日大名誉教授:日大が解職処分 借金問題「深く反省」と
毎日新聞 2015年11月10日 21時09分(最終更新 11月10日 22時38分)
日本大の山岡永知・名誉教授(77)が指定暴力団山口組系元組幹部から2000万円を借りていた問題で、日大は10日、山岡氏を解職処分にしたと発表した。山岡氏は同日、大学が行った聴取に対して「大学と学生に迷惑をかけ、深く反省している」と話したという。
山岡氏は、大学院法学研究科の非常勤講師として週に3コマ、英米法などの講義を担当していた。
大学によると、山岡氏は元幹部と12〜13年前に知り合い、10年前と8年前にそれぞれ1000万円を借りた。大学による10日の聴取で、「香港の投資会社のビジネスパートナーを通じて知り合った。紹介された時点では反社会勢力とは認識していなかった。直後にインターネットを通じて反社会勢力に属する者と知ったが、付き合いを続けてしまった」と説明。「自分の脇が甘かったと思い非常に後悔している」と話したという。
山岡氏は昨年8月、元幹部が、さいたま地裁越谷支部で埼玉県の男性を相手に借金返済を求めて起こした民事訴訟に証人として出廷。裁判記録によると、元幹部と男性との話し合いの場に同席した。証人尋問は山岡氏自身の借金にも及び、元幹部から2000万円を借り、その際に借用書を作成したなどと説明していた。
大学側は、今月2日の報道機関からの問い合わせをきっかけに問題を把握した。6日に本人に確認したところ、借金したまま返済していないことを認めたという。
山岡氏は日大、日大大学院で学び、助教授を経て1995年から法学部教授となった。2008年の定年退職後、非常勤講師を務めていた。
日大は「今まで以上に反社会的勢力との関わりが不適切であるとの認識を徹底したい」としている。【山田麻未、高木香奈】
総務省も、山岡氏が務めていた行政相談委員の委嘱を9日付で取り消したと明らかにした。「委員としてふさわしくない行為があった」と判断したという。
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元暴力団幹部からの借金問題で、毎日新聞は、日大名誉教授をこれまで匿名としてきましたが、日大が名誉教授を解職したことや、大学や学生らに問題の影響が広がっていることを踏まえ、実名に切り替えます。