ハートネットTV シリーズ 虐待 心の傷と闘う「第3回」 2015.11.12


こんばんは。
「ハートネットTV」です。
シリーズでお伝えしています「虐待心の傷と闘う」。
3日目の今日は番組に届いた皆さんの声を紹介しながら虐待による心の傷とどう向き合っていったらいいのか考えていきます。
スタジオには山梨県立大学教授の西澤哲さんにお越し頂きました。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
これまでに番組には180を超えるカキコミやメールが届きました。
私たち全て目を通しました。
そのほとんどが虐待による心の傷の深さについて。
更には何年たっても中には何十年たってもその後遺症で苦しみ続けているという声が届いています。
いくつかご紹介します。
まずは父親から虐待を受けていたという16ビットさん20代男性です。
こちら母親から虐待を受けていたというゆらりんさん20代女性です。
後遺症によってなかなか人間関係が築くのが難しいという事ですよね。
そうですね。
やはり子どもにとって主に養育者である親は最初に出会う親密な関係を築く存在ですからその人との間で虐待等があった場合どうしても人間関係のひな型の部分でゆがみが生じてしまう。
それが後々の対人関係を中心にした生きづらさっていうのにつながっていくんだろうなと考えます。
例えば虐待が終わったとしてもそこで終わりではないという事ですか?暴力行為は終わったとしてもその影響というのは場合によっては一生続いてしまうというような状態になる事が少なくないですよね。
ツイッターで既にこういった声が届いています。
それからこちら。
虐待が残す心の傷は複雑で深くその後の人生に大きな影響を与えます。
実際にメールを寄せてくれた方を取材しました。
母親から虐待を受けてきた。
虐待が始まったのは幼稚園の時。
自我が芽生え自分の気持ちを言えるようになった頃だった。
(取材者)例えばどういう事を言わされるんですか?それは。
母親は遥花さんに完全な服従を求めた。
(取材者)どういうお母さんなんですか?
(遥花)どういうお母さん…。
今年4月。
遥花さんは薬を大量にのみ生死の境をさまよった。
(取材者)さっぱりっていうのは誰がですか?母親から支配されているといってもいいと思うんですけどいかがでしたか?やはり一挙手一投足をお母さんがコントロールしているという状態で支配的な関係という典型的な事例だと思いますけどね。
母親はどうしてこのような行為をしているんでしょう?母親の事が詳細な情報がないので何とも確定的な事は言えないですがやはりそういう支配欲求が非常に高いというのは裏を返せば無力感をすごく持っている人が多いんですよね。
無力感?ええ。
だから例えば社会の中でとかあるいは家族夫婦関係の中で自分が無力な存在であるという思いを持っている人が子どもを支配する事によって一種の有能性を回復するというか間違った方法なんだけれどもそれで支配関係というのを作ってしまう事は時々ありますね。
母親は自分のやってる事はどうなんでしょう?分かっているんでしょうか?これも断言は難しいですが恐らく意識していない。
あるいは意識しかけているのかもしれないけどそれを自覚してしまうのがすごい怖いんだと思います。
そのお母さんは遥花さんに対して「生まれてきてありがとう」という言葉もかけたりして遥花さんにとってはその言葉が救いだというかつながっているというような一つキーワードになってる話しましたね。
そうですね。
ただやっぱり私はどうしてもさまざまな虐待のケースを見ていて思ってしまうのはお母さんは本当にそう思ったんだろうかというか自分のためにその言葉を言ったのかもしれないなというふうにも思いますしあるいはそういったもので優しさっていうのを感じてしまってその虐待的な関係から自分が離脱できないというのは子どもにとってはものすごく苦しい事であると思いますね。
最後に「いいところがお母さんにもあるから逃げられない」というような言葉もありましたし…。
これは暴力的な支配関係では例えばDVの場合もそういった事はよく報告されますし非常に共通した特徴かなと思います。
そして遥花さんが自分の存在価値をなかなか自分で認められないというような状況に陥ってましたけれども…。
やはり虐待っていうのは元の言葉は「アビューズ」で「乱用」ですから乱用は親が自分のために自分が生きるために子どもを利用するという事なので子ども自身は自分の人生を生きる事を奪われてしまうというかそういった状態にまで至ってしまいますよね。
遥花さんと同じような声も届いています。
ご紹介します。
まなみさん40代女性です。
そしてこちら20代の女性犬、大好きさんです。
生きている意味が分からないという事…。
そうですね。
だからやはり子どもって自分から内省的に自分に生きている意味があるとかを思う存在では当然ない訳でそれは親との関係の中で親でなくてもいいんですけども重要な大人との関係の中で自分の価値というのを見いだしていく訳なんですよね。
虐待的な関係乱用的な関係というのはそれがまず起こらないという状況で自己肯定感以前の自己感っていうのが非常に危ういものになってしまうなと思ってます。
自己ができないっていう…。
そうですね。
子どもって自分の状態とか自分というものを親を通して見る訳ですよね。
例えば自分が笑っている時に親が笑ってくれるので自分が笑ってるんだなって自覚する。
つまりこれ親からの照らし返しっていうんですけどもその照らし返しが十分に行われていない。
あるいはあなたはいるだけでいいんだっていうような照らし返しがない。
そうすると自己の中心になる部分が作れないんですよね。
だから自分が非常に不安定になってしまって生きている意味が分からないといったようなそういうふうな認識認知になっていくと思いますね。
ほかにも虐待についてこんなカキコミが届いています。
ゆきちさん10代女性です。
こちら未来さん20代女性です。
非常に響くメッセージですけどいかがでしょう?最後の言葉っていうのが本当に本質をついた言葉だなというふうに私は感じました。
人の人生を乗っ取る事も虐待。
それも虐待ではなくてそれが虐待の本質なんだと思うんです。
さっきも言いましたが乱用性っていうのがアビューズ。
チャイルドアビューズを子ども虐待と訳してますけれども本来はチャイルドアビューズは子ども乱用と。
子どもの存在を利用して親が生きるっていう事で極端な言い方をすれば子どもが親が生きるために利用されてしまうという状況なんですね。
つまり自分の人生を奪われると。
親の人生に利用されるというのが虐待乱用の本質なのでさっきのあの言葉は本当に響きました。
この未来さんですけど「自分がしたい事欲しいものを聞かれても答えられない。
それは自分というものが奪われていたから」というまさに…。
まさにそうです。
だから自己というのが全然浮かび上がってこなかったという事ですよね。
このようなツイッターも届いています。
先ほどの教育虐待にもつながるようなところだと思うんですけれども…子どもは非常にダメージを受けるんですが恐らく親もそのダメージにどこかで気付いている部分があるのかもしれませんがそれを否定したいんですよね。
ですのでそういうふうな言い方を脱価値化っていうんですけど自分のやった事の重大性を認めないみたいなそういうふうな事は起こってしまいます。
ほかにも共感のツイートがたくさん届いています。
虐待で大きな傷を負ったあとではどうすれば回復に向かっていくのか先ほどの映像の遥花さんのケースご覧頂きます。
改めて安心できる空間があるというのは大事な事ですよね。
そうですね。
全ての回復は安心感というところそれから安心できる人に囲まれているというところそこから始まりますよね。
だから今遥花さんがおっしゃった事はまさにそのとおりだと思います。
あとやはり育て直しっていいますか育ち直りっていいますかやはり虐待っていうのはさまざまな形で子どもの子ども時代を奪っちゃうんですね。
子ども時代を奪う…。
ええ。
だから子どもとして例えば大事にされるとかそれこそ今VTRにもありましたようにハグされるとかそういうふうな部分というのが奪われてしまうんですよね。
親に利用されている訳ですから。
だからその部分を取り返さなきゃいけないしそういう意味ではある意味赤ちゃん返りができなきゃいけない。
そして本当にこれは核になるところですけど親からの分離決別という点が非常に重要になると思います。
そこの辺が難しいという声も届いています。
だから例えば親に見捨てられたら自分は誰に助けてもらえばいいんだという思いもあるのでなかなかさっきも申し上げた安心できる空間や人が必要とだっていう事になっていくんですよね。
この人がいるから私は親と別れられるみたいなそういうふうな事っていうのがやっぱり必要かなと思います。
なかなかそういう人って見つけようと思っても見つからない…。
そうですね。
だからそこは今遥花さんが本当にすごくラッキーだったんじゃないかなっていうふうに私は思うんですけどもそういうところに出会えたそういうふうな資源をいかに増やしていくかっていう事も社会の責務かなと思いますけど。
こんな声も届いています。
あおさん20代女性です。
そしてしましまさん30代女性。
昨日の番組のあとに届きました。
なんとかして絶ちたいっていう気持ちが伝わってきますね。
やはり私は虐待を受けていろんな場所で育っている子どもたちと会っている訳ですけれどもやはり彼らもなかなか親を見切れないといいますか親を見放すといったら表現悪いかもしれないけど決別できないで苦しんでいますのでやっぱりでもその中でも親の現実をちゃんと直視できて親の客観的な状況を知って親との決別を決めた子どもたちもいてその子どもたちやっぱりそのあとの成長はやはりとてもいいんですね。
親の客観的な事ってどういう事ですか?例えば親自身が虐待をしてしまうというのもそれなりに理由があっての事な訳ですよね。
悪意があるという訳ではなくてそれはある意味親の生育歴だったりよくいわれるのは親自身が虐待を受けて育っていると。
そういうふうな事例について子どもと一緒に親の人生をたどっていくんですね。
それで子どもとこういう事があってお母さんこうなったんだよねとかこのお父さんとパートナーになったんだあるいはアルコール依存になったんだって事を一つ一つ子どもと作業していく訳なんですね。
そうすると子どもが親の生育歴あるいは自分が置かれた虐待環境っていうものについて客観的に理解できるようになる。
そうするとある子はどう言ったかというと「これはお母さんは親としては許せないけれども女としては分かる気がする」って言ったんですね。
今その子は親とはもちろん接触はしてますけれども親の人生とはまた違う人生を歩んでいるという状況です。
そしてカキコミやメールの中で親に謝罪してほしいという声が本当に届いているんですよね。
謝罪はとても大事な要素だと思います。
子どもが回復していく上において。
ただ本当の謝罪でなければいけない。
本当の謝罪?はい。
例えば親が子どもに対して自分がこういう事をしてしまったのはこういうふうな自分自身の問題があってこうなったんだ。
その自分自身の問題はどこから生じたんだというそれを弁解ではなくて事実を親が自分で見つめてそれで子どもに対して説明をしてその事について謝ると。
そのためには親も1年2年かかる事も少なくないです。
あるいは謝罪できない親御さんもいる事も事実だと思いますね。
ただその謝罪というのが子どもにとってはすごく回復に向けた強いベクトルを与えてくれると思います。
いずれにしても大きなエネルギーそして長い時間もかかる事だと思います。
こんなたくさんツイートが来ている中で一つご紹介しましょう。
この苦しみは当事者じゃないと分からないというような声も届いているんですけれども少しでも多くの人が共有するという事も必要だと思いますし…。
実際にそういうふうな子どもたちや元子どもだった人たちがたくさんいる訳ですからそういう事を社会が認識していかなければいけないしどこまでできるかは議論は分かれるとこですけれどもやはりできるだけの事を私たち社会として用意していかなきゃいけないんじゃないかと思います。
決してひと事ではないというのが本当大事なキーワードになってくると思うんですが…。
そうですね。
だから本当に身近な問題として虐待あるいは乱用という問題を考えて頂ければなというふうに思ってます。
2015/11/12(木) 13:05〜13:35
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV シリーズ 虐待 心の傷と闘う「第3回」[字][再]

子ども虐待について考える。番組には、虐待行為の後遺症に苦しみ続けているという声が多く寄せられた。専門家を交え、どう心の傷と闘えばいいのか議論する。

詳細情報
番組内容
子ども虐待について3日連続で考えます。番組ホームページには、かつて虐待を受けた当事者から切実なメッセージが数多く寄せられています。特に多いのが、虐待行為そのものが終わったにも関わらず、後遺症に苦しみ続けているという声です。視聴者の皆さんから寄せられたメッセージを紹介しながら、専門家を交え、どう心の傷と闘えばいいのかを徹底的に考えます。
出演者
【ゲスト】山梨県立大学人間福祉学部教授…西澤哲,【司会】山田賢治

ジャンル :
福祉 – 障害者
福祉 – 高齢者
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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