向かった
そこには
その前方には…
有刺鉄線が延々と続く。
更に…
との警告が
そのとき有刺鉄線の向こう側から男性が現れた
有刺鉄線から目と鼻の先
今もジョージア国籍だという男性しかし…
タバコだ孤立してしまった男性。
必要なものはこうしてジョージアの警察から差し入れてもらっている
南オセチアで強まるロシアによる支配の実態
一方故郷を追われた過去を背負う人物がいた。
人だかりの中で行われているのはジョージア伝統のレスリング。
ジョージアはオリンピックで数多くのメダリストを輩出している強豪国
そこにやってきた大柄の男性
実は日本と深い関係が
ジョージア出身の初の関取で得意の決まり手は押し出し
日本の大相撲入りを目指す若者たちの憧れの的だ。
黒海さんから贈られた大会の優勝商品はこれ。
羊1頭なんとも豪快
引退後ジョージアに戻った黒海さん。
愛車のナンバーは…。
SUMO相撲1番
この日はひげも剃ってさっぱり。
スーツ姿で登場そのわけは…
お〜っ!久しぶり元気でした?
日本のパートナーと新たなビジネスを始めようとしていたのだ
日本の中古車販売をはじめ自動車関連のビジネスを来年立ち上げる計画だ。
そこには日本とジョージアの懸け橋になりたいという黒海さんの思いが
そうですねはい。
成功の手応えはすでにつかんでいた。
経営するのがここ。
洗車が好きな日本人をヒントにした洗車場だ。
連日満車の大盛況
黒海さんには帰れない故郷がある。
首都トビリシのマンション
ジョージアの首都トビリシのマンション
ここに元力士の黒海さんが住んでいる
ご家族ですか?そうです。
リビングには2人の息子と奥さんが
すると黒海さんが見せてくれたのがまげ
実は四股名の黒海には知られざる望郷の念が込められていた。
黒海に面した美しい街
黒海さんの生まれ育った故郷だ。
しかし…。
ソ連崩壊後の1992年独立を求めるアブハジアとジョージアが武力衝突。
黒海さんも一家で戦火を逃れ避難。
以来一度も故郷に帰れないまま
積年の思い。
故郷から黒海を見られる日は来るのだろうか
今日がここがもう国境ですっていう勝手に。
国際なんとかっていうとこで決めなくて勝手に引いたもん勝ちみたいな感じなんですか?そうですね。
国際法に関係なく自分で引いてしまってこっちの領土だぞっていうこちらをご覧ください。
まず南オセチアではルーブルを使っているんですね。
ロシアの通貨ですよね。
そしてパスポート年金はロシアが給付しているということなんです。
更には住民たちを守る保護するという名目でロシア軍が駐留しています。
そして独立を問う選挙というのも行われてロシアが支援しています独立派。
これが圧倒的な支持を得たということなんですよね。
これ南オセチアをクリミアに変えればまったく同じ流れになりますね。
ジョージアに近いクリミア。
やはり黒海に面していますよね。
そしてこのクリミアというのは本来は…。
そうなんですね。
こちらをご覧いただきますとほとんど一緒ですよね。
クリミアでもルーブルが使われていますしパスポート年金はロシアから給付されているという状態なんですよね。
去年の3月ですよね。
さあこのジョージアとウクライナ。
反ロシアという共通点である驚きの動きがあったんです。
黒海の真珠と呼ばれるウクライナ南部の港町オデッサ。
人口100万人ウクライナ第4の都市だ。
名所はこちら
ソ連時代の映画『戦艦ポチョムキン』の舞台として知られている。
この平和な街で去年…
クリミアやウクライナ東部の独立運動がオデッサまで拡大かと世界に衝撃を与えた。
あれから1年今オデッサにジョージア前大統領のサーカシビリ氏がいた。
そう彼こそが…
2008年のジョージア戦争の当事者だったサーカシビリ前大統領。
その後ウクライナに亡命
ロシアを押さえ込む切り札として今年オデッサ州の知事に就任。
ジパング取材班が直撃した
ジョージア前大統領でウクライナオデッサ州の知事に転身したサーカシビリ氏。
反ロシアの急先鋒をジパング取材班が直撃した
これはかなり意外な動きだなという印象なんですけどロシアはどんどん領土を拡大していきたいということなんですか?さぁどういうことかというのでちょっと地図を広げてみましょうか。
こちらですね。
ヨーロッパまで出てきましたね。
かつてこれがソ連だった時代…。
さぁどんな戦略かといいますとここでソ連のかつての国境線を改めて引いてみましょうか。
こうなっているわけですね。
さぁこれ見てください。
ここはロシアですけれどもジョージアウクライナこれはみんな…。
ところがこのソ連が崩壊してしまったわけですね。
プーチン大統領は今何と言っているかといいますとこちらです。
ロシアにしてみると…。
となると緩衝地帯がずっと自分のほうに近づいてきてウクライナやジョージアがいわば防波堤の役割をしている。
なんかそれってちょっとひとりよがりな感じがするんですけど。
防波堤っていうことなんでしたらまだそういう考えなのかなと思うんですけども今話題になっているシリア。
このシリアに空爆したりとかいろいろ介入してるというのはどういう理由があるんですか?ロシアの外で今…。
シリアですよね。
ここアサド政権というのは親ロシア政権なんですね。
ここがかつてソ連だった時代からソ連にとってあるいはロシアにとっての。
イラクの隣のイラン。
更に世界で見ればソ連寄りだったキューバがなんと最近アメリカと国交を回復しちゃったでしょ。
ロシアにしてみると世界的な規模でどんどん…アメリカ側に行っちゃうとなると…。
今日はこの小国ジョージアから世界情勢がだいぶ見えてきた気がしますけれどもここで気になるのがやっぱり日本ですよね。
さぁやっとというかつまりこちら側。
これ隠れてるのを外すとこうなるわけですね。
これ日本も大きくかかわっている話なんですよ。
つまりロシアとこのウクライナジョージア…。
あっ北方領土。
北方領土問題を抱えているわけですね。
というふうに見えてきませんか?確かに。
北方領土問題が少し前に進むかもしれないという期待もあったんですけどこのところ日本に対して非常に強硬な態度に出ています。
というのも…。
今のところなんとか来年春にはプーチン大統領を日本に呼びたいという安倍政権の思いはあるわけですね。
あるいは最近…。
さぁ北方領土は返還できるのかどうかという。
新たな動きがあるかどうか来年にかけてのこれが注目点ということですね。
2015/11/09(月) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
未来世紀ジパング【池上彰が解き明かす!反ロシア未知なる小国】[字][デ]

池上彰の「注目国シリーズ!名前が変わったジョージア」反ロシアの急先鋒…緊迫境界線ルポ▽長寿の秘密“伝統食”に世界最古のワイン▽戦火を逃れた元力士・黒海に密着

詳細情報
番組内容
アメリカの州でも、缶コーヒーでもない。今年「グルジア」から名前が変わった国「ジョージア」。ジョージアは、シルクロードが走る黒海沿岸の旧ソ連国。実は、今何かとニュースを騒がしているロシアとただならぬ因縁がある。7年前にロシアと戦火を交え、国土の2割にあたる地域がロシアの影響下に置かれているのだ。
内容つづき
小国「ジョージア」から見えてくる世界の縮図と、日本との意外な関わりをジャーナリスト池上彰が徹底解説する。
出演者
【メーンMC】SHELLY
【進行役】秋元玲奈(テレビ東京アナウンサー)
【沸騰ナビゲーター】池上彰(ジャーナリスト)
【パネラー】パックン、坂下千里子、鈴木ちなみ
関連情報
【公式ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/zipangu/
【公式Twitter】
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【公式Facebook】
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