(男性)8時半頃あちらから来ましてね…。
(伊丹憲一)はあ…おっす。
いつまでも暑いなこりゃ。
もう10月だぞ?
(伊丹)うっす。
(芹沢慶二)お疲れさまです。
(米沢守)頭部に殴打された跡があります。
(伊丹)身元を示す所持品は?携帯は所持してません。
財布は空でした。
財布は空…。
物盗りか?
(三浦信輔)おい。
こいつ川北誠也じゃねえか?
(レンガの転がる音)
(川北誠也)待てって言ってんだろうが!
(新開拓海)うっ…!
(三浦)川北誠也も新開拓海もともに当時二十歳でした。
面識はなかったようですが。
(中園照生)殺害の動機は?「すれ違いざまに目が合った」「にらまれたと思いついカッとして殴った」「殴ったら逃げたので追いかけた」調書から読み取れるのはそんなところです。
なんだそのくっだらない理由は。
殺害後川北は逃げたんですが翌日父親に付き添われて自首しています。
追いかけたのは謝らせたかっただけで…。
あのくらいで死ぬとは思いませんでした。
(リポーター)殺意を否認した川北誠也に対し東京地裁も死亡の危険性を認識していたとまでは言えないとして殺人ではなく傷害致死を認定し…。
(リポーター)「懲役6年の判決を下しました」「その3年後最高裁で懲役5年の刑が確定し2か月前に満期で出所していました」
(米沢)頭を3回殴られてました。
(神戸尊)3回も?
(杉下右京)米沢さん。
はい。
こちらは?被害者の背中についていたゲソ痕です。
サイズから見て男物の靴ですな。
背中にゲソ痕ですか。
犯人が川北を殴る前に背中を蹴ったって事ですか?もしくは殺したあとに踏みつけた。
どっちにしろかなりの怨恨を感じさせますね。
ええ。
(中園)最も強い怨恨の線は5年前に川北に息子を殺された両親という事になります。
懲役5年の判決が不服だったんでしょう。
2年前に民事訴訟を起こしてます。
(内村完爾)損害賠償請求か。
その民事裁判はどうなったんだ?その最高裁判決が今年の初めに出ています。
あっほんとだ。
原告が勝ってますね。
「息子を殺された両親が勝訴」でもよく覚えてますねこういう事。
原告側弁護人が瀬田宗明氏でしたからね。
瀬田宗明って…あっあの法務大臣だった。
ええ。
民間から大臣に登用され今は弁護士に戻っています。
お知り合いなんですか?一度お会いした事があります。
行きましょう。
行くんですか…。
たった一度会っただけなのに?最近暑い日が続きますね。
5階だったらエレベーター使えばよかったですね。
(瀬田宗明)エレベーターはないんですよ。
(瀬田)このビルは古いんでね。
おかげで安く借りてます。
ご無沙汰しております。
初めまして。
杉下の部下の神戸と申します。
瀬田です。
さあもう少し頑張って上りましょう。
すいません。
お茶の用意がなくて。
ご心配なく。
そのために彼がいます。
なら階段を上がりきる前に言ってほしかったなと…。
僕は紅茶がよかったのですがねぇ。
また1階まで下りろと?いえ僕が我慢すれば済む話です。
我慢って…。
それで…。
民事裁判の話でしたね。
失礼します。
川北さんに命じられた賠償額は1億余りだったと記憶していますが…。
ええ。
しかしいまだに一度も支払われていません。
えっそうなんですか?民事は判決後当事者間に任されてしまいますからね。
ああ賠償金が理由で自己破産できない代わりに裁判所が取り立ててくれる事もないってやつですね。
川北さんから出所後連絡は?ずっと探していました。
川北の肉親には請求できないんですよね。
法的に不可能です。
その川北さんの肉親と連絡は?お姉さんと一度…。
あっお姉さんがいたんだ。
(瀬田)弟が事件を起こす少し前に嫁いでます。
それで川北さんの所在はわかりましたか?わかりませんでした。
ちなみになぜお姉さんだけなのでしょう?ご両親は?川北さんの母親は病気で亡くなってます。
いつの事でしょう?民事裁判の刑が確定したあとすぐです。
父親は?行方不明です。
はい?奥さんを亡くされたあと姿を消してます。
結局出所後の川北の行方はわからなかったんですよね。
はい。
民事裁判で勝ってもどうにもならないってわけか…。
あっ失礼。
そのとおりです。
私はなんの力にもなれなかった。
あっでも金銭的な保証なら被害者遺族には犯罪被害者給付金が出たはずですよね。
拓海くんのご両親はお金が欲しいわけじゃありません。
もちろんそうでしょうけど…。
息子を殺した男に一生をかけて償ってほしい。
そうです。
そんな新開さんが一生をかけて償ってほしい男を殺すと思いますか?捜査一課の方がご両親にそんな質問をしていました。
なるほど。
瀬田さんはその聴取に立ち会われていらっしゃいましたか。
ご両親から連絡をもらったので。
犯人が謝罪してくれる事を祈る。
被害者遺族にできるのはそれだけなんですねぇ。
でもその祈りが届かなかった時は復讐という選択肢もあるかもしれませんね。
だから川北さんを殺したのでしょうか。
少なくとも捜査一課はそう見てるみたいですよ。
(新開孝太郎)杉下さんと神戸さんですね。
えっ?はい。
瀬田先生から連絡がありました。
来るだろうって。
あのこちら…車お売りになるんですか?いろいろとお金がかかりましたから裁判で。
勝っても賠償されなければこれが現実です。
(ため息)川北は出所してすぐ姿をくらましたんです。
卑劣です。
彼の出所前に姿を消した父親と同じです。
あっ父親とは面識があるんですか?懲役6年の一審判決には納得できませんでした。
当然検察も控訴してくれました。
そしたら相手の両親は弁護士と一緒に来て…。
我々には損害賠償をする用意があります。
金で済まそうって話ですか?違います。
我々は言葉だけではない謝罪を…。
もういい!帰ってください!我々は謝罪をし損害賠償したいと申し出ました。
するとご遺族はそれを辞退されました。
我々の誠意が通じたのだと思います。
被告人に情状酌量を求めます。
(孝太郎の声)結局川北は一審より減刑されて懲役5年に…。
それ以来もう弁護士は信じていません。
それでも瀬田弁護士に民事裁判を依頼された。
弁護士を立てないと裁判は困難ですからね。
瀬田先生はよくやってくれました。
でも…それでもこんな結果です。
司法にはもう失望しました。
拓海の無念を晴らせるのはもう我々だけなんです。
その無念は晴らせましたか?ちょっと杉下さん…。
(新開清美)罰が当たったのよ。
えっ?無理ですよ。
あの2人に川北を殺すのは。
川北は出所後ずっと姿を消してたんですから。
まああの2人の供述を信じればですけど。
(車のエンジン音)所轄の人間ですね。
あれきっと川北のお姉さんですよ。
ええ。
杉下さん…。
今のもしかして…。
…かもしれませんねぇ。
(南智子)死んだと聞いてむしろ安堵しています。
(智子)遺体の確認も断りました。
ひどい姉だと思いますか?いや…それだけのご苦労があったんですね。
ええ。
それで母は…。
(智子)60歳でした。
弟の事が影響してないはずありません。
弟さんから連絡は?出所後は一度も。
つまり出所するまでは連絡があった。
何度か面会に行きました。
最後にお会いになったのは?今年の1月です。
(智子)またマスコミが来てる。
実家だけじゃなくてうちにも…。
だってほんとにすごくて。
母さんだって…。
入院したんだろ母さん。
だからあの家には父さんだけ…。
父さんだってもう…。
ねえ出所したらちゃんと賠償金払うわよね?マスコミの人にそう言っていいのよね?ちゃんと反省してるって償う気はあるってそう…。
償ってるじゃないか。
だから刑務所に入ってんだろ!!
(刑務官)静かに!川北落ち着きなさい。
俺はこうして今償ってんだよ5年も!
(刑務官)面会中止!立ちなさい!なのに出たら金まで払えなんて冗談じゃない!絶対に払ってやるもんか!
(刑務官)立ちなさい!うるさいマスコミにそう言ってやれよ!
(ドアの開閉音)それ以来もう…。
ではお父様と連絡は?民事の判決が出たあと失踪したままですか?お父様のお写真はありますか?意外でした。
そんなに報道が過熱してたなんて。
だって懲役5年の傷害致死事件ですよ。
ほとんど印象に残ってませんでした。
当事者とそうでない人間は感じ方が違うのでしょう。
あの!父の写真…。
あったんですか?これでもいいですか?父を疑ってるんですよね?弟を殺したって。
でも父は弟が出所する日を知らなかったはずです。
弟も父に合うのは無理です。
だって私だって父がどこにいるか知らないのに…。
(米沢)ネットから拾ってきたものです。
近所の人が撮影したって感じですな。
間違いない。
やっぱり川北の父親だったんですよ。
こちら川北さんの所持品ですか?ええ。
ちなみにこの財布は空でした。
(三浦)殴打されたのは左後頭部なんだけど…。
なんのご用でしょうか?神戸警部補殿!はい。
昨日の午後4時頃川北浩二さんを見ました。
川北誠也の父親ですね?失踪中の。
うん。
えーと場所は…。
ごめんなさい。
杉下さん。
課長ここ禁煙ですよ。
(角田六郎)頼まれたんだよ警部殿に。
えっ?捜査活動だって。
捜査活動?そんな事より何か話があるのでは?さっき川北が殺された事件の捜査本部で…。
見たんです。
1か月前川北の父親を。
(三浦)確かに川北浩二さんでしたか?ホームの反対側からでしたが見間違えるはずありません。
(芹沢)どこで見たんですか?品川駅です。
横浜方面行きの電車に乗ってました。
その路線で友人知人宿泊施設を調べれば何か手がかりが…。
言われなくてもしますよ。
(清美)探すんですか?川北の父親を。
ええ。
一応参考人聴取の必要がありますから。
あの時はしてくれなかったのに…。
出所した川北とその父親を探してくれってどんなに頼んでも…。
(清美)してくれなかった…。
1か月前の目撃情報をなぜ今日のタイミングで?例えばあなた方は昨日川北さんのお姉さんのうちへいらっしゃった。
だから我々が彼を探していると思った。
違いますか?彼女のうちに行ったんですか?行ったんですね。
なぜ行ったんでしょう?息子を…拓海を殺した男の家族だからよ。
拓海を殺して賠償金も払わずに逃げた男の家族だから…。
やめなさい。
つまり彼女を訪ねたのは初めてではなかった。
わかってます。
加害者の家族に罪はない。
家族に賠償金の取り立てはできない。
わかってます。
でも息子が殺されてずーっと私たちは精神的にギリギリの生活でした。
息子の無念をいつも背負って…。
なら…あっちの家族だって…そうじゃなきゃ不公平よ。
自分の家族の罪を背負わなきゃ不公平よ。
わかったもういい。
お父さんだって言ってたじゃないの。
「お寿司なんか買って」って…。
「あの女スーパーでお寿司なんか買って」って…泣いて怒ってたじゃない!違う…こんな事…。
私言いたくない…。
言いたくない…。
(孝太郎)私が行くって言ったんです。
嫌がらせと言われてもいい。
川北もその父親も逃げた。
それなら川北の姉に一生つきまとってやろうって…。
でもそんな私たちにひと月前…。
(瀬田)新開さん。
ご自宅にいらっしゃらなかったので。
もう裁判は終わったのにどうして?その判決が守られてないそうですね。
弁護士は取り立てもしてくれるんですか?よくいらしてるそうですねこちらに。
出所した川北の行方を知っているかもしれない。
新開さん。
家族からの取り立ては不可能です。
そんな事はわかってる!加害者の家族を訪ねる度に…。
胸が張り裂けるのは被害者遺族かもしれません。
通われる方もつらいが通う方だってつらいはず。
あなた方がなぜこんな罰を受けるんです?
(孝太郎の声)それ以来行ってませんでした。
でも昨日川北が殺されてもう一生罪を償わせる事ができなくなった。
そんな中警察が来てあなた方も来ていてもたってもいられなくなって…。
(智子)父を疑ってるんですよね?弟を殺したって。
でも父は弟が出所する日を知らなかったはずです。
最後に1つだけよろしいでしょうか?はい。
あなた方は出所後の川北さんをずっと探していました。
ええ。
どのような方法で探していたのでしょう?闇雲に探していたわけではありませんよね?話す必要はありません。
(瀬田)川北さんが拘置所から送ってきた手紙です。
拝見します。
謝罪の手紙です。
何通も送られてきました。
よく書けてます。
川北は本当に反省している。
私も妻もそう思いました。
でも最高裁の判決が出た途端1通も送られてこなくなりました。
えっ?つまり減刑されるためだけの手紙というわけですか?そういう指導する弁護士がいるのは確かです。
それを聞いた時…思い出したんです。
我々には損害賠償をする用意があります。
それなら本当に賠償してもらおうって…。
川北誠也に一生かけて…。
こちらは差出人がありませんが…。
(瀬田)それはこちらに…。
(清美)いいです見てください。
何もかも見せる必要はないんですよ。
手紙だけじゃない。
葉書や貼り紙もありました。
貼り紙?そんなに金が欲しいのか。
我が子の命を金に換えるのか。
新開さん…。
インターネットではもっと色々と…。
平気です…平気です!それでも川北に償いをさせたかった…。
人の命を奪って5年でいいわけはない!
(瀬田)杉下さん神戸さん。
今日川北さんの手紙をお見せしたのはあなた方に察して欲しかったからです。
お2人がこれまでどれほど苦しんできたかを。
彼らを犯人扱いしさらに苦しめる事を…私は許しません。
(三浦)川北の父親が目撃された品川駅周辺のホテル…ちょっと気になる事が…。
(中園)川北浩二が泊まってたのか。
いえ…。
我々と同様に探しに来た女がいたそうです。
探しに来た?川北の姉かもしれないと思い確認したんですけど違いました。
じゃあ誰だ?30前後の女だそうです。
(携帯電話)あっちょっと失礼します。
(携帯電話)はい三浦。
…場所は?わかった!川北浩二の泊まってた場所わかりました。
とっくに出て行きましたよ。
1週間ぐらい前にね。
(芹沢)何かあったんすかね?あぁ女の人が来たんですよ。
女?彼を探しに?えぇ。
その女って30くらいの…。
うんうんそのぐらい。
結構きれいな人でしたよ。
(伊丹)彼は女と会ったんですか?いやその人が来たのどっかで見てたんじゃない?それっきり帰ってこなかったのよ。
その女どこの誰だかはわかりませんよね?わかるわよ。
えっ?はいこの人。
(水脇亜美)えぇ探してましたよ。
川北浩二さんを。
あの…依頼人は新開さんですか?令状が必要ですか?うなずくだけで結構です。
依頼人は新開さんですね?
(伊丹)探すように頼まれたのは川北の父親だけじゃないですよね?
(三浦)その息子もですね?
(芹沢)父親がここにいた事はなんでわかったんです?1か月前川北浩二さんが横浜方面の電車に乗ってたって。
新開さんがそう言ったんですか。
でその路線の安い宿を探したの。
その捜査の結果を新開さんに伝えました?定期的に連絡が入るんで。
その後も2人の行方を探したんですね。
安宿は結構探しましたよ。
でもホテルとか泊まられると客の事一切教えてくれなくなるから。
この携帯見せてもらえますか?
(伊丹)あなた方の探偵がネットで見つけた文章です。
一昨日の夕方…つまり川北誠也が殺された日に書かれたものです。
「今うちのカフェにいる客何か見た事あると思って調べてみたら川北誠也だった件。
五年前人殺して損害賠償を請求された犯人。
刑務所出てたんだビックリ」これその日のうちに探偵から連絡受けてますよね?あなた方はその日彼に会ったんじゃありませんか?会った証拠にはなりません。
任意で聴取する理由にはなるんですよ。
任意というなら今後は参考人としての立場でのみ聴取に応じます。
ただし場所は警察以外。
時間は夜7時まで。
先生我々は正当な捜査活動を…。
もちろん私が立会人の条件です。
7時を過ぎました。
今日はお帰りください。
おい!テレビ見ろ!えっ?
(リポーター)「それはどういう意味ですか?」「ですから犯人は私たちです」「私たちが川北誠也を殺しました」
(リポーター)「動機は復讐ですか?」「警察に自首するんですか?」まさかこんな手に出るとは…。
神戸くん急ぎましょう。
ありがとうございました。
あ…あぁ…。
(伊丹)なんでマスコミに自白すんだよ!
(三浦)やっぱり昨日のうちに聴取すべきだったな。
(芹沢)先輩!僕らは川北浩二の所へ行けって。
なんだよ!居場所わかったのか?蒲田にあるビジネスホテルです。
くっそ〜!
(取材者)瀬田さん先生は知っていたんですか?
(取材者)今朝の事が本当ならまた弁護しますか?
(取材者)また新開さんに依頼されたんですか?今日中に会見いたします。
自首するそうですがそれは先生の助言等あったんでしょうか。
どうかそれまでお静かに願います。
(取材者)瀬田さんこれは復讐という事ですか?
(瀬田)新開さん入ります。
失礼します。
行くんですか警察に。
先生止めないでください。
止めるつもりはありません。
(川北浩二)どうせ借家でしたし…。
女房死んだあとに1人でいたって…。
いいですか。
昨日から何も…腹減って。
マスコミってうちの近所で取材するんでよく知ってる人がテレビ映って俺の事話してて…。
あ〜…こんな風に思われてたんだ…。
それは違うのにな〜とか…。
とても住めないよ。
やっと騒ぎが収まっても誠也が民事ってやつでまた負けたらまたぶりかえして…。
それも少し収まったと思ったら女房が…。
やっと乗り越えたと思ったら…またすぐに…。
もうダメだ。
女房の次は俺が殺される。
そう思ったら真夜中に着の身着のままで家捨てて…。
川北さん。
今日は殺された息子さんの件で…。
知ってる!見た…見たから…。
新開さんが殺したと発表しました。
先ほどテレビで…。
川北さんお手数ですが少し署の方で…。
いいです私は。
いいですって?私は先方の親に何も言えない。
言う資格も…捨てたんですから。
私は息子を捨てたんです。
(浩二)なんの罪もない娘まで…。
親失格です。
でもこれで…娘も少しは救われるかな…。
そう…新開さんが…誠也を…。
最初にこちらにお邪魔した時タバコのにおいがしました。
つまり最近ここでタバコを吸った人がいた。
それも弟さんが吸っていたのと同じにおいのタバコを。
見たところ灰皿はありませんね。
先日表の車も確認しました。
灰皿が小物入れになってました。
ご主人はタバコを吸わない人ですね。
川北誠也さんの背中には男物の靴の跡が残っていました。
背中を蹴ったのか踏みつけたのかいずれにしても遺体の状況と合わせて強い恨みを持つ者の犯行だと思われました。
しかしそうではなかった。
川北誠也さんつまり弟さんの死体を運び出す時玄関で落としましたよね。
その時…。
これが裏返り弟さんの背中にスタンプされたんです。
照合すればはっきりしますよ。
もちろんあなた1人で運び出す事は不可能でしょう。
仮にご主人が手伝ったのだとすれば表の車から痕跡が出るはずです。
新開さんのご両親があなたの弟さんを殺した犯人としてこれから自首します。
あなたはそれでもいいんですか?もうすぐ月命日なのに…。
えっ?行けなくなっちゃった母のお墓。
毎月行ってたんですか。
弟が殺したのは1人じゃない。
2人です。
新開さんと私の母。
2人です。
(智子)何言ってんの?
(誠也)頼むよ。
突然来て何言ってんの!?だからちょっとの間だけだって。
ちょっとってそのあとは?いいんだよちょっとの間払えば!そうすりゃ向こうだって俺の誠意ってやつがわかる。
誠也…そんな簡単な話じゃ…。
払う意思はあったって証明できんだよそれで!だてに5年入ってたわけじゃない。
そのくらいの知恵はつけてる。
(智子の声)まただって思いました。
(誠也)だからさその間だけちょっと金貸してくれりゃいいんだから。
(智子の声)また誠也が逃げたらうちに来るマスコミに私はなんて言うんだろう。
なんて言えばいいんだろう。
(誠也)あとは俺行方不明になるからさ。
その方が姉ちゃんだっていいだろ。
(智子の声)うちに訪ねてくる新開さんになんて言えばいいんだろう。
(誠也)俺なんかいなくなった方がいいだろ?悪い恩に着るよ。
怒ってんの?そりゃ怒ってるか。
だから迎えに来なかったんだよな。
刑務所出る日教えたのに。
あの日は暑くてさ。
今年一番の猛暑だったって。
(誠也の声)ムショ出たらさアスファルトの遠くに水が見えたんだ。
でも近づいたらなくなってて…。
そしたらまた遠くに見えてさ。
ほらガキの頃一緒に追いかけたあれだよ。
あの水確か姉ちゃん教えてくれたよな。
あれなんて言ったっけ?
(殴る音)
(智子)逃げ水…。
逃げ水っていうのよ誠也…。
(南真)ただいま。
あれ表の靴誰かお客さん?
(泣き声)
(智子)あっ!
(智子の声)そうすれば泥棒の仕業だと思ってくれるかもしれないって…。
少しは…気が楽かもしれません。
今度は…弟のした事じゃなくて自分のした事で責められるんですよね。
残念です。
肉親の犯した罪で憎まれ責められるつらさをあなたは誰よりも知っていたはずです。
息子さんを殺害した犯人がわかりました。
新開さんじゃないんですか?違います。
じゃあ誰が…。
(携帯電話)ちょっと失礼。
はい三浦。
…逮捕って誰を?えっ!?了解。
お父様に伝言があります。
もうすぐ月命日だそうですね。
お墓参りは必ず行ってください。
そう父に伝えて欲しいと…。
うっ…うわああああっ…!
(泣き声)ですから新開さん。
あなた方が出頭しても警察は自首とは見なしません。
それでも自首はできます。
警察の捜査を妨害した罪で。
瀬田先生何を言って…。
自首する事で刑事でも民事でも救われない被害者感情がある事を訴えたかった。
そして社会に一石を投じようとした。
そうですよね?警察に犯人扱いされた時犯人になる道もあると思いました。
瀬田先生。
息子の無念が少しでも晴らせるなら…そう思いました。
新開さん。
それは間違ってます。
少なくとも私はそう思います。
ですが私には自分の正義よりあなた方の感情の方が大切なんです。
(取材者)あっ出てきた!
(取材者)瀬田さん新開さん!一言お願いします!
(取材者)新開さん!
(取材者)会見はいつ行われるんですか!?それ渡すんですか?川北のお姉さんに…。
それが瀬田さんの思いでしょう。
加害者には一生かけて償って欲しい。
はい?そう祈ってたのは被害者遺族だけじゃなかったんですね。
きっと加害者の家族も…。
1つ聞いていいですか?なんでしょう?なぜ父親に娘さんが真犯人だと告げたんです?すぐにわかってしまう事です。
えぇ。
それなら杉下さんが伝えなくても…。
それなら犯人を突き止め自首をさせた僕が伝えるべきです。
残酷だとは思わないんですか?それに耐えられないなら人に罪を問うべきではない。
僕はそう思っています。
暑いですね…。
2015/11/11(水) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
[新]相棒season10[再][解][字]
今回の相棒は、あの瀬田法務大臣(渡哲也)が再び登場!法務大臣から弁護士に転身して、弱者の味方となって右京(水谷豊)の前に再び現れる!
詳細情報
◇出演者
【キャスト】
水谷豊、及川光博
【ゲスト】
渡哲也
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
福祉 – 音声解説
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
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日本語
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