焦らず優しくが大切です。
最後にしっかり褒めてあげれば更にうまくいくようですよ。
激しくボールを奪い合いゴールを目指す。
ブラインドサッカー日本代表。
ある選手が言った。
9月東京・渋谷。
サポーターたちの大声援を受け男たちは戦いに臨んだ。
初のパラリンピック出場を懸けたアジア最終予選。
選ばれし10人の精鋭たち。
4年間この日のために厳しい練習を積み重ねてきた。
今の日本代表が過去最強の日本代表という事をはっきりとここで申し上げる事ができます。
日本代表5日間の戦いが始まる。
9月2日日本代表が決戦の地にやって来た。
ありがとうございます!頑張って下さい!ブラインドサッカーアジア選手権。
リオパラリンピックの最終予選だ。
出場は6か国。
このうち切符を手にできるのは上位2か国。
総当たり戦で勝ち点を競う。
ブラインドサッカーはフィールドプレイヤー4人と目の見えるゴールキーパー5人で戦う。
ピッチの広さはフットサルコートと同じ。
サイドラインにはボールが外に出ないよう高さ1メートルほどのフェンスが設置されている。
転がると音が鳴るボールを使用。
また敵陣ゴール裏にはガイドと呼ばれる人が立ちゴールの位置や距離などを声で伝える。
(サポーター)日本!日本!日本!日本!チケットは完売。
スタンドはサポーターで埋め尽くされた。
皆さん一緒に日本代表と戦いましょう!初戦の相手は格上の中国。
日本は一度も勝った事がない。
絶対勝つぞ!
(一同)オ〜!日本行くぞ!オ〜!
(サポーター)日本!日本!日本!試合が始まった。
ボイボイ!ボイボイ!ボイボイ!ボイボイ!ボイという声を発する選手たち。
危険な衝突を避けるためのルールだ。
試合開始直後から中国はスピードに乗ったドリブルで日本ゴールに迫る。
しかし決定打を打たせない。
この堅い守りが日本の最大の武器。
フィールドプレーヤーの4人がひし形の陣形をとり全員が連動しながら守備をする通称ダイヤモンドディフェンス。
前の選手が抜かれても後ろの選手がカバー。
鉄壁の守りを4年間かけて磨き上げてきた。
鍵となるのはコミュニケーション。
聞こえてくる声の大きさで距離を測り互いの位置を決める。
プレー中も常に名前を呼び合い陣形を保つ。
この守備を盤石なものにしているのがゴールキーパー佐藤の声かけ。
瞬時に端的で的確な指示を行う。
練習では1歩単位の修正を何万回と繰り返してきた。
組織で守る日本に対し個人技でゴールに迫る中国。
後半7分。
中国のコーナーキック。
(ホイッスル)先制点を奪われた。
仕掛けられたフェイント。
ボールの音に惑わされ守備のラインは一直線に。
一瞬の隙をつかれた。
なんとか同点に追いつきたい日本。
しかし中国の厚い壁が立ちはだかる。
ここで見せたのがコミュニケーションを使った連係プレー。
1人では攻められないと判断したトップ選手が声を頼りに壁沿いにバックパス。
ボールを受けた選手は逆サイドへと展開。
中国を揺さぶる。
しかし1点が遠い。
(ホイッスル)大事な初戦を落としてしまった。
(サポーター)日本!日本!日本!気を付け!礼!
(一同)ありがとうございました!
(拍手)いきなり窮地に立たされた日本。
次の相手は因縁のイラン。
4年前の予選日本は最終戦を引き分ければ念願のパラリンピック出場を果たす事ができた。
しかし結果は0対2。
その相手がイランだった。
敗北感にうちひしがれた日本。
けれども再び前を向いた。
まず目標に掲げたのが失点をしない事。
守備力を強化した。
更に4度にわたる海外遠征も行った。
体格のいい相手にも当たり負けしないチームを作り上げた。
実力を伸ばしてきた日本。
昨年の世界選手権では6位に入った。
期待の新星も現れた。
代表デビュー戦で世界王者ブラジルからゴールを奪ったリョウだ。
迎えたイラン戦。
(ホイッスル)ボイボイボイ!ボイボイボイ!ボイボイボイ!ボイボイボイ!守りからリズムを作る。
ボールを奪うとカウンター。
この日の日本積極的に攻め上がる。
ボイボイボイ!ボイボイボイ!一進一退の攻防。
前半は0対0で折り返した。
そして後半22分。
キーパーからのダイレクトパスがリョウに通った。
(ガイド)打てる打てる打てる!今度は5番点取り屋のトモが攻め込む。
ボイボイボイボイ!しかしイランも体を張って決定的なチャンスを作らせない。
(ホイッスル)
(拍手)
(場内アナウンス)イラン対日本の試合は終了しました。
0対0で引き分けです。
(サポーター)日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!2日目が終わって勝ち点は1。
残り3試合全て勝つしかない。
(手拍子)次の相手は韓国。
(場内アナウンス)試合中はお静かにお願い致します。
(ホイッスル)ボイボイボイ!美しいダイヤモンドディフェンスはこの日も健在。
そして前半12分。
壁沿いにパスをつなぎ揺さぶりをかける日本。
7番リョウドリブルで攻め上がる。
コーナーキック。
韓国たまらずファウル。
絶好の位置でフリーキックを得た。
キッカーはエース5番のトモ。
ガイドの藤井がゴールの位置を知らせる。
(歓声)日本待望のゴール!
(歓声)左に大きく開いて敵をずらしたトモ。
思いっきり左足を振り抜いた。
1対0で折り返した後半10分。
今度は7番リョウがゴール。
キーパー佐藤が韓国の一瞬の隙を見逃さなかった。
守備陣形が整う前にパス。
待ち構えていたリョウはトラップしたあと落ち着いてシュート。
ボールはゴールへと吸い込まれた。
ボイボイ!
(ホイッスル)日本今大会初勝利。
(拍手)なんとかリオへの望みをつないだ。
(一同)オ〜!イエ〜イ!よ〜し!ありがとうございました〜!初勝利で勢いに乗った日本。
インド戦ではゴールを量産した。
中でも若きストライカーリョウは4得点。
5対0で快勝した。
この時点で日本は3位に浮上。
イランとの勝ち点差は1。
最終戦イランが勝つと日本のリオ行きは絶たれる。
大会5日目。
先に試合が始まったのはイラン対韓国。
日本サポーターも韓国を応援。
隣のサブグラウンドでは日本がアップを始めた。
そして後半ついに試合が動く。
(ホイッスル)イラン先制…。
(ホイッスル)
(ホイッスル)
(ホイッスル)
(拍手と歓声)
(場内アナウンス)韓国対イランの試合が終了しました。
0対4でイランチームの勝利です。
日本の望みが消えた。
オッケーいつもどおりで。
いつもどおりいこう。
(サポーター)日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!日本!そして最終戦。
ボイボイ!4年間積み上げてきたものをピッチに刻む。
(歓声)戦士たちは日の丸を胸に最後まで誇りを持って戦い続けた。
(ホイッスル)
(歓声)激しい雨の中帰ろうとする者はいなかった。
そして…。
(ホイッスル)男たちの戦いは終わった。
(拍手)
(サポーターの歌声)気を付け!礼!
(一同)ありがとうございました!
(拍手)
(サポーター)魚住日本!魚住日本!魚住日本!魚住日本!魚住日本!魚住日本!魚住日本!魚住日本!魚住日本!魚住日本!魚住日本!魚住日本!絶対あるよ!
(サポーター)ナイスゲーム!ナイスゲーム!ナイスゲーム!ナオヤ!ナオヤ!2015/11/11(水) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV Road to Rio「ブラインドサッカー日本代表」[解][字]
視覚障害のある選手たちが「音」だけを頼りにゴールを奪い合うブラインドサッカー。先月、日本代表はパラリンピック初出場をかけアジア予選に挑んだ。5日間の戦いを追う。
詳細情報
番組内容
視覚障害のある選手たちが「音」だけを頼りにゴールを奪い合うブラインドサッカー。その日本代表が、先月リオパラリンピック出場をかけアジア予選に挑んだ。実は日本、パラリンピックに出場したことがない。悲願の夢の舞台へ。チームは厳しいトレーニングに励み「堅守速攻」というスタイルを確立。その実力は世界選手権6位の結果を残せるまで成長した。参加6チーム中、リオ行きをつかめるのは2か国。日本代表、激闘の5日間。
出演者
【語り】風間俊介
ジャンル :
福祉 – 障害者
福祉 – 高齢者
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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日本語
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