＜ＦＢ侵入＞取得データに個人名なし　英数字と記号のみ

　◇不正アクセス禁止法違反容疑　逮捕の会社員パソコン

　不正入手したＩＤやパスワードで他人のフェイスブック（ＦＢ）に侵入したとして、会社員、古賀亮介容疑者（２５）＝東京都板橋区赤塚４＝が不正アクセス禁止法違反容疑で警視庁に逮捕された事件で、古賀容疑者のパソコンから見つかった約７５０人分のデータは、英数字や記号が並んだＩＤやパスワードと電話番号で、持ち主の名前や住所はなかったことが捜査関係者への取材で分かった。ほとんどは女性のものとみられ、警視庁サイバー犯罪対策課は不特定多数のデータを入手した方法の特定を急いでいる。

　捜査関係者によると、古賀容疑者のパソコンから見つかったファイルにはＦＢで５６３人分、米アップル社のクラウドサービス「ｉＣｌｏｕｄ（アイクラウド）」で２０８人分のＩＤとパスワードのリストが保存されていた。中には電話番号が記載されたものもあった。しかし持ち主の名前や住所などはなかったという。

　このうち１５人分については、ＦＢとアイクラウドでＩＤ・パスワードが重複しており、同じ所有者が両方で使用していた。約７５０人分のうち、身元の確認が取れているのは東京や愛知、大阪、福岡など１０都府県の１２３人で、不正アクセスされていることに気づいていなかったという。いずれも古賀容疑者と面識はなく、１２２人が女性だった。

　古賀容疑者のパソコンからは女性の水着姿や下着姿の画像も見つかっており、ＦＢなどから私的な画像を勝手にダウンロードしていたとみられる。同課は、古賀容疑者が女性たちの私生活を「のぞき見」するためにＩＤなどを意図的に収集していたとみている。

　古賀容疑者は携帯電話販売会社「光通信」（本社・東京都豊島区）に勤務し、中小企業向けの商品の企画などに携わっていたという。同社は「仕事上、個人のＩＤやパスワード情報を扱うことはない」と業務上での漏えいを否定している。【斎川瞳】