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辺野古現地 「あれはナイチャーの運動じゃ」

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コメントを沢山現地沖縄から頂戴し、感謝にたえません。できるだけお答えしたいと思うのですが、私も仕事をしながらなので、思うにまかせません。お許しを。 

さて、時折思うのですが、沖縄は台風の目に入った状態なんだなと感じます。 

ほら、台風の目に入ると、思いのほか目の中は静かなのに、周囲は暴風雨の真っ最中だったりしますでしょう。 

沖縄の人たちは別にデモばかりやっているわけでもないし、県民集会で腕を振り上げているばかりではありません。ごく普通に暮らしています。 

もちろん、「怒号の島」ではありません。あたりまえの生活人達が、家族を食わせるために汗をかいている、普通の島です。 

しかし、その当たり前の島が、いまや日本全国をひっぱりまわしているようなのが昨今です。

台風の目に入ると全体状況がわからなくなるように、島の普通の生活人たちが、常識的に判断できる材料が、県内では不足しているのです。

一方、本土の国民は、沖縄に初めは深く同情し、いまや訳がわからないので、冷淡になりつつあります。 

私は、この本土人たちの素朴な「わけのわからなさ」を無理解だ責めるのではなく、解きほぐして行く中から、一般市民の眼でこの問題を考えていこうと思っています。 

さて最大の「わけのわからなさ」は、昨日書いたように翁長氏たちの闘争のゴールがなんなのか、よくわからないことです。 

マスコミには、「新基地反対」と叫ぶ人たちが大量に登場しますが、かんじんな移設するとなにが困るのか、本土人にはさっぱりわからないのです。 

だって、普天間基地周辺の宜野湾市民は出ていって欲しいわけでしょうし、受け入れ側の辺野古地区住民はどうぞ来て下さい、と言っているわけです。

見事に平仄があっているじゃないですか。

え、このどこに問題があるの、って思いませんか。 出口と入り口の利害の一致こそが、最大の問題じゃないでしょうか。

米軍基地が巨大迷惑施設だとしても、受け入れる側が納得ずくでウンと言って行くわけですし、今や受け入れ側は「早く促進しろ」と怒っているほどです。

ならば、宜野湾側も早く出ていって欲しいと言っているのだから、移設工事を阻む理由がわかりません。 

これが、たとえば宜野湾側は出て行け、辺野古側も来るなだったら、そもそも移設もクソもありません。 

よく勘違いされていますが、本土の文化人の中には、「成田闘争のようになって泥沼化する」と願望まじりの予言を垂れる人がいますが、断言してもいいですが、絶対になりません。 

成田闘争はあくまでも現地農民が反対同盟を作って婦人、子供まで戦ったから、あれだけ盛り上がったのです。 

今や助っ人の過激派に軒を貸して母屋を乗っ取られてしまいましたが、少なくとも初期は農民の土に根ざした戦いでした。 

では、辺野古にそんな「移設反対同盟」があるでしょうか。影も形もありません。 

むしろ逆に、土日に押し寄せてくるデモ参加者の数々の無神経な行為の方に、怒り心頭なほどです。

下は、違法駐車の群れですが、ひどい時はこんな車がびっしりと道を塞ぎます。

 

Photo_2
あ、「押し寄せる」とスッと書いてしまいましたが、説明がいりますね。 

地元住民が怒って立ち上がっているなら、余所の地区は「押し寄せる必要」などないと思いますが、辺野古の浜で「怒っている」のは、基地のない南部などからの「支援者」だったりします。 

南部には基地がありませんので、米軍といっても空高く飛ぶ軍用機を眺めるていどです。 

そんな場所に住む人たちか、キャンプ・シュワブが既にある辺野古にバスでやってきては、「基地反対」を叫ぶのですから、頭がクルクルします。

この人たちは、誰を「支援」に来たのでしょうか。 

先日紹介したニューズウィーク(6月30日)はこう伝えています。 

「地元では反発の声が上がる。辺野古地区で青年会長を務めるT(※原文本名)は『基地ではなく反対運動に迷惑している』と嘆く。
朝からの連日の騒音だけではなく、道路の封鎖活動や路上駐車による渋滞など、地元にとって反基地活動は降って湧いた災難でしかない」

 さらに、反対派は多数を頼みにして、地元の人達を捕まえては、「どうして、あなた方はキレイな海を汚す手伝いをするんですか」と喰ってかかる女性もいるとか。 

他人が生活する地域に土足で踏み込んで、説教を垂れるなよ、と思います。 

たた押しかけ説教垂れるだけならまだしも、常駐しているプロの活動家たちは、地元住民を「米軍の回し者」と敵対視して暴行を働くことすらあります。
※過去記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-5149.html
動画https://www.youtube.com/watch?v=k6ce3UXO7o4  

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上の写真は、辺野古住民が所用かあって基地に行こうとしたところ、反対派に包囲され、あろうことかキイまで抜かれて、引きずりだされて暴行を加えられそうになった事件の時のものです。

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いいですか。、ここは法治国家の日本ですよ。

百歩譲って、上の写真でデモ隊が掲げている「基地撤去・安倍政権打倒」の主張が正しくても、それを理由に無関係の人を多数で暴行を働いてよい道理がありません。

このような非常識な反対派の暴力が罷り通っているのが、現地なのです。

20150331(写真 地元の人によるフェンスの清掃活動。反対派は汚すだけ汚して放置する)

ニューズウィークは、こう述べています。

「Tはある時、仲間と話しあい、日常を取り戻すためにゲートのフェンスに運動家たちが貼ったテープなどのごみをはがす美化活動を行なうことにした。『米軍の回し者』と罵られ、『体をぶつけられたりすることもある』というが、黙々と剥がす。
地元住民からの反発は辺野古に限らず、普天間飛行場周辺でもたびたび耳にする」

そしてニューズウィークは、こう結んでいます。

「反基地運動に対する沖縄県民の不満には主に2つの要素がふくまれていることが多い。1つはTが述べるような、具体的な生活被害にたいするもの。
もう1つは、こうした被害をもたらすのが、県民の見るところの『よそ者』である『日本人』『ヤマトンチュー』『ナイチャー』・・・、本土出身者をさす言葉が基地反対運動に対しては嫌悪をもって語られる。

『あれは寄留民の運動じゃ』と吐き捨てる人もいる」

私はニューズウィークが報じただけが、現実ではないと知っています。

辺野古に参集した人の大部分は、縮小計画が進まないまま「新基地」が増え続けることに対しての素朴な怒りがあったことでしょう。

美しい海を埋めるという行為そのものに、どんどん汚れていく島の海岸線に対する危機感を重ねる人も多いことでしょう。

しかし、立ち止まって考えてほしいのです。

ならば、どうしたらいいのか。デモや座り込みをすることだけが、手段なのか、どうか。

地元にこれだけの迷惑をかけて嫌悪の対称にすらなって、運動が持続するものなのか、どうなのか。

一回、沖縄県民同士、膝を突き合わせて、地元と非公式にでも話あわれたらいかがでしょうか。

本来は、こんなことは地元自治体や、地方紙がするべきですが、ご存じの状況ですから、不可能なことは明らかです。

そうすれば、辺野古地区が単なる「米軍の回し者」ではなく、しっかりと過疎の村で生きていこうとして、この苦渋の選択を決したこともわかるでしょう。

また反対する人たちが、なにを憂慮しているのかも地元に伝わるでしょう。

最悪のなのは、今の県民を分断するような流れです。

本土から続々と上がってくる職業的運動家たち、それと共に流れ込む巨額の闘争資金、沖縄側の官公労中心の反対運動。

そしていまや名護湾には、グリーンピースの抗議船まで停泊するありさまです。

こんな状況のまま、地元2紙と翁長氏に煽られたまま反対運動が進めば、かならず、島に大きな見えない壁を作ってしまいます。

そして、本土と沖縄の間にもその壁はつながっているのです。

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コメント

いつも疑問に思うのですが、沖縄に警察ってないんですかね?

投稿: 大田区民 | 2015年11月12日 (木) 07時30分

管理人さん 台風の目の中反対派が次に仕掛けているのが、宜野湾市長選です。
翁長を前面にオール沖縄のフレーズで、知名度の無い志村氏を応援しています。
この普天間飛行場のある宜野湾市でも、移設賛否が半なのが今の沖縄の難しい所なんですよね。

投稿: 宜野湾市民 | 2015年11月12日 (木) 08時16分

沖縄県民以外の方々に

普天間の人達が危険なままで良いから移設しなくても良いと言うのならわざわざ多額の税金注ぎ込んでまで移設しなくても良いんじゃね?

みたいな意見が広がらならなければ良いのですが、

投稿: 種子 | 2015年11月12日 (木) 08時29分

種子さん。

それわかります!
私も同様なことを危惧します。現政権はあれだけマスコミに叩かれながら、よく放り出したりせずに粘り強く進めていると思います。
翁長さん相手では取りつく島もないも無いようですが…。

投稿: 山形 | 2015年11月12日 (木) 09時04分

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