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【格闘技】

田中恒成が大みそかに初防衛戦

2015年11月11日 紙面から

世界タイトルマッチが決まり、対戦相手の写真を持ちポーズを決めるWBO世界ミニマム級王者の田中恒成=名古屋市内で(畦地巧輝撮影)

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 KO防衛あるのみ−。ボクシングのWBO世界ミニマム級王者・田中恒成(20)=畑中=が10日、名古屋市内で会見を開き、12月31日に行われる初の防衛戦のKO勝利を宣言した。挑戦者も同4位のビック・サルダール(25)=フィリピン=に決定。日本選手最速の5戦目で世界王者に輝いた田中が、大みそかのリングで暴れ回る。

 「今回はKOをテーマに戦います」−。田中は自信に満ちた表情で口を開いた。5月の世界戦から半年。フィジカル面を大幅にパワーアップさせてきたという。強化の詳細は語らなかったが、「パワーはかなり上がっている。どこまでかは試合当日に見ていただくまでのお楽しみです」と不敵に笑った。

 畑中清詞会長(48)も「恒成はまだ成長期。体もどんどん大きくなっている。まずはサルダールをぶっ倒すことに集中するが、ゆくゆくは2階級、3階級という夢は持っている」と断言。体重を増やし、上の階級の挑戦もにおわせた。

 防衛戦の相手となるサルダールは、本名からもじった「Vicious」(凶暴な)という異名を持ち、その名の通り左右ともに鋭いパンチが持ち味。2010年広州アジア大会で、12年ロンドン五輪ライトフライ級金メダルの鄒市明や、同アジア予選で井上尚弥を破ったビルジャン・ジャキポフらと戦い、銅メダルを獲得。プロ転向後は12戦11勝(9KO)の成績を残す実力者だ。

 まだサルダールの試合動画などは目にしておらず、今後は本格的な解剖に着手。田中は「試合に向けて、これから研究していきたい」とその準備に余念はない。

 7日、祖父の田中健裕さん(享年73)が急性心筋梗塞で亡くなり、前日に葬儀を済ませた。ボクシングを始めたころから毎日、田中をジムまで車で送迎。試合は必ず見に来てくれていた。

 「いつも一番に応援してくれていた。チャンピオンとしてのボクシング人生の始まりの試合。必ず勝って、いい報告ができるようにしたい」。最愛の亡き祖父に1勝をささげるべく、田中がパワーアップしたフィジカルで初防衛戦を堂々のKO勝ちで飾る。(安達健)

 

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