日本酒ルネサンス~人気の秘密に迫る~ - NHK クローズアップ現代
http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/index_yotei_3729.html
2015年11月9日(月)放映です。
実際こちらの番組の意図としては、特定の銘柄を推奨するものではなく、色々な新しい日本酒の傾向を紹介するものだったと思います。なので、こちらでまとめるのはあくまで参考、もしくは「話のネタ」として考えてください。
なお各リンクは、そのお酒の感想ブログがあったらまずそれを、無かったら蔵元ホームページか酒屋さんのページを掲載しています。
栄光冨士(えいこうふじ:山形県鶴岡市)
最初にOLさんが入った店で、最初に「甘味と酸味があるお酒」として出された「江戸時代から続く、山形県の蔵」が造った「限定800本の純米大吟醸」がこちらです。
栄光冨士 純米大吟醸 無濾過生原酒 「闇鳴秋水」 酔いどれオタクの日本酒感想記
http://marumechi.blog.fc2.com/blog-entry-558.html
上立ち香は甘さ混じりながらスッキリとした吟醸香が気持ち強めに。
含むと、フレッシュかつ濃厚な甘旨味がスルリと入ってきて、自然な苦酸味を伴ってバランスを保ちつつゆっくりと染みこんできます。
旨味は、柑橘系果実の甘味が主役で、上品さを感じる透明感と、トロミを感じる濃厚さをうまく両立させている印象。
後味は少々の苦味がありつつ、高精白らしく自然にキレます。
濃厚ながら一本調子では無い甘旨味を、しっかりキレ上げさせるお値段以上の純米大吟醸でした。
栄光冨士は今期のマイブーム銘柄なので、登場した時には驚きで声を上げてしまいました。
甘くてフルーティーかつ、濃厚な味わいが好きな方に特にオススメ。
梅津の生酛(うめつのきもと:鳥取県東伯郡北栄町)
次に出てきた「鳥取県の蔵」が「昔ながらの手法」で造った、「3年寝かせた熟成酒」は恐らくこちら。
(ただ、精米歩合等細かいスペックは違うかも。)
梅津酒造|日本酒/生酛原酒「梅津の生酛 」・生酛仕込「冨鈴」
http://umetsu-sake.jp/nihonshu_kimoto.html
「生酛」は昔ながらの手法で、不確定な要素も多く、不安定とも言えます。
しかし、速醸酛においては微生物として「酵母菌」のみが関わることに対して、「生酛」では、主に「硝酸還元菌」「乳酸菌」「酵母菌」と多くの菌達が関与します。速醸酛が約二週間から二十日をかけて造るのに対して、生酛は一ヶ月以上掛けて造ります。この長い間、造り手と桶の中が渾然一体となり、無言の対話を重ねながら酛造りが進んでいきます。
◆精米歩合80%(白ラベル)
=アルコール度数20%
辛い、個性が強くおもしろい
あまり感想が見当たらなかったので蔵元さんの商品紹介にリンク。
しかし、栄光冨士の後に生もと熟成酒とは極端だなあ…、味わいの違いの分かり易さ重視のセレクトかと。
たかちよ(新潟県南魚沼市)
お姉さんが最後にラベルの写真を撮っていたのはこちらですね。(パープル)
たかちよ 「パープル」 うすにごり活性生 無調整生原酒 酔いどれオタクの日本酒感想記
http://marumechi.blog.fc2.com/blog-entry-273.html
上立ち香は少し炭酸混じりの米の甘い香りが強めに。
含むと、ほどほどのガス感と、甘く濃厚ながらキリッとした印象の旨味が、塊になって飛び込んできます。
旨味は、いつものたかちよらしい米の濃厚かつ整った甘味が主役ですが、ガス感に加えて強めの苦味があるので、甘ったれた感じは皆無。
後味はその苦味で力強くキレる感じ。
お米の甘みと苦味を共に強烈に出しながら、見事にバランスを取った芳醇旨酒でした。
たかちよ自体はどちらかというと栄光冨士に近いタイプ(甘酸が特徴)のお酒だと思います。
こっちに戻ってきたということは、お姉さん的にはこっちのタイプが好みだったんじゃないかな…
五人娘(ごにんむすめ:千葉県香取郡神崎町)
その後に出てきた酒造り風景では、蔵人さんが「五人娘」の法被を着ていました。
日本酒 津々浦々 【1399】五人娘 自然酒 生酛 無濾過(ごにんむすめ) 【千葉】 - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/feature/sake/2014/01/1399.html
酒蛙「酸っぱい」
J 「酸っぱい」
Y 「酸のほかに、違う味がある」
J 「古酒のような熟成香がある」
酒蛙「まさしく熟成香だ。よく熟成された熟成香だ。旨みがあるが、酸が非常に強いので、一見、すっきりして旨みが少ないように錯覚するが、ちゃんと旨みがある。そして、キレが良い。本当においしい」
こちらを醸す「寺田本家」は、自然酒というコンセプトで色々と独創的な日本酒を造っている蔵元です。
酒屋さんだけでなく、自然食品を取り扱うお店に並んでいたりもしますね。
十旭日(じゅうじあさひ:島根県出雲市)
次のお店で、「タンドリーチキンに合う」、「酸味が特徴の日本酒」として紹介されていました。
こちらも具体的なスペックまでは不明です(ラベルの色からは多分改良雄町の生もとと速醸だと思うのですが…)
このお店で登場した他の銘柄はラベルが無かったのでわかりませんでした。
【239】十旭日 純米吟醸 改良雄町 生原酒 23BY - 中国
http://osakasj.blog.fc2.com/blog-entry-482.html
含むと初めにさっと酸が露払い。
熟成酒らしい極上の甘味。
そして枯れた旨みがじわじわ~。
後半には高めの柑橘系な酸、さっぱり飲めます。
ややスモーキーな含み香も。
こりゃあいいな。
質の高い熟成酒です。
個人的には知る人ぞ知る銘柄という印象。
味が濃い料理に酸が強めの日本酒というのはある意味鉄板の組み合わせですね。
「日本酒には刺身」みたいなところで止まるのはもったいないと、私も思います。
北の勝(きたのかつ:北海道根室市)
日本酒パーティーで「根室市のお酒」として出されていたのはこちらですね。
日本酒 津々浦々 【941】北の勝 鳳凰(キタノカツ) 【北海道】 - 47NEWS(よんななニュース)
http://www.47news.jp/feature/sake/2012/11/941.html
以前、「上善如水」というお酒が全国的に大ヒットしたが、その酒を彷彿とさせる「如水」。すっきりきれいで、クセがない。そして、酸味がある。コク・旨みは薄い。これまた、刺身など魚料理に抜群の相性を見せる。
正直なところこちらのお酒は聞いたことも見たこともありませんでした。
地方に目を向けると、とても追い切れないほどの数の銘酒があるのが日本酒の世界。
いやあ奥深いですね。