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【プロ野球】

今江、涙のFA宣言 一筋14年のロッテを退団へ

2015年11月11日 紙面から

14年間在籍したチームを離れることを決断し、涙を流すロッテの今江=QVCマリンフィールドで(小林良二撮影)

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 フリーエージェント(FA)権行使の申請期間が10日で終了。ロッテの今江敏晃内野手(32)が、QVCマリンフィールドで記者会見し、FA権の行使を表明した。球団は宣言残留を認めておらず退団は決定的。国内球団からのオファーを待つ。海外も含めて移籍可能な海外FA権の行使を表明したのは、今江、ソフトバンクの松田宣浩内野手(32)、広島の木村昇吾内野手(35)の3人。移籍先は国内のみの国内FA権は西武の脇谷亮太内野手(34)、中日の高橋聡文投手(32)が行使を表明。11日にコミッショナーからFA宣言選手として公示され、12日から契約交渉が可能となる。

 ロッテ一筋14年。両手で目頭を押さえた今江が声を絞り出した。「たくさんの数え切れない思い出がある。チームにはメチャクチャ愛着がある。今は寂しい気持ちが大きい」。2度にわたる球団との残留交渉も、条件面で折り合わず。「そこもしっかりと受け止めた結果」と、申請期間が終わる日の朝まで熟考し、ロッテとの決別を決意した。それでもあふれる涙…。今江の心の葛藤を物語っていた。

 宣言残留を認めないのがロッテのスタンス。功労者の今江であっても、それは変わらない。林球団本部長は「痛手ではあるが選手の権利。宣言した以上チームに残れない方針は変わらない」と説明。今江の穴は内野陣を再構築することで鈴木、中村らでカバーするとみられる。

 宣言が退団を意味することは今江も理解している。だからこそ「人生の中で一番悩んだ」と打ち明けた。移籍先の選択肢に海外はなく国内からのオファーを待つ。「自分を必要としてくれるところに行きたい。声を掛けてくださった球団と話をして決めたい」と語った。

 今江はPL学園から02年ドラフト3巡目で入団。「ミスターロッテ」有藤通世の背番号8を受け継いだ2005年には、日本シリーズでMVPを獲得。10年の同シリーズでもMVPに輝き日本一に貢献した。今季は左手首の骨折による長期離脱があったが、98試合の出場で打率2割8分7厘の成績。CSファーストステージ第1戦では決勝3点二塁打を放ち、ファイナルステージ進出の立役者となった。

 「野球人なのでどこであろうと、また応援してもらえるようにやっていきたい。今までにない今江敏晃を出していきたい」。今季FA市場の目玉だが、年俸(2億円)、Aランクとハードルも高い。何球団が名乗りを上げるか。12日からの動きに注目だ。 (小林良二)

 

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