小6男児、無断で兄の大麻吸引 巻き紙などを押収

2015年11月12日6時0分  スポーツ報知

 京都市立小6年の男子児童(12)が通学先の教員に「大麻を吸った」と話した問題で、京都府警は11日、児童の自宅の家宅捜索で兄の部屋から少量の大麻や吸引器具を発見し、兄で通信制府立高校1年の男子生徒(17)を大麻取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕した。兄は「自分が吸うために持っていた」と容疑を認めており、一方、児童は「兄に分からないように少しだけ吸った」と話しているという。

 京都府警はこの日、京都市山科区の児童の自宅と、離れて住んでいる母親の自宅の2か所を家宅捜索。自宅にある兄の部屋から、大麻を粉にするグラインダーや巻き紙、パイプ2本、ポリ袋など、計16点を押収した。グラインダーには少量の大麻が付着しており、現行犯逮捕の決め手になったという。兄は「自分が吸うために持っていた」と供述している。

 府警によると、弟の児童は9月初旬、兄が留守の際に部屋に入り、雑誌などを探していた際、缶のようなものに入った緑色の葉を見つけ、「映画やインターネットの情報から大麻かなと思った」。インターネットなどで吸引方法を調べ、「4回ほどパイプに詰めて吸った」と説明しているという。兄に無断で吸引したため、察知されないようにと、巻き紙は使用していなかったという。

 児童は「悪いことをしているという気持ちがあった。兄に分からないように少しだけ吸った」と話しており、兄は弟の使用については把握していなかったという。

 府警は兄が大麻を入手したルートなどを詳しく調べているが、営利目的での販売などは確認されていないという。府警では10月までに山科区の高校生ら3人を大麻取締法違反容疑で逮捕。このうち、一部の高校生が兄がかつて在籍していた高校と同じだといい、府警はつながりがないか慎重に調べている。

 大麻取締法では、使用について処罰はできず、児童は14歳未満のため、少年法の規定で刑事責任が問われない。京都市教育委員会によると、児童は通常通り小学校に通っているというが、府警は児童相談所への通告を検討している。

 この問題を受け、市教委はこの日、全市立小中高の校長を集めて臨時の校長会を開催。保護者らも参加する中、在田正秀教育長は「薬物が子どもの身近に迫っているという危機意識を、教職員一人ひとりが持たなければならない」と話した。

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