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【阿比留瑠比の極言御免】
語り継ぎたいトルコの友情 自国を貶める歴史教育なんかより有益だ
2つの出来事映画に
実はこの映画が制作されるに至るまでには、世耕弘成官房副長官の助力や、日本とトルコ両国首脳の理解と協力があった。
田嶋勝正串本町長らから映画制作の相談を受けていた世耕氏が、平成25年10月のトルコ訪問前に安倍首相に話したところ、首相はエルドアン氏との会談でこう提案したという。
「できれば2人で映画化を応援しないか」
これにエルドアン氏は「素晴らしい。一体何をすればいいか」と応じ、安倍首相が「資金面やロケなどで協力してやってほしい」と答えると、その場で5億円の拠出を即決した。これをきっかけに、映画化は具体的に動き出した。
安倍首相はこれに先立つ25年3月、トルコのユルマズ国防相が来日した際に、その前月に死去したあるトルコ人パイロットへの弔意を伝えている。
この人物は、日本人救出のため決死の覚悟でテヘランに向かった救援機のパイロット、スヨルジュ氏だった。安倍首相は遺族に向けた弔辞でこう述べている。
「スヨルジュ殿の功績を日本国民は決して忘れることはなく、日本とトルコの友好関係の中でいつまでも語り継がれることになるでしょう」