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【ウクライナ情勢】
旧ソ連のシンボル・記念碑を禁止 新法「脱共産主義法」発効
【モスクワ=遠藤良介】ウクライナで21日、旧ソ連体制をナチズムと並んで「犯罪的」とし、共産主義の流布やシンボルの使用を禁じる通称「脱共産主義法」が発効した。
新法は「槌と鎌」をあしらった旧ソ連の国章などの使用を禁じ、レーニンら共産党指導者の記念碑は撤去対象とした。共産主義を流布する政党やマスコミの認可は取り消すことができるとしている。第2次大戦期に対ソ連パルチザン闘争を行い、ロシアが「ナチスの協力者」と非難するウクライナ蜂起軍(UPA)は顕彰対象とした。
新法制定の背景には、ロシアの介入したウクライナ東部での紛争を受け、とりわけ同国西部で反露感情が高まっている事情がある。ただ、東部にはソ連時代への郷愁を抱く住民が多いため、新法が国民の「東西分断」を深め、ロシアの干渉を招くことも懸念されている。