（一樹）
僕は今取材の旅をしている。
相手は…
ゲームの中はいいですよね。
強くもなれるしまわりのみんなも助けてくれるし。
毎日「愛してる」って言ってくれるの。
誕生日のお祝いもしてくれたんだから！
ひと事ではなかった
だって僕自身がネトゲ廃人だったのだから

その日は突然やってきた。
原因は仲間同士のいざこざ

（一樹）何でみんないなくなっちゃうんだよ。

僕がゲームにのめり込むようになったのは小学生の頃。
親の離婚がきっかけだった

慣れないパートに出た母はイライラして僕に当たった

親にかまってもらえない寂しさが僕をゲームに向かわせた

高校も辞めた

こんな僕にも自慢がある。
２年前から書いているブログが結構人気なのだ
あ…きたきた。
・
（春野）お〜い！市村いるんだろ？・
（春野）いるんだろ？分かるぞ。
調子はどうだ？また痩せたんじゃないか？まあ…。
飯はきちんと食えよ。
この人は僕が通っていた高校の先生。
中退してからも様子を見にやって来る
（春野）最近は何してるんだ？特に何も。
ブログ書いてるぐらいです。
そうか。
まあお前が元気ならそれでいいがいつも言ってるけどどんなに小さくてもいいから社会とつながる事は大切だと思うぞ。
な！市村。

そんなある日…
（パソコンの着信音）はあ？何だ？このいたずらメッセージ。
その後も藪内という人からのメッセージは毎日のように来た。
回想どんなに小さくてもいいから社会とつながる事は大切だと思うぞ。
これがもし本当だったら…。

僕は思いきって出版社を訪ねた
（ノック）
（藪内）あっもしかしてレザン君？はい。
よく来てくれたね。
どうぞ入って入って。
はい。
ところで今回の企画なんだけど社会問題になってるゲーム依存を市村さんあなたに取材してもらえないかと思って。
…取材？だって面白いじゃないですか！「ゲーム廃人市村が全国のすご腕ゲーマーを斬る！」。
なんてね。
はあ…。
取材する人についてはちゃんとこっちで調べますから。
安心して。
あでも…。
強く言い返す事もできず取材を引き受ける事になった
よし…。
（ノック）こんにちはベル出版から来ました市村です。
・
（桜井）は〜い！あっ市村さんですね？いらっしゃい。
・
（赤ん坊の泣き声）あ〜ちょっと待ってて。
・
（赤ん坊の泣き声）あっすぐ来るから。
・
（赤ん坊の泣き声）はあ…。
ごめんね待たせちゃって。
いいえ。
どうぞ。
赤ちゃんいるんですね。
うん。
もうすぐ１歳になるの。
え？それじゃあゲームしてる時は？そんなのだっこしてプレーしてるに決まってるじゃない。
はあ…。
いつからゲームしてるんですか？う〜ん…結婚してからかなあ。
あれうちの旦那。
最初はラブラブだったんだけどね結婚したら急に冷たくなって仕事が忙しいって言ってかまってくれなくなったの。
あっそんな事よりゲームの事よね。
こっちの部屋よ。
はい。
えっ？この人はねほら毎日「愛してる」って言ってくれるの。
この前なんて誕生日のお祝いもしてくれたんだから！あっこっちはね年下なんだけど出会った頃の旦那にそっくりなの。
今日はデートの約束してるから彼の好きなピンクのワンピース着てるんだ。
「私がいないと生きていけない」なんて言うのよ。
ねタクちゃん。
まあ…今の旦那にはそんな言葉かけてもらえないんだけどね。
桜井さん…さみしかったんですね。

それ以上僕は何も言えなかった
・
（赤ん坊の泣き声）
（ヒャダイン）つらい…つらいです。
でもこういう事なんですよね。
切ないですね。
というわけで今回なんですけどね前回に引き続きまして西村元気さんにお越し頂きました。
ゲームが理由で小学生の頃から不登校を繰り返した西村さん。
１７歳の時…本を出版し話題になりました。
今回のドラマは西村さんのそうした取材経験を元にしています。
僕が実際に取材した人で…いつでもおっぱい吸えるようにした状態で……主婦の方がいて。
え〜っ！うわ〜！やっぱり旦那さんとはうまくいってないみたいで寂しさを抱えてたみたいですね。
ドラマの市村さんのほうなんですけど…西村さんもそうだったんですか？そうなんです。
こういう取材っていう機会をもらって何とか出ようと決意したのはいいんですけどやっぱり…でもこのままだと絶対立ち行かなくなるというのは分かってたので…さっきＶＴＲに出てきた…取材というムチャ振りをされたけどって言葉がフラッシュバックして。
そうです。
これが……なんだと思って。
ええ話やで。
いい話ですね。
いろんなものがつながりますよね。
ええ話やなヒャたちゃんな。
本当いい話。
ネトゲ取材の旅で僕は全国を歩き回っていた
今日は…長旅だな。

今日会うのは僕と同じ１８歳。
学校はもうずっと休んでいるそうだ
あの…ケンタ君は？
（ケンタの母）もう半年ほど部屋から出てこないのよ。
この前無理やり出そうとしたら暴れちゃって…。
よし。
（ケンタの興奮する声）
（一樹）あの…。
（ケンタの興奮する声）ドーナツが好きだって聞いて持ってきたんですけど！え〜っと…チョコとイチゴなんですけど。
（ケンタ）汚くてすみません。
いえ…ありがとうございます。
あの…ゲームの時はすごい迫力なんですね。
実は僕…昔からいじめられっ子だったんです。
でもゲームの中はいいですよね。
強くもなれるしまわりのみんなも助けてくれるし。
なんか…分かる気がします。
大学行くんですか？やっぱりおかしいと思いますか？でも「またいつか」って気持ちを捨てきれなくて。
僕たちまだ…１８だもんね。
一緒にドーナツ食べようよ。
おいしいね。
おいしい。
どうぞ。
ああ。
ありがとな。
どうしたんですか？なんか服も変わったけど顔つきが全然違うぞ。
僕は取材の旅で感じた事を話した
なんかみんな傷だらけっていうか理由は人それぞれなんですけどリアルな世界で傷ついてゲームの世界に逃げ込んだんだなと思ったんです。
そうか…。
結局独りぼっちっていうか…。
僕もそうなんですけど。
随分と冷静に自分を見られるようになったんだな。
もしもし。
どうもどうもベル出版の藪内です。
記事の調子どう？ぼちぼちです。
期待してるよ〜。
あっそれより今掲示板で話題になってるすごいやつ見つけたんだ。
今資料送るから見といて。
（電話が切れた音）ひどいなこれは。
え…？コーダル！？
それはかつてのゲーム仲間だった
あのコーダルが…？
（ドアチャイム）コーダル？僕レザンだよ。
覚えてない？
（司）入って。
まさかこんな形で会うなんてね。
ほんとだよね。
驚いたでしょ？うん…。
でも何であんな荒らし行為したの？どうしようもなかったんだよ。

（一樹）
コーダルは女子プレーヤーと恋愛トラブルを起こし僕たちのパーティーから追放された

その後学校でも嫌な事が重なり現実から逃げるようにゲームにのめり込んだという
そのあと親との関係も悪くなってむしゃくしゃしてあんな事しちゃったんだ。
今は１人暮らしなの？うん…。
ねえレザン…僕どうしたらいいと思う？ねえ！頼れる人がいないんだよ！お願い…僕を助けて！
（司の泣き声）回想頼れる人がいないんだよ！お願い…僕を助けて！
僕は大きな決断をした
皆さんこんにちは。
ゲッツ！私は今オープン間もないネトゲハウスに来ています。
なんとこちらネットゲーム依存で悩む人たちをサポートする施設なんです。
さあ見てみましょう！あらまあ！すてきな場所だこと。
パソコンもあったりお茶が飲めるスペースもあるんですね。
そうですか。
さて店長の市村さんです。
はい。
こんにちは。
こんにちは。
市村さん実はあのベストセラーになったこちらみんなの知らないネトゲ廃人の著者なんですよ〜。
ここはどういった場所ですか？はい。
ここはゲームの中から抜け出せず苦しんでいる人たちの駆け込み寺のような場所です。
話し相手にもなりますしメールをくれれば相談にものっています。
では店員の本条さんにもお話を聞いてみましょう。
どうぞ。
働いてみてどうですか？毎日楽しいです。
でも実は僕も少し前までゲームにどっぷり依存してました。
この場所が無かったら今も家に籠もってたかもしれないです。
再スタートのつもりで頑張ってます。
その熱い気持ちにゲッツ！ナイスゲッツ。
（２人小声で）ゲッツ。
ありがとう。
市村さんこのネトゲハウスますます盛り上げていきたいですね。
はい。
以上現場からダンディ坂野がお伝えしました。
ゲッツ。
（小声で）ゲッツ。
・
（ダンディ坂野）はいＯＫです！お疲れさまでした。
う〜ん。
救われましたね。
なぜ彼らは取材を受けようと思ってくれたんですかね。
僕が取材をするっていう事と同じように……だったんじゃないかなと思ってます。
てことなんですね。
「ネトゲハウス」これどういう事なんですかね。
僕が取材して思ったのが結局彼らって…じゃあそうなった時にどこを頼ったらいいのかって言われたら今頼る先ってほとんど無いんですよ。
なるほどね。
だから僕が作りたいのは…痛みが分かるからより共感してもらえるというか。
そういった事もやれれば。
ぜひネトゲハウス実現すればいいですね。
そうですね頑張ります。
ぜひ期待しております。
さあ番組のホームページにはこんな声が届いています。
あら来ましたよヒャダさん。
ありがとうございます本当に。
うれしい事ですね。
うれしいですね。
音楽も好きだったらいっぱいやったほうがいいよｑｕｕさん。
多分ね…めげ勝ちだからさみんなさ。
めげないで頑張ってね。
僕もまあ結婚したし子どももできるし何とか軌道修正できたんで僕みたいになんかうまく克服できるんですよみんな。
きっと。
ええ話や。
説得力あります。
とっても。
そのとおりだと思いますね。
本人はやっぱり現実に帰りたいって気持ちをきちんと持ち続ける事ですね。
でなんか機会があったら頼みの綱があってあっこれつかめそうかなって思ったらぱっとつかんであとはもう人任せにその人がひっぱってくれるのを待ってしまえばいいと思う。
やっぱり家族というのが一番身近な頼みの綱なので。
具体的にＬＡＮケーブル切ったりとかそういう事はしちゃダメ。
ダメですね！絶対ダメでしょ。
近くにいて頂きたいですねほんとね。
ほんとだね。
ＬＡＮケーブルは切らないで！絶対ダメよそれ。
私の名前は河原奈々。
2015/11/10(火) 00:25〜00:55
ＮＨＫＥテレ１大阪
オトナヘノベル　１０代ドラマ“ハデス・バトラー”「復活の勇者」[字][再]

ネトゲ依存からの脱出。高校を中退した市村は、全国の“ネトゲ廃人”を取材する旅に出る。様々な出会いを通して見つけた脱出のヒントとは？希望の場所「ネトゲハウス」とは

詳細情報
番組内容
１０代ドラマ「ネトゲ依存」２週目。“ネトゲ廃人”になり、高校を中退した市村。ひょんなことから、全国のネトゲ依存のすご腕ゲーマーを取材することに。赤ちゃんを抱っこしながらゲームする主婦、汚れた部屋でボサボサの髪をふり乱してゲームする１０代。みんな心に傷を負っていた。取材を通し自らを客観視できるようになった市村は、自身の再生を誓い、大きな決断をする。希望を託した「ネトゲハウス」、その目的とは？
出演者
【出演】ダンディ坂野，西村本気，高杉真宙，加藤諒，【司会】ヒャダイン，篠田麻里子，【語り】松田大輔，片山千恵子

ジャンル :
ドキュメンタリー／教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー／教養 – カルチャー・伝統文化
情報／ワイドショー – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード（ステレオ）
サンプリングレート : 48kHz

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