軒とケラバ 長さの重要性|雨漏り対策の屋根の収まり
1.軒・軒先とは
屋根の端の部分を軒と言います。軒先とも言います。
昔ながらの日本の戸建て住宅は軒の出(長さ)があります。
ところが、現在では軒の出(長さ)がない住宅が増加しています。
今回は軒の出の重要性と雨漏り対策についてご紹介いたします。
2.軒関連の建築用語
まず、住宅の屋根形状は下図のように、切妻・片流れ・寄棟・方形・入母屋があります。
そして、どの住宅も屋根の端である軒が存在します。
軒という言葉で思い浮かぶのは
「軒を貸して母屋を取られる」
最近では「軒先ビジネス」などの、短期間の空きスペースの有効活用法などもよく耳にします。
馴染みの深い建築用語ですね。
また、軒関係の建築用語は固有名詞としてそれぞれ存在します。
普段、なかなか知る機会も、考えることもないと思いますが、この機会に是非ご確認ください。
2-1.軒(先)とケラバの違い
私たちは屋根の形の該当部位により、軒の部位を「軒(先)」と「ケラバ」の2つに分けて、区別して呼びます。
2-1-1.軒(先)
切妻屋根や寄棟屋根において、地面に対して平行になる屋根の端を「軒」と呼びます。
水を受ける雨どいがある方の屋根の端のことです。
2-1-2.ケラバ
切妻屋根や片流れ屋根において、地面に対して傾いている屋根の端を「ケラバ」と呼びます・
雨どいが無い方の屋根の端のことです。
寄棟屋根や方形屋根は雨どいが必要なので、屋根の端は全て「軒」。
切妻屋根や片流れ屋根は、雨どいがある端を「軒」、無い端の「ケラバ」と呼びます。
ケラバの箇所に雨どいを取り付けることもありますが、大方の屋根がこのような構成になっているので、上記の認識で問題ございません。
2-1-3.鼻隠し(はなかくし)
通常、軒先には雨どいを取り付けます。
取り付けるには、もちろん屋根の先端に板が必要です。
この板のことを「鼻隠し」と呼びます。
2-1-4.破風板(はふいた)
一方ケラバ部分にも、屋根の先端に板を取り付けることがあります。
この板のことを「破風板」と呼びます。
2-1-5.軒天(のきてん)
軒の出がある場合、軒の裏側に天井板を張る必要があります。
この部位を「軒天」と言います。
あまり、聞きなれない建築用語ですが、どれも戸建て住宅の雨仕舞いにおいて非常に重要な役割を担っています。
3.屋根の形状と軒
屋根の排水、壁面の保護などにおいて、4方向軒(先)から雨水を雨どいで受け排水する寄棟(方形)はとても合理的で優れています。
但し通常、寄棟は軒天部分に換気口を取り付け、大棟部分に換気棟を取り付けます。
換気性能を高めるためです。
この場合は大棟部分からの雨漏り及び軒天部分の水濡れ対策が必要です。
軒の出がなく軒先と外壁の取り合う部分が短い場合は、雨漏りが起こりやすい部位です。
主に切妻屋根のケラバ、破風板まわりです。
昔の家屋はこのケラバにも出を設けていましたが、現在ではほとんどケラバに出を設けていません。
実際に昔の建築住宅の軒の出は1m位あるのが標準でした。
また、妻側には換気口を取り付けることが多く、ここからの浸水も注意が必要です。
4.軒の長さの重要性
4-1.外壁との取り合い箇所の雨漏りを防ぐ
軒の出がしっかりあれば外壁との取り合い部への浸水を防ぐことができます。
したがって雨漏りのリスクを低減できます。
4-2.日差しの調整と保護
住宅の雨漏りの原因の第一位は外壁のヒビ(クラック)からの浸水です。
軒の出があればあるほど、直射日光による外壁の劣化、痛みを軽減してくれます。
4-3.突然の雨の時に雨除け
yahoo!知恵袋を見ると、軒の出があって良かった理由のひとつに、「突然の雨の時に洗濯物が濡れないですむ」、といった意見が目立っています。
実生活における貴重な意見です。
5.軒の出が短い住宅が増えた理由
現在の日本の戸建て住宅では軒の出がないデザインが積極的に取り入れられ、とてもよく見かけます。
主な理由としては下記が挙げられます。
5-1.狭小地に建設する必要があるので軒の出を確保できない
決められた敷地の中において、建ぺい率ぎりぎりまで住宅建築をすることは常識になっています。
5-2.設計者、建築主の好みによる
すっきりとしたモダンな印象の住宅は現在における住宅デザインの主流です。
5-3.建設工事価格、将来のメンテナンスを抑えることができる
例えば900mm、軒先を出すと、それだけで屋根材料費、軒天ボード費、施工費用がかさみ、負担も大きくなります。
また、目に見える内装や設備が中心になってしまい、外装、特に屋根の機能性の優先順位が低くなってしまいます。
イニシャルコストを優先する結果、軒の出を確保しないことが最も多い理由です。
このような上記の事情があり、軒を出したくても出せないことがあります。
もちろん、その場合はしっかりと雨仕舞い対策の施工をすることが必要です。
6.結局、軒はあった方がいいでしょうか?
A.軒はあった方がいいです。
外壁と屋根の雨漏りの比率は6:4で、外壁からの雨漏りが多いです。
外壁と屋根の取り合い部への浸水を防いでくれるます。
太陽光の外壁保護は木造住宅の耐久性に大きく関わります。
もし、これから新築による住宅購入をご予定でしたら、軒の出が十分ある住宅をおすすめいたします。
7.結局、軒の長さはどの位あればいいのか
A.軒の長さはあればあるほどいいです。
軒の長さがあるほど、屋根と外壁の取り合い部への浸水、太陽光の外壁への影響を防ぐことができます。
長さは300/450/600/900mmが一般的です。
立地条件、ご予算などを考慮した上で、ご検討ください。
8.まとめ
・雨漏り、木造住宅の耐久性を考慮した場合、軒の出はあればあるほど有効です。
・軒や外壁の取り合いからの雨漏りは、屋根と外壁の両方を専門にしている工事会社の的確な診断、施工技術が不可欠です。
屋根の修理、金属サイディングの増し張りなどを専門にしている工事会社にご相談ください。
定額屋根修理は常にお客様の利益に適う正しい情報をご提供することをお約束いたします。