2012-08-13
■[慰安婦]また池田信夫氏が慰安婦捏造を拡散してるんだが

↓これ(一部抜粋)
2012年08月08日
・慰安婦について調査委員会を設置せよ : アゴラ - ライブドアブログ
・池田信夫 blog : 慰安婦について調査委員会を設置せよ - ライブドアブログ
あらためて確認したのは、この(慰安婦)問題は朝日新聞が捏造したものだということである。
(中略)
朝日新聞の植村隆記者は「女子挺身隊の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた朝鮮人従軍慰安婦のうち、一人が名乗り出た」と報じ、これが騒ぎの発端になった。
西岡力氏もいうように、これは誤報ではなく意図的な捏造である。なぜなら植村記者の妻は韓国人で義母が訴訟の原告団長だったので、韓国語の読める植村記者は訴状の内容を知っていたはずだからである。
(以下略)
Apeman氏が既に『池田信夫の捏造 - Apes! Not Monkeys! はてな別館 』で批判を加えていますが、こちらでは池田信夫氏の別の箇所の「捏造」を批判していきます。
池田信夫氏は慰安婦問題の「騒ぎの発端になった」のは朝日新聞の植村隆記者による「女子挺身隊の名で戦場に連行され…」という1991年8月11日付け朝日新聞(植村隆記者)の記事だと書いています。
しかし1991年の植村隆記者の記事より以前1987年08月14日付け読売新聞に「女子挺身隊の名のもとに(中略)朝鮮半島の娘たちが、多数強制的に徴発されて戦場に送り込まれた」との記事が存在します。
しかもこのこと、2007年4月の時点で小倉秀夫弁護士が池田信夫Blogのコメント欄で指摘しているのです。(小倉秀夫氏はブログ記事にもしています。la_causette: 92年1月の用語解説記事に拘る前に )
2007年03月28日
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51292724.html
コメント欄より
81. 小倉秀夫
2007年04月01日 17:47
(前略)
池田先生はなおも朝日新聞の大誤報説に拘っておられますが、下記記事を1987年08月14日東京夕刊13頁に掲載したのは読売新聞です。
「従軍慰安婦とは、旧日本軍が日中戦争と太平洋戦争下の戦場に設置した「陸軍娯楽所」で働いた女性のこと。昭和十三年から終戦の日までに、従事した女性は二十万人とも三十万人とも言われている。/「お国のためだ」と何をするのかも分からないままにだまされ、半ば強制的に動員されたおとめらも多かった。/特に昭和十七年以降「女子挺身隊」の名のもとに、日韓併合で無理やり日本人扱いをされていた朝鮮半島の娘たちが、多数強制的に徴発されて戦場に送り込まれた。彼女たちは、砲弾の飛び交う戦場の仮設小屋やざんごうの中で、一日に何十人もの将兵に体をまかせた。その存在は、世界の戦史上、極めて異例とされながら、その制度と実態が明らかにされることはなかった。」
さらに小倉弁護士のこの指摘も的確だろう。
71.小倉秀夫
2007年04月01日 01:35
(前略)
最近の投稿を見ていると、国外からの誤解を解くと言うことすらもうどうでも良くなって、むしろアンチ朝日新聞プロパガンダのネタとして従軍慰安婦問題を取り上げているだけのように見えてきます。
(中略)
なお、92年1月の記事は、「従軍慰安婦」についての手短な用語解説の部分であって、新たに調査をした結果判明したことをニュースとして書くための部分ではありません。で、この記事の直前には、韓国側で挺身隊と従軍慰安婦とを結びつけていることの報道が各社によりなされていたのですから、池田先生が引用されたような表現になることもやむを得ないところです(98年に関釜訴訟の第一審判決が下され、その中で挺身隊≠慰安婦との指摘がなされるまでは、讀賣新 聞だって似たようなものです。)。それを朝日新聞社による偽造だの捏造だのというのは公正さを書いているように思うのです。
池田信夫氏は植村隆記者(朝日新聞)の報道を「これは誤報ではなく意図的な捏造である。」などと書いていますが、当時はまだ慰安婦について不明な点も多く、韓国では90年代初頭まで挺身隊は慰安婦の同義語として広く認識されていたのですから*1、これを「意図的な捏造」などとは言えないでしょう。(日本国内でもこの頃、例えば『日本史大事典』平凡社、1993年、の「従軍慰安婦」の解説は「その多くは『女子挺身隊』の美名でだまし集めた…」と記述されている。)
hokke-ookami氏の記事に説得力があったので引用する。
〈日中戦争や第二次世界大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」が聞き取り作業を始めた。……テープの中で女性は「思い出すと今でも身の毛がよだつ」と語っている。体験をひた隠しにしてきた彼女らの重い口が、戦後半世紀近くたって、やっと開き始めた。〉
つまるところ、1991年の植村記事で慰安婦と挺身隊を同一視されていたとしても、それは植村記者が被害者側の認識をそのまま報じたということしかありえない。もちろん引用された植村記事をよく読めばわかるとおり、あくまで挺身隊の名目で従軍慰安婦にされた被害者という報道にすぎず、慰安婦と挺身隊が同一という記述ではない。
もし(中略)植村隆記者の捏造記事が発端となって慰安婦と挺身隊が同一視されたという主張を行ないたいなら、少なくとも1980年代以前に慰安婦と挺身隊を混同しかねない記事を植村記者が書いていたと証立てなければならない。
さらに、池田信夫は自身の主張を秦郁彦の主張に全面的に依拠していると過去に書いているようでが、手元にある秦郁彦の著書『慰安婦と戦場の性』(新潮選書、1999年)を読み返してみたところ、当の秦郁彦は『慰安婦と戦場の性』のなかで1991年8月11日付け朝日新聞の植村隆記者の「女子挺身隊の名で戦場に連行…」との記事が「騒ぎの発端」だとは書いていません。
秦郁彦は『慰安婦と戦場の性』のなかで1992年1月11日付けの朝日新聞の「慰安所 軍関与示す資料」という見出しの記事が「発火点」だと書き(同書p11)、韓国国内で女子挺身隊と慰安婦が戦時中から混同されていた歴史的な事実や背景について言及しています(同書p366)。
「女子挺身隊の名で戦場に連行…」との植村記者の記事が事実誤認であるとは書いてはいても、「朝日の捏造」なんていかにもアレな人達が飛び付きそうな陰謀説には落とし込んではいないのですね。
秦郁彦氏は植村隆記者について触れている箇所(同書p182)でも、重要とは思われない「〇〇人」といった出自については人種差別と受け止められかねないと考えてか避けて書いています。(もっとも西岡力の陰謀論を無批判に紹介してはいますが)。
つまり、池田信夫は自身の主張を秦郁彦の主張に全面的に依拠しているとしながらも、秦郁彦が主張していないことを勝手に捏造し拡散しているわけです。
8/13の12:30 現在、「google:慰安婦 朝日新聞が捏造」で1週間以内検索すると既に「約 20,900 件」ものヒットが。
池田信夫の捏造を拡散する2chまとめブログ…。
・従軍慰安婦問題は朝日新聞が捏造!・・・記事を書いた植村記者の妻は韓国人で義母が訴訟の原告団長 池田信夫 : ネトウヨにゅーす。
・2ちゃん的韓国ニュース : 従軍慰安婦問題は朝日新聞が捏造したものだ・・・記事を書いた植村記者の妻は韓国人で義母が訴訟の原告団長だった
・従軍慰安婦問題を捏造した朝日新聞・植村記者の妻は韓国人で義母が訴訟の原告団長だった事が判明!
・【論説】 従軍慰安婦問題は朝日新聞が捏造したものだ・・・記事を書いた植村記者の妻は韓国人で義母が訴訟の原告団長だった - キムチ速報
・従軍慰安婦問題は朝日新聞が捏造したものだ・・・記事を書いた植村記者の妻は韓国人で義母が訴訟の原告団長だった : watch@2チャンネル
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愛国先生もう少しまともなコメントが出来るようになりましょう。
日本人と朝鮮人慰安婦それぞれの人数が知りたいのですがご存知でしょうか?
朝鮮人慰安婦に関してはよく20万という話を聞きますが、この数字は確かなのでしょうか?だとしたらどのような史料に基づいたものなのでしょうか?
>日本人と朝鮮人慰安婦それぞれの人数が知りたいのですがご存知でしょうか?
日本政府や軍部は「朝鮮半島出身者」や「アジア各地における出身者」はもとより、「日本内地出身者」における動員人数の記録も残していないと考えられています。
>朝鮮人慰安婦に関してはよく20万という話を聞きますが、
「慰安婦」にされたのは「朝鮮人」だけではありませんので、そもそも、そのような「話」をしていると思い込んで読んでしまうこと自体が間違いです。
明確な記録が残されていない以上、当時の背景や状況、文書などを元にして延べ人数が推定されるのです。
http://www.awf.or.jp/1/facts-07.html
rawan60さんが代わりにこたえてくれていますが、少し補足するなら、日本軍「慰安婦」(以下、慰安婦)の総数や民族比率をはっきりと断定できるだけの史料が存在していない理由としては、敗戦直後に軍の重要書類が燃やされたり、戦時中に慰安婦のことを少ないながらも記録された部隊日誌の紛失も多く、さらに残された書類上でも慰安婦のことを慰安婦とわからないよう軍事物資の隠語を当てていたりするからです。
それでも、残された公文書・史料、元日本軍将兵や元慰安婦の証言や手記、それに軍属の慰安所経営者だった人物の証言などから、総数や民族比率はある程度この辺りだろうと推測することは可能です。
ですから、研究者の間でも推計した数字にはある程度の幅が出てくるのは普通のことです。
ネット上で読めるものではrawan60さんが紹介されている上記のアジア女性基金のサイトなどは資料へのリンクも豊富で充実しています。
個人的には、吉見義明教授の『従軍慰安婦』(岩波新書、95年)という基本書をまず読んでみるのがいいのではないかと思います。慰安婦の総数や民族比率についても言及されていますので。
ちなみに吉見教授は著書『従軍慰安婦』のなかで朝鮮人慰安婦だけで20万人という数字については「多すぎると思う」と述べています。
「調べ物」なんてステハンでコメントしておいて、「後は知らぬ存ぜぬ」のようですからロクなもんじゃないでしょうね。
何を調べていたんでしょう?(笑
まぁブログだと丁寧に応答してもそのまま返事が無いことはよくあることなんで(^^;
南京事件でもそうですが、やはりいきなり人数に視点がいってしまうのは真面目に問題に向き合う姿勢ではないようですね。
旧日本帝国軍人は自国民の命も虫けら同様だったのですから他国民など虫けら以下の扱いだったのでしょう。
「強制」の定義の問題に焦点を当てたこのコメも承認しないみたいです。
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Edit...Delete...山下靖弘
『従軍慰安婦』岩波新書p.103・・・のその部分は、吉見氏の「強制連行」の定義ではないですよ。
吉見さんの定義は『季刊 戦争責任2009夏』P3,4に書かれています。この定義は、93年に挺対協がした定義とだいたい同じですから、みてみましょう。
【定義】「当時の国際条約に規定されているように[詐欺]または、暴行、脅迫、権力乱用、その他[一切の強制手段]による動員を強制連行だと把握するならば、本調査の19人の場合は大部分が強制連行の範疇に入る。」と書いて”強制連行”という言葉の定義を定めている。(『証言・強制連行された朝鮮人慰安婦たち』)
ちなみに秦郁彦も西岡力も、こうした「強制連行」の定義をまったくしないで「強制連行」がどうの、こうの言うだけなので、基本まともな論争にはならない。まさか大学教授が安倍首相のように「官憲が家に押し入って引きずるように連れていく」が定義だとは、思ってないと思いますが、彼らがその定義を書いたのを誰も読んだことがないでしょう。
まともな論争から逃げているからでしょう。
また、彼らは決してこうした定義には触れないようにして「広義」だ「狭義」だという言葉だけを拡散している。
西岡力は、『よくわかる・・・』の中で、「国内の論争は私たちの勝利に終わった」なんて、バカげた事を書いているが、先日の「吉見ー秦」ラジオ対談が吉見氏の圧勝だったように、まったく相手にならないので、唯一有利らしい?「吉田清治」に常に話を持っていくという、さすがアメリカに拒否された歴史修正論者だけの事はある。
歴史修正論者はピンポイントで攻撃して、その攻撃によって全てが自分の主張が正しいように錯覚させる・・・・というが、まさにそういうものなのだろう。