在日中国人から“シナは蔑称じゃない”の声、中国ネット「洗脳されてる!」「もう慣れちゃったんじゃない?」
次世代の党最高顧問の石原慎太郎氏(82)が16日、政界引退を正式に表明した記者会見で“シナ”という言葉を連発したことについて、中国で波紋が広がっている。 FOCUS-ASIA.COM 12月19日(金)23時11分配信 この問題を初めて意識したのは、たしか20年くらい前に呉智英の著作で「シナは蔑称ではない」とする主旨の主張を読んだときだった。 そこで書かれていたのは、語源や戦前からの経緯を根拠にした意味論的な「蔑称否定論」であったと思う。 だが、自分の考えは少し違う。 当然ながら「シナ」自体は、もともと蔑称でも何でもないはずだ。 一方で石原に典型的なように、現代の日本人のうち中国を蔑視したり敵視したりする人間たちがとくに好んで使う呼称であることも間違いない。彼らにしてみれば素直に「中国」と呼ぶのが癪に障るので、それに代わる呼称として「シナ」を用いるのだろう。まぁ建前としては「伝統的な呼び方だ」と言い張るのだろうが。 だが一般的な日本人は「中国」と呼ぶのであり、「シナ」という言葉を使った時点で否応なくイデオロギー性を含んだニュアンスで受け止められるのは避けられない。事実上の蔑称としての機能を獲得していると言える。 (余談ながら、「ニグロ」をはじめとした今では「差別語」とされる多くの言葉も、おそらく元来は無色だったものが、上記と似た過程を経て差別性を帯びてきたのではないかと思っている)。 これは中国に対する評価とは別に厳然たる事実であり、一部に「シナ」の呼称を蔑称として批判する意見が根強い大きな背景になっている。 語釈だけを論拠に「蔑称ではない!」と主張する側が、あえて触れないのはその点だ。 語源が共通の「China」は欧米では普通の呼称として定着しているので、当然ながらそこには何ら思想性を含まない。 だが現代日本における「シナ」は、それとは同列に論じられないのである。 つまりこれは「その言葉は本来どんな意味を持っているか」という意味論ではなく、「どんな人間がどんな意図でどのような場面で使っているか」という語用論の問題なのだが、意味論だけを根拠にした上滑りの議論が目に余る。
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2015/1/18(日) 午前 8:19 [ じゃんご 〜許されざるおっさんの戯言ブログ〜 ]
コメント(11) ※投稿されたコメントはブログ開設者の承認後に公開されます。
第三国人なんかもそうですよね、外交交渉なんかで(当事国ではない)第三国という言い方はしますが、第三国人というと歴史的には中国朝鮮韓国人を指すわけですし、イシハラは正にそういう意味で遣ってますし。遣い方というか何らかの意図があれば次第で普通の言葉が蔑称になる……。そういえばあたし的には「石原」は普通の言葉ですが「イシハラ」は場合によっては蔑称になります。
2014/12/22(月) 午前 9:59 <<コメントに返信する
あの人の言葉の感覚、本当に酷いと思っていました。
ああいうヒトが首都の知事であることは、この国の恥。もっと早く辞めてほしかったです。
今時、「シナ」などと呼ぶ人はほとんどいません。
政治家ではあのヒトだけでしょう。
>「シナ」という言葉を使った時点で否応なくイデオロギー性を含んだニュアンスで受け止められるのは避けられない。事実上の蔑称としての機能を獲得していると言える。
それが分かっていて敢えて使う差別主義者です。
2014/12/22(月) 午後 6:24 <<コメントに返信する
初コメントです
まずは最初にJinne Louさんにありがとうと言いたいです。(*・∀<*)
実はここ数日何度も落ち込むことがあって、なんだか元気がなかったんです。o(^∀^*)o
ブログをみて、こんな風な価値観もあるんだと思ったり(*・∀-)
共感する部分があったりして色んな意味で自分自身前向きになれたんです。\(○^ω^○)/
実際に事実でJinne Louさんのおかげで今の自分がいるんだって思えます
私自身このブログの管理者であるJinne Louさんのことがだいぶ気になっちゃってるんですo(^▽^)o
もしもOKだったら、Jinne Louさんに直接相談したいことがあったりしちゃいます。。。
ayundamon@i.softbank.jp
正直突然のことなのにいきなり連絡しちゃったら絶対引いちゃうかなって思ったんで…ごめんなさい。(*´・x・`)ゞ)))ゴメンネ
2014/12/22(月) 午後 10:58 [ pur*ru*178 ] <<コメントに返信する
>ゆまりんさん
本人は明らかに蔑称の意図で使っておきながら、追及されると「第三国の人間という意味だ」「シナは伝統的な呼び方だ」と言い逃れできるのがこの種の言葉の便利さでしょうね。
要は「シナ」という言葉が常に差別語なのではなく使う側の意図によるという当たり前のことなんですが、この種の話になるとすぐに「じゃあ東シナ海や支那そばはどうなんだ」と言い始める輩が出てくるのが笑えるというか馬鹿馬鹿しいというか。
2014/12/23(火) 午前 4:10 <<コメントに返信する
>alfs momさん
この日本の恥とも言うべき人間に対して、「勇退」ではなく「落選」という形で有権者の意思を突き付けて引導を渡せたのは、せめて良かった点だと思いますね。
2014/12/23(火) 午前 4:13 <<コメントに返信する
森茉莉は尊称として支那という言葉を遣っていた、遣いたかったそうです。尊称としての支那というのはあたしには解りませんが。でも、戦後など中華街に取材に行ったときなどは支那という言葉を遣うのが憚られて、心ならずも中国と言った、ということです。自分としてはそんなつもりは毛頭ないけど世間的にはこうで、厭な感じを受ける人がいるなら、ってことですよね。何故イシハラはああなのか……。
2014/12/23(火) 午前 10:02 <<コメントに返信する
>一部に「シナ」の呼称を蔑称として批判する意見が根強い大きな背景になっている。
それは現在に至る中国人が作り出した犯罪国、無礼国への評価に過ぎないだろう。
>だが一般的な日本人は「中国」と呼ぶのであり
日本はそのまま日本でよいが、「中国」は略称だろう。
支那が歴史的にも呼称的にも、正確だ。
2014/12/23(火) 午前 10:16 [ re**u*g*2*0l ] <<コメントに返信する
「シナ(支那)」が蔑称か否かという議論は戦前・戦中からあるようですね。
竹内好は
「支那を支那と呼び支那人を支那人と呼ぶことは支那人の感情を害うから、宜しく中国及び中国人と称すべしという論が行われている」 「支那という言葉は支那人から実際嫌われているのであるか、嫌われているとすれば何故嫌われるのであるか、嫌われることを我々は是認し、これを改めんと欲するのであるか、然らば支那を中国に改めれば、初期の目的は達せられるか。言葉の問題はいつも簡単のように見えて、底に不測の奸智を畳み隠すものの如くである」(1940年「支那と中国」)
http://plaza.rakuten.co.jp/inunohanasaki/diary/201009220000/
ーーとして、結局「僕には支那が丁度いいのだ。言葉は言葉としてのいのちを自ら生き栄えよ」と結論付けたそうですが、この言葉を竹内が言うのと石原が言うのとでは、意味も重みも全く違ってくるでしょう。
2014/12/24(水) 午前 0:07 <<コメントに返信する
>「シナ(支那)」が蔑称か否かという議論は戦前・戦中からあるようですね。
これは日本人に対する文句のネタにする支那人がいるという話でね。
事実、別称ではないのだよ鈴木くん。
勉強が足りないね。
2014/12/24(水) 午後 11:54 [ re**u*g*2*0l ] <<コメントに返信する
はじめまして。
TBありがとうございます。
私は意味論的に「支那」使用に賛成しますが、実際のところ「中国」を多用します。単なる便宜上の問題です。議論の脱線を防ぐためです。
「支那」をあえて使用するなら、それによって生ずるリスクも正々堂々と引き受けるべきでしょう。権威への挑発や自己正当化の意味で「支那」を使用するのは、石原も“ネトウヨ中高生”も一緒というのが滑稽でもあります。
TBお返しします。
2015/1/18(日) 午前 8:28 <<コメントに返信する
ご訪問ありがとうございます。同じ話題を取り上げていたのが目に留まりましたので。
自分も意味論的には「中国」でも「シナ」でも「支那」でも使いたいものを使って問題ないと思いますが、日本では一般的でない「シナ」で「支那」をわざわざ使っておきながら、「英語のchinaも同じだろう」とか「支那そばや東シナ海もダメなのか」とか嘯いたりする欺瞞的で白々しい態度には虫唾が走りますね。
TBのお返しありがとうございました。
2015/1/19(月) 午前 2:28 <<コメントに返信する