中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

白鵬4連勝も「ああやっちゃったな」 右から張って嘉風ばったり

2015年11月12日 紙面から

支度部屋で険しい表情を見せる白鵬(沢田将人撮影)

写真

◇九州場所<4日目>

(11日・福岡国際センター)

 休場明けの横綱白鵬(30)=宮城野=は先場所敗れた小結嘉風(33)=尾車=をはたき込んで4連勝とした。やや変化したような動きに、本人は「(お客さんに)いいものを見せられなかった」と不完全燃焼のようだったが、無敗を守って状態はよさそうだ。今場所初めて横綱、大関陣が安泰。他の2横綱は鶴竜が大砂嵐を寄り切り、日馬富士も逸ノ城を下手投げで退けた。大関陣は琴奨菊が関脇栃煌山を寄り切って4連勝とし、かど番の豪栄道は安美錦を押し倒して照ノ富士、稀勢の里とともに3勝目を挙げた。

 わずか0秒7。あっけない幕切れに騒然とする館内で、白鵬はばつが悪そうに首をかしげて苦笑いを浮かべた。

 「ああ、やっちゃったなあって思って」

 嘉風とは秋場所2日目に対戦し、引き落とされて負けている。その取組を最後に休場。この日の朝は「元気さに負けないよう、いい相撲を取りたい」と話していたのだが、右から張って体を開いた。嘉風はばったり。

 「ここへ来てくれてる人たちに、いいものを見せられなくて申し訳ないけれど…。勝負の世界だから勝って申し訳ないというのも変だし」と複雑な思いを口にした。

 白鵬いわく「完全にこれ(変化)じゃない。懐が深いしね。結果的にそうなってしまった。とっさじゃないけどねえ。あれで落ちる力士でもないしね」と立ち合いの変化は否定した。そのうえで「(取組後の)おふろに入ってるとき考えた。どういうコメントしようかって」と正直に打ち明けるほど、申し訳ない気持ちでいっぱいだったようだ。

 北の湖理事長は、取組前の白鵬を見て「考え事をしてるよ。目がキョロキョロしてる。普通なら先場所負けてるからクソーッてにらみつける」といつもと違う雰囲気を察知していたよう。取組後も「逃げてるよ。体が勝手に動いた。そういう気持ちじゃなくても、とっさに反応することもある」と分析した。

 序盤から徐々にペースを上げていくのがいつものやり方。納得の相撲を見せてくれるのはこれから。「きのうの夜、部屋で卓球やったんすよ。卓球やった分、体が動きすぎた」と笑わせた。この日は最初のスマッシュで勝負がついたが、お客さんは激しいラリーも期待している。 (岸本隆)

 

この記事を印刷する

PR情報





中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ