体操の世界選手権で37年ぶりの団体総合制覇を目指す日本男子は、負傷で代表を外れた長谷川智将(日体大)に代わって19歳の早坂尚人(順大)が出場する。

 女子予選では同じく補欠から繰り上がった村上茉愛(日体大)が活躍した。初代表の早坂は、巡ってきた出番を前に「気持ちの準備はできている」と集中力を高めている。

 フランスでの直前合宿から長谷川は不調だったため、主将の内村航平(コナミスポーツク)には「いつでも出られるように練習しておいて」と声を掛けられていたという。床運動と高難度の「ロペス」に挑む跳馬での貢献が期待されており「思い切りのある演技と着地が得意。床運動も着地の正確さを見てもらいたい」と意気込む。

 千葉・市船橋高時代に全国高校総体で優勝して注目を浴びたが、順大1年目の昨年は、全日本選手権で39位と低迷した。「このままじゃ自分は消えちゃう」。学生寮で深夜までテレビゲームに興じていた生活をあらためて競技に集中し、今季は4位と大躍進を遂げた。

 25日に予選を控え、急きょ母親が英国まで応援に駆け付けることになった。体操を勧めてくれた母に恩返しする好機だ。