何だかよく判らないスコットランド人。独立したいのか、したくないのか?陽気なのか、はにかみ屋なのか?呑んべぇなのか呑み助なのか?そんな疑問を体験を通して徐々に解き明かしていきたいと思ってます。
鼻が鈍い?
クリスマスパーティーだの忘年会だのが重なる年末の時期は事故や犯罪も多くなるのはどの国でも同じようで、静かなこのスコットランドの田舎町もこの時期は随分とパトカーや検問が増えてます。で、ある日のクリスマスパーティーからの帰り道。俺は泥酔している数人のクラスメートを連れて招待された郊外の村から町に高速を走っていました。まぁ当然俺は殆ど飲んではいないわけですが、それでも少しビールくらいは飲んでる状況。で、隣で寝ていたはずの酒豪カミールが飛び起きて俺に何やら叫んでいます。
「やべぇパトカーだ!!」
慌ててルームミラーで確認すると確かにパトカーが俺の車の後で指示器を出して止まれと合図しています。さすが数々の修羅場をくぐり抜けてきたKGB好きのアゼルバイジャン人。で、路肩に車を寄せてパトカーを待つことに。
このおぞましい年末の終電車のような、車の中の匂いを嗅がれたら一巻の終わりだと認識している俺は警官が来る前に車を降りて、対応することに。
「おい君、何で止められたか解かるか?」
「いや〜何でかな〜」
そんな会話をしていると、いきなりベロベロのカミールが降りてきて
「すまん。そいつは日本からの留学生で英語がぜ・ん・ぜ・ん喋れないんだ」と呂律の回らない英語で助けてくれます。
っていうか、何だと!!!
そうこう考えている間にもカミールは
「俺は8年間アメリカで勉強してたから大丈夫。俺に言え」なんて助けてくれてるんだか混ぜ返してるのか酒の匂いをプンプンさせながら警官と喋ってます。
で、俺と同じ位の年齢の警官の兄ちゃんは、クリスマス前なんぞ、働きたくはないはずなのに律儀に俺の車のドアを開けて中の仲間にも確認もします。
「お前らも何で止められたか解からないのか?」なんて聞いています。
冷汗がドクドク流れている俺。で、その兄ちゃんはおもむろに車の前に行くと
「電気付け忘れてっぞ」
そう言って立ち去りました。っていうかドッキリなのか。それとも鼻が鈍いの?
あ〜分かった!?
もしかしておまわりも呑んでた!?顧客第一主義
田舎の人々(=スコティッシュ)にとって町まで出てのショッピングは結構面倒くさいもの。そんな為にこちらにもカタログ販売の店が盛況です。特に代表的なのが「Argos」という通販専門デパート。
ここは少し大きな町には店舗を構え、そこでカタログを見ながら注文してそのまま持ち帰れるというシステムを取っています。もちろん重たいものは配送してくれる。で、これが結構安いんだよね〜!!
品揃えも子供のおもちゃからPC関連、布団や家具まで幅広いので引越ししたての俺らにとっては一箇所ですべてが安く揃い、みんなでカタログを見ながら相談できるので必然的にすべてを「Argos」で揃えることになった。
で、実際お店に行ってテーブルやら本棚やらを注文。レジで配送してくれるようにお願いをするとレシートに月曜にお届けしますとの文字が。なんとなく不安だったので、「本当に月曜に届くんだね。家でその日は待ってるからね」ってレジのお姉さんに聞くと、「もちろん届くけど、もしかしたら何点かは遅れるかも」・・・、その時その「何点」という言葉に疑問を抱かなかった俺が間違いだった・・・。
さて月曜日。みんなで新しい家具が届くのを今か今かと待ちわびていると、チャイムの音が。それ来た!って感じでドアを開けるとEricが「暇だから遊びに来た」って立ってる。で、結局この日は何一つ届かなかった(ちっくしょ)
そして次の日。一応苦情の電話を入れてみる。「あの〜昨日荷物届くって聞いていたんだけど、一つも届いてないんだけど・・・」そしてら伝票番号を確認してくれて、「あっ、もうトラック出たから今日には届きます」って、蕎麦屋の出前みたいな返事。
待つこと数時間、、、、、チャイムが鳴って「来た!」、ってことで玄関に出てみると、配送の兄ちゃんが、何か変な金属製の棒を持って立っていた・・・。????
結局、届いたのは俺がトレーニング用に買ったダンベルの【芯】だけ。
結局、注文していたテーブルや本棚、俺の勉強の椅子も何一つ来てない。来たのはそれだけでは用を成さないダンベルの【芯】。しかも重い部分はない・・・。で、また電話。「てっめ〜。何のギャグで、ダンベルの芯だけ送ってくんだ!」「いや大きな配送物は明日にまとめて届けるから・・・・」
ということで次の日。朝の7時に荷物が届く。
う・・・早過ぎる・・・・。
結局誰も起きず、昨日の夜遅くまで勉強してた(?)俺が寝ぼけまなこで、しぶしぶドアを開けることに。と、そこには「Argos」の作業服を着た【お姉さん】が。しかも手ぶら。
「あれっ?荷物は」って聞くと「な〜ん〜か〜、重たいし〜、荷物一杯あるから〜、下に置いてきちゃってぇ〜」と当然のようにのたまう。」
・・・・・・・それは俺に手伝えということでしょうか・・・・・・・・・
結局寝ぼけたまま、あまり疑いもせず荷物を運び入れる。
階段を10往復近くして、やっと荷物を運び終わると・・・、トラックの中で受領書にサインをしてくれと言われ、運転席に行くと、、、、何か、太った兄ちゃんが運転席で踏ん反りかえってる。「お前が手伝え!何で買った俺がこんなことしてんだ!」って思った時にはすべてが終わってました・・・(涙)
それでも気を取り直して、みんなで新しい家具に心ウキウキで荷物を開けると・・・。
家具のすべてが組立て式・・・・。
すげ〜苦労しました。すげ〜時間かかりました(涙)
だって、どうどうやってもそこに入らない大きさに部品ができていたり、ネジが半分に割れていたり。そりゃ大変でした・・・。
そして、すべてが終わった次の日。ふと気が付いた。
ダンベルの重りがない・・・恐怖のプロペラ機
飛行機で友達とアイラ島へ行った時。
まずはグラスゴー空港でアイラ島行きの飛行機を待つ。待合い場所は何だか半地下に潜った小さな田舎のバスの待合室みたいな雰囲気。目の前では子供たちが時間を持て余して転がりまわって騒いでいる。ちびっこは自分の靴底とか舐めてるし・・・。
おいおい、、、ぜって〜、ウサギやら羊やらの糞を踏んでるはずだぞ・・・。狂牛病どこの騒ぎじゃぁすまねぇぞぉ・・・・!!
と思っているとアナウンスが「え〜っと、今度のアイラ島行きの便ですが、50分位遅れますっ!」
っておいおい。この目の前にある、これ以上小さくしようがないっ、っていうこのプロペラ機は違うんですか?
そう思っていると、その飛行機はヨタヨタしながら、飛んでいってしまいました。
結局は2時間以上待ってるし・・・(涙)
で、やっとこ機材到着のアナウンスが・・・。で、目の前には、さっきのプロペラ機と同じような奴がひょっこり待っていた・・・?
なんか・・・何処かに行って帰ってきたような気がする・・・?その証拠に、すげ〜くたびれた表情の人がぞろぞろ降りてきて、それと入れ替えに俺らもその飛行機に乗り込むことに。って・・・
点検とかはしなくていいのかな。電車が終点に着いて折り返して行くんじゃないんだから・・・。
やっとこ、機内に乗り込んで、自分の席に案内されるとそこには操縦士らしき兄ちゃんが俺の席で機内日誌かなんかを記入中。お陰で俺は横で待つはめになって後ろから来る人の邪魔物扱い。
おいおいコックピットで書けよ・・・。
やっと席に座ると、その小さな横2列&縦12列しか席がないおもちゃのようなプロペラ機は健気にプロペラを回す・・・。
がっ!!げっ!!
何か激しく回転し始めたんだけど・・・!
良くみると俺の方、プロペラが動いてないよ!
勘弁してくれ!!いやだ〜帰えしてくれ〜。
そんな願いも無視してよたよたと飛び出した飛行機は、雨のアイラ島にへろへろと到着。
マジで嬉しかった!
生きてこの地を踏めて美味しいモルトが飲めれば帰りに死んでもいい。そんな思いでアイラを満喫して、帰りの飛行機に乗るべく空港につくとまたもアナウンスが「え〜っと飛行機は50分遅れます。ごめんねっ!」
結局また1時間近く遅れた飛行機に乗るために搭乗ゲートに向かうと、そこには金属探知器がなくですべての人にボディタッチして機内持ち込みの荷物とボディーチェックをする係りの人が二人。
遅れていく訳がよ〜く分かりました・・・。仕事好き?
旅行から帰るために田舎の町から長距離バスに乗る。で、この中年で小柄の少し頭の禿げかかった運転手は最初からノリノリ。乗っている田舎のおばあさんを相手にしゃべりまくり、乗ってきた子供を相手にピエロのような真似をして笑わす。挙げ句の果てに途中の休息時間の時に店に駆け込みチョコレートを買ってきてお客さんに配り出す。そのチョコレートを食べながら聞いてみた。「仕事好きなんだね〜?」と途端に彼は言った。「No!」「・・・・・」チョコが急に苦く感じれられた。早とちり
旅行中にTaxiに乗りながら運転手のおっさんんと話していると「明日はどうするんだい?」と聞いてきたから「う〜ん。何かツアーでもアレンジしてもらおうかと思ってるんだ」というと「おっ!それならおいらの会社でもやってる!よっしゃ!」 と言って無線を手にして「えぇ〜明日のツアーのアレンジはできるかい?うんうん。何時間くらいがいい?で、何処行きたい?」と矢継ぎ早に聞いてくる。それに答えているとどうも雲行きがおかしい。おぃおぃ勝手に決めちゃってるよ!このおっさん。「お〜ぃ。俺ら9人で、そんな乗れないしょ。しかもまだどうするか考えてる段階なんだよ」って言うと「ありゃ。そうだったの」って感じでまた無線を手にして「御免。まだ決めてないんだって」って。当たり前だ!で、また別のTaxiで今度はちょっと町からちょっと離れた崖を見に行こうと乗り込んで、助手席から標識をみていると読めない地名があったので「あれなんて発音するの?」 って聞いたら今度も運転手のおっさんは「んっ?そこに行きたいのか?」というなり無線を手に「えぇ〜。目的地変更。○○○へ向かう」お〜い。一言もそんなこと言ってない・・・・。後から説明するのが大変だからちゃんと最後まで話を聞いて。お願い。ヒッチハイク
ツーリストインフォメーションで観光地まで行く手段を聞いた。返ってきた答えは「ヒッチハイクをしろ」。さすがに耳を疑った。そりゃ一人ならいいさ。でもこっちは4人もいるんだぜ!というかそれ以前に公共の機関が白昼堂々とヒッチハイクを勧めるか?!で、よっぽど俺が固まっていたのか、そのお姉さん「大丈夫。きっと安全だから」。う〜ん。やっぱり不思議。地獄のバスツアー
学校主催のネス湖ツアーに参加することになって、朝9時半の集合時間にみんなで待っていると、バスが来ない。待てど暮らせど来ない。40分くらい待っていると、何だか田舎の赤字バスみたいな小型のオンボロバスが揚々と現れて、中からはいかにもスコティッシュっていう感じの大柄な腕に刺青をしたおっさんが出てきた。で、陽気に「よっ!元気!」って挨拶をするけど・・・。その前に言うことあるだろ。遅れてごめんとか。まぁそんなことも気にせずバスに乗り込みネス湖へ。おっさんはパイプが好きらしく、火をつけては吸っている。っておい車内禁煙のマークがでかでかと書いてあるぞ。と思っていたらピロピロ携帯が鳴り出した。誰のだ?と思っているとおっさんが大きな声で話し出した。おいっ、イギリスでも運転中の携帯は交通法違反だろ。しかもお前は未来ある数十人の命を預かってんだから・・・。携帯を切り終えると今度はいきなり地図を開き始めた。どうやら道に迷ってるらしい・・・。結局こんな感じで、9時間狭いバスに缶詰だった・・・。でも何故か憎めない。ささやかな楽しみ
金曜の夜Pubに行くと、スコティッシュが訛り丸出しで盛り上がってる。何かと思っていると「レースはやるのかぁ〜?」と聞いてる。良くわからないけど、話しを聞くと競馬のことらしい。そいで「やるよ」って答えたらいきなり出馬表を持ってきて50pで買えって言ってくる。結局なんだと思うとPubで主催する自前の競馬大会。ビデオに録画されたレースに勝手に馬の名前とかを決めて単勝のみ50pで賭けます。で、買った人には集まった金を頭割りして払い戻す。そんだけ娯楽が少ないってこと・・・ベッカム
言わずと知れたイングランドの英雄。今度のワールドカップではかなりの活躍が期待されると共に、イングランドのキャプテンとしてチームの命運を握っているといっても過言ではない選手です。で、そんな彼が足の甲を骨折してしまい、ワールドカップへの出場が微妙に・・・。これによってブックメーカーによるイングランドの優勝のオッズが大幅に上がったというから、その影響の大きさが想像できるでしょう。
で、そんな事件の翌日、学校のスコティッシュの先生は嬉しそうに、「昨日何があったか知ってる人は」だって。みんな一生懸命、歴史上の事件とかを想像したのにね。
やっぱりスコティッシュはわからない。地質上!
授業で地質学の話になった時。
スコティッシュの先生は何を思ったか突然わめき出した。「スコットランドは昔カナダだった!」何でも古代の地層を発掘してみると、スコットランドはイングランドの地層とは明らかに異なり、太古の昔にカナダあたりから分かれた土地が地殻変動でブリテン島とくっついたらしい。で、先生曰く「だからスコットランド人はイングランド人は全然違うんだ!あんなイングランド人とは!!」気持ちは判るけど・・・。
一気飲み
小さな町のPUBに行ったとき。学生風の集団(女10人男1人)が、酔いが回って大騒ぎしてた。もうノリは体育会の飲み会といった様相。で、当然のように一気コールが起こり、音頭に合わせて飲むわ呑むわ。
もちろん周りには俺らを含む他の客もいるんだけどお構いなし。まぁここら辺は日本の居酒屋でも良く見られる光景です。でも、違うのは周りの客。
まずカウンターで一人静かに飲んでいた親父が切れた。「うるせぇんじゃ〜!このガキ!黙って飲め!!!」が、学生達はもう全然聞こえてません。また歌う、踊る。
で、今度は別の客も切れる「サッカーの音が聞こえないんじゃボケェ〜!!!」でも、ひるまない。さらにテーブルをずらして本格的に踊り出す。
さすがに店員さんが止めに入る。でも聞かない。で、最後にどうなったかというと・・・・。
全員で踊って歌いました。これがスコティッシュ???