古い話になりますが、TVで『金八先生』が流行っていた頃のこと。国語の入試問題で、主題歌『贈る言葉』海援隊(作詞:武田鉄矢、作曲:千葉和臣)の歌詞が使われたことがありました。 名の知れた難関高校だったと記憶しています。
暮れなずむ町の光と影の中
誰もが知っている有名な出だしですね。問題はこうです。
「暮れなずむ」とはどういう意味か。分かりやすい言葉で〇〇文字以内で答えなさい。
結構な難問でしょう?虚をつかれたかた、多くないですか。当時の私は勿論分からずに、すぐ辞書を引いたのを覚えています。回答はこんな感じが妥当でしょうか。
「日が暮れそうで、なかなか暮れない様子」
当時はそこで終わったのですが、おじさんになった今、初めてこの出題に込められた意図というか、非常に優れた問題であることに気づきました。
当時『贈る言葉』は、日本中で目茶目茶に流行っていた歌です。ドラマを見れば毎週流れている。卒業式では必ず歌う。この曲を1回も聞いたことがない人、メロディーを全く知らない人、歌詞を部分的にでも口ずさめない人は、殆どいなかったと思います。
それだけヒット曲『贈る言葉』が氾濫している中、何十回、何百回と耳にして、自ら口ずさんでいるはずの「暮れなずむ」というフレーズがどういう意味か疑問を持たない。それは厳しく言えば「知的な怠慢」ですよね。まあ、今だから言えることですが。
この問題に答えられる子は、
〇「何故だろう?」「どうしてだろう?」といった疑問を常に持つ姿勢。
〇調べるなり人に聞くなりして、疑問を解決する探求心。
を備えている可能性が高いとは言えませんでしょうか?
大げさに言えば、日頃から森羅万象に対して、知的好奇心を忘れずに臨んでいると。高校に入ってからもきっと伸びるでしょうし、万が一受験勉強に向いていなかったとしても、自分で立派に成長していけるタイプだと思います。
難関校向けの受験問題集を、どれだけやりこんできた受験生でも初めて見る。しかも生徒の知的な「素養」そのものを問う。出題者に拍手を送りたくなるような良問ですよね。
相変わらずの長いマクラとなりましたが、ようやく今日の本題。
ずっと答えを考えあぐねている歌詞の一節があるのですが。サザンオールスターズのアルバム『KAMAKURA』に収められた名曲、
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原由子さんがメインボーカルの『鎌倉物語』(作詞:作曲 桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)の出だし。
鎌倉よ何故 夢のような虹を遠ざける
これってどういう意味なんでしょうか?
作詞をした桑田佳祐氏ご本人に聞いても、九分九厘「意味なんてないよ」という答えが返ってくるような気はするんです。なんと言っても 『ただの歌詞じゃねえか、こんなもん』の著者でもあるかたですから。
でもですね、「鎌倉物語」に関してならば、このフレーズの解釈は成り立つと思っています。シングルカットはされていないものの、これだけ多くの人に愛され続けてきた名曲で、メロディーと歌詞に破綻が無い以上、たとえ後付けと言われようと「このフレーズはこういう風に読み取れる」という解釈はあり得るはず。
私の読解力が足りないだけなんです!(力説するところじゃないですね)
ネットで公募とかしたら、万人を唸らせるような解釈が、きっと出てくと思うんですよ。
鎌倉よ何故 夢のような虹を遠ざける
どなたか解釈を教えて頂けませんでしょうか。
もし学校の先生だったら、毎年生徒に出題してみるのですが。
※歌詞全体はこちらで確認下さい。
以上 ふにやんま