上遠野郷
2015年11月11日19時07分
沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は11日、県庁で記者会見し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設先とされる同県名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを撤回するよう是正を求めた石井啓一国土交通相の指示を拒否すると表明した。国交相は13日までの是正を求めており、知事に代わって国が埋め立てを承認する「代執行」の手続きに沿って、国は近く高等裁判所に提訴する見通しだ。
翁長氏はこの日、石井国交相宛てに「承認取り消しは適法である」として指示に従わないことを伝える文書を送付。会見では「一連の政府の対応は、地方自治の本旨に照らしても極めて不当であり、今日の事態に至ったことは誠に残念」と批判した。指示の拒否によって法廷闘争が確実になったことについては「基地のあり方、環境保全、沖縄の置かれている位置などを、一つ一つしっかり訴えたい」と述べた。
翁長氏は10月13日、前知事による辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消した。国は取り消しの効力を止めて埋め立て本体工事に着手する一方、同27日に「代執行」に向けた手続きに着手。地方自治法は、代執行を行うには是正勧告、是正指示を出した上で高裁に訴えることを定めており、石井国交相が同28日に是正勧告を、11月9日に是正指示を翁長氏に出していた。(上遠野郷)
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