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2007-01-17 はてDのアクセス増加効果報告

[]日本におけるレイプ被害について 日本におけるレイプ被害についてを含むブックマーク


ストーカーの心理学 (PHP新書)

ストーカーの心理学 (PHP新書)


ちと、今回のコラムは真面目に書く。


日記の最初に「ネタ的ダイアリー」と書いているので、アレだし、本家でやろうとも思ったが、こっちで火をつけてしまった話題なので、こちらのブログで。



前回の日記で、レイプに関する話題を扱い、それについてコメント欄やTBで、いくらか指摘を受けたので、日本におけるレイプについて、もうちょっと詳しく書こうかと思う。


主に、資料としては、最初にあげた「ストーカーの心理学」からになる。


TBや、コメントで、デートレイプの話があがったが、「犯罪白書」にあるような警察自体に届けられた強姦件数は、大体、年2000件程度。


ただし、犯罪白書にあるような強姦は


「暴力・脅迫によって抗拒不能の状態において強制された性交」

「13歳未満の女性に対する性交」


と定義されたものであり、「デートレイプ」に含まれるような「女性との合意のない不快なセックス」は含まれていない。


日本における強姦は、親告罪であり、強姦致傷や輪姦でない限りは、被害者の告訴無しには、立件されない。


そのため、被害届を出さない限りは、犯罪統計に上らないので、実際にレイプ被害(デートレイプのような女性との合意のないセックスを強要されるケース)に、女性がどの程度さらされているかは、犯罪白書からはわからない。



犯罪白書のみに限っていうのであれば、日本では、年に2000件程度の強姦が立件されており、その中で、最も女性がレイプされる危険性の高いのは

「面識なし」70%前後

「面識あり」20%前後

となる。


立件される強姦では、通り魔的な犯罪が多いのだが、それでも、日本全体では、年に1400件程度起こっているにすぎない。


問題は、デートレイプなどに含まれる「女性との合意のない不快なセックス」という所まで、強姦の定義を広げた場合に、どの程度の女性が、そういった性被害にあっているか、というところで、僕が問題にしたいのもここになる。


「ストーカーの心理学」では、この点について、東京医科歯科大学の小西聖子助教授の「過去の性被害」の研究(1995年)を参照にしている。

(「日本=性研究会議会報」九巻1号)


引用するが



それによると、回答者は平均して21・8歳であったが、調査時点までに<<強姦>>の被害を受けたと申告した人は七名で全体の1・72%だった。ちなみに、小西調査に先行する石川義之氏の1992年の調査でも、まったく同じ数値(1.7%)が得られているので、その点からも小西氏の調査結果にはたしかな信頼性があると考えられる。

次に簡単なデータも載っているのでそれも載せるけど

強姦の被害を受けた年齢

小学校1名

中高時代1名

大学時代5名

被害者場所

加害者宅3名

被害者自宅1名

加害者との関係

被害者の恋人4名

知人1名

その他2名


デートレイプが三分の二、それから知人・恋人以外からのものが3分の1となる。


著者の福島氏は、このように小西調査と、犯罪白書のデータが食い違っている点について、「デートレイプ」のようなものが、警察では犯罪と認知されていない事から起こっていると解いている。


さらにその後、福島氏は、山岡一信氏の「犯罪行動形態IV-性犯罪」(1965.1966)のデータから、性犯罪の被害者の三分の二が未成年者である事と小西調査のデータ、性被害者の年齢分布を考え合わせて、日本の女性が生涯で強姦の被害にあう確率を2.5%と算出している。



この数値は、かなり危険な数値であると言わざるを得ない。


こうした数値から考えた場合、デートレイプを含めた場合には、日本で、強姦被害にあっている女性は、年に2万人程度となるわけである。


犯罪白書では、年に2000件しか強姦が起こってないとするが、レイプの定義を広げた場合には、年に2万件の強姦が起こっているになるため、日本の女性は、実際に考えられているほどには安全ではないのである。



著者の福島氏は、さらに、小西調査の<<強姦未遂>>にも言及していて、

<<強姦未遂>>

報告者42名(回答者の12.1%)

被害場所

加害者宅11件

自宅11件

戸外9件


加害者

友人・知人20人

見知らぬ人9人

というデータをあげている。



僕以外の日本男性の名誉のために言っておくと、昨今の日本男性というのは、ものすごくおとなしくて、非攻撃的なのが現状だ。


犯罪発生率、強姦件数ともに、諸外国に比べて、極めて低く、女性にとっては、日本男性というのは非常に、安全だといえる部類である。


アメリカのように、(法制度やレイプの定義が違うので、一概に比較はできないが)レイプの発生件数が馬鹿高く、犯罪発生率、殺人件数が高い国よりは、ずっと日本の女性は安全だとはいえる。


ただし、それでも、上記の小西調査の調査結果は、女性が未だに性被害の危険性に、かなりの割合でさらされていることを意味している。生涯でレイプされる確率2.5%という数値は、かなり危険な数値と言わざるをえない。


これらのデータと合わせて、自分の経験かも言わせてもらうが、女性が見知らぬ人にレイプされたという事は、自分の周りではほとんどない。


ただ、いわゆる「デートレイプ」であったり、「親しい友人だと思って安心して家にあげたらヤられちゃいました/ヤられそうになった」なんて話は、それなりに聞く。珍しい話というわけではない。


このあたりから考えて、日本女性が「強姦(デートレイプを含む)」ないしは「強姦未遂」を受ける可能性というのは、かなり高い割合だと言わざるをえないわけである。


また、強姦場所でも、強姦(デートレイプを含む)」ないしは「強姦未遂」を受けるケースでは、戸外よりも圧倒的に自宅あるいは知人・友人宅であることがデータにあらわれている。


また、自分の回りとかでも、そういった話は、しばしば聞く。


強姦(デートレイプを含む)」が、年に約2万件、「強姦未遂」に関しては、おそらく年20万件程度発生しているのではないかという現状を考えれば、僕は、適齢期の女性が恋人以外の男性の家にホイホイ二人きりであがるべきではないし、恋人以外の男をあげるべきではないと考えているし、同じように、自分も適齢期の女性(恋人以外)を二人きりで家にあげるつもりはないし、あがるつもりもない。


自分の内面をみれば(あまりやりたくないが。ろくでもないモノが見つかるので)、僕は、自分の性衝動をコントロールできているとは言えないのが現状だからだ。


うちのオヤジは、「女性と飲んで二人きりになったら、電車が無くなったら、女性にタクシー代渡して帰ってもらえ。それが男だ」


などと、大学時代の僕にいったものだが、僕という人間をよくわかっていたのだろう。


僕以外の日本男性の名誉のために言っておくと、結局の話、強姦も強姦未遂もしないような、いわゆる紳士的な男性のほうがずっと多い。統計データからもそれが言える。


男性に友情を求める女性にとっては、日本男性というのは、諸外国の男性に比べれば、ずっと、やりやすいとは、言えるだろう。


ただ、現状、まだ、性被害の件数を考えれば、まだ、そういうのは早いと僕は考えているのである。


現状、女性が強姦や強姦未遂にあうケースのかなりの部分で「この人なら大丈夫と思っていた男性から被害を受けた」という話がそれなりにあるからである。どうやって見分けるかという問題が解決されていないからだ。


強姦(デートレイプ含む)あるいは強姦未遂が潜在的に起こっている件数を考えれば、女性は、やはり、男性に気をつけなければならない。特に、知人・友人であっても、気をつけねばならないのは変わらないとしかいえない。強姦・強姦未遂という犯罪の深刻さを考えれば。





将来的に、この数字が改善されて、強姦(デートレイプを含む)」ないしは「強姦未遂」を女性が受ける件数が、年2000件程度まで減ったなら、その時は、僕も男女の友情に関して、肯定的な立場をとってもよい。


ただ、今は、まだ、その段階ではないという話になるのである。強姦(デートレイプ含む)や強姦未遂にあう女性の多さを考えれば。


女性と男性が、同性と同じような友情を育むというのは、正直、リスクが高いと言わざるを得ない。



追記

はてBのコメント欄で「二人きりにならなければ」的な意見があったので、それについて、ちょっと追記。


福島氏の「ストーカーの心理学」からの引用になるが、

いずれにせよ、<<強姦未遂>>などというと、「どこか人目につかない戸外で、見知らぬ人に襲われ、抵抗して逃げ、危うく難を免れる」というイメージがあるが、実際には、友人、知人などによって、被害者の自宅や加害者の生活空間で犯されそうになることが多いことが分かる。実はこのような事情は、昔からアメリカの性教育の教科書などにもしばしば指摘されている事実である(例えばダイアモンド他、多草川まゆみ訳 「人間にとって性とは何か」小学館)


この引用部分は、デートレイプや強姦未遂を含む場合。


で、アメリカなどでは、レイプや強姦未遂が深刻な問題で、そのため、引用部分にあるように、アメリカでは、性教育においても、「強姦・強姦未遂の多くは、友人・知人などによって、被害者の自宅や加害者の自宅で行なわれている」という事を教えているそうだ。


ただ、それでも、アメリカでは、相変わらずデートレイプは多発しているし、強姦未遂も相当起こっている。


性教育で「知人・友人であっても二人きりになるのは危ない」と教えている国で、ここまでデートレイプや強姦未遂などが起こる理由については、資料がないので、よくわからないのだが、アメリカの例を考えると、単純に「二人きりにならなければ大丈夫」とだけ考えるのは、やはり危険ではないかと思われる。(性教育で教えられても襲われている)


襲う側がよっぽど綿密に計画して女性を油断させてから襲っているのか、それとも、女性が開放的で無防備なのかもしれない。あるいは、そもそも性教育なんて真面目に聞いてないせいかもしれないが。


性教育でデートレイプの危険性について、きちんと教えている国で、あの有様なんで、正直、かなり用心していても、結局、危ないという話にはなってしまうんで、「二人きりにならなければ大丈夫」という考え方がどこまで通用するかは、疑問が残る。


「女性は知人・友人でも二人きりでは家にあげるな/あがるな」を徹底すれば、統計データ上、普通は効果はあると思うのだが、やはり友人・知人だと油断して、入れてしまう、あるいは上がってしまうものなのかもしれない。



性教育でこういう事を教えている国でもあの有様なので、ここで、こんな主張をすることは、ほとんど効果がないとは、分かってはいるが、女性に関しては、こういうリスクがある事、それから、アメリカでは性教育でデートレイプなどの危険性、男と二人きりになることの危険性を教えているにも関わらず、デートレイプや強姦未遂がものすごい割合で起こっているという事は、覚えておいて損はないと思う。

再追記

http://d.hatena.ne.jp/pal-9999/20070120/p1

こっちにもうちょっと書きました。

TotoroTotoro 2007/01/18 17:36 コメントが増えてきた時点できっちりここまで記事を書いたのは立派。私なぞ、思いつきで記事を書いて、コメント覧が荒れて、あせって裏を取ろうとしたら、証拠も何もなく単なる「思い込み」だったこともあります。

dennoupriondennouprion 2007/01/20 13:02 livedoorには記事ランキングがあります。
http://www.blog.livedoor.com/article_ranking_index.html

男 2007/04/03 03:25 ゴウカンは男のロマンです

TransitionTransition 2007/11/22 13:37 >アメリカでは、性教育においても、「強姦・強姦未遂の多くは、友人・知人などによって、被害者の自宅や加害者の自宅で行なわれている」という事を教えているそうだ。

平成12年頃、北海道の某高校で使われていた家庭科の教科書である『家庭一般 21』(文部省検定済教科書。高等学校家庭科用。平成10年3月15日文部省検定済。平成12年1月20日印刷。平成12年1月25日発行。発行所:実教出版株式会社。7 実教 家庭550)p 41には、強姦のことが載っていました。せっかくだから、下記に、その一部を載せます。
『レイプについては、一般に見知らぬ男性が暗やみで女性を襲うことのように考えられている。しかし実際には、加害者が顔見知りであることが多く、犯行も室内でおこなわれることが最も多いなどその実態は意外と知られていない』

(←『人間の性とは』、『人権を侵す性の行為について』、『性的欲求』、『性行動にともなうトラブル』のあたりに載っていました。したがって、ある意味で、性教育の一環として載っているといってもいいでしょう。ちなみに、具体的な統計やグラフは載っていませんでした)

詳細は、私が送ったトラックバック参照。

きょーすけきょーすけ 2008/05/15 18:53 非常に丁寧で色々と考えることができる内容でした。
同じ題材では あの人種が悪いやこの人種が優秀など、民族や国民性を
なじることに用いられていることが多いです。
しかし 氏の内容は偏りがなく かつ白書などの実際の数字にも疑問を
投げかけ 事実を模索する姿勢に感銘しました。

NN 2013/09/22 13:16 デートレイプされることを期待して家に上げている女性も非常に多いことも問題。
女性がもっと開放的に、言い訳をしなくてもセックスできる状況を作ってあげることで、
男性が、家に二人きりで呼ばれて一緒にベッドに座ってるけど「Hしていいのかどうかわからない」状況を作り出している女性が多いのも責任がある。