フリーランスにとって事業専用のメールアドレスは必要か?
個人事業主として働くとき、メールアドレスにまで気を配っていますか?特に副業として働いている人は、個人的なアドレスをそのまま使っている人も多いでしょう。また、クラウドソーシングで仕事を請け負っている場合はサイト上でやりとりをするので、メールアドレスが相手に知られることはありません。
しかしながら、フリーランスとして仕事をしていくなら名刺を渡す機会もありますし、直接、クライアントとメールでやりとりをすることも考えられます。Web上でやりとりをするとき、メールアドレスはあなたの名前同様のものとなりますので、クライアントはしっかりと確認・チェックしています。
仕事が少ないうちは個人的なメールアドレスでも対応できるかもしれませんが、本格的にフリーランスとしてやっていくなら事業用とプライベートを分けて連絡を混在させないようにした方が良いでしょう。
フリーランス用メールアドレス〜ローカル部分について〜
メールアドレスは、「ローカル@ドメイン」の形で構成されています。仕事で使用されるメールアドレスのローカル部については、その使用目的により、「個人名」「屋号」「企業名」「info」など、もしくはこれらの組み合わせとなることが多いようです。
ローカル部については、使用できる文字に制限があるくらいで、かなり自由度は高くなります。以前、仕事上でメールアドレスの交換をさせていただいたときに、「katudon_daisuki@~」という、少し“ウケ”を狙ったローカル部にされていたものがありました。
確かにメールアドレスの交換時にその話題で盛り上がったことを覚えています。こういった多少奇をてらったものも、よほど相手に「?」と思われない限り、印象を残すといった観点から見れば「あり」だと思います。
フリーランス用メールアドレス〜ドメイン部分について〜
一方、ドメインの部分はどうでしょう。多くの企業が採用しているのは「.co.jp」、「.com」、「.net」、「.jp」です。これに加え、最近「.biz」「.or.jp」なども見られるようになってきました。
ある統計によると、これらのドメインのうち一部上場企業の98%が「co.jp」を使用しているそうです。ドメインによって登録可能対象者や個数が異なっていることはご存じでしょうか?例えばこの「co.jp」は日本国内に登記のある企業しか登録できず、しかも登録できるドメインは1組織につき1つだけなのです。そういった制約によって、日本企業のイメージである「安心感」「信頼感」といったよい印象をドメインの中で表しています。
次に「.com」、「.net」は、企業・個人に関わらず、何個でも登録できますが、企業のドメインとしては多少弱いかも知れません。ただ、個人で使用した場合には、多少「信頼」感が生まれるような感じがします。また「.jp」も同様ですが、日本に住所がある必要があります。見ていないようで見ているのがメールアドレスのドメインです。“見られている”ことを意識しながら、ドメインを選ぶ必要がありそうです。
Gmailはふさわしくない?
仕事専用のアドレスを作る際、Gmailでもいいのか、というのはよく議論になるポイントです。Gmailは使いやすいため広く普及していますが、フリーメールのためビジネスの場ではふさわしくない、とみなされることがあります。気にせずに使っている、という人もいますが、中にはGmailのアドレスを使っているフリーランスは信用しない、と言い切るクライアントもいるようですので注意しましょう。
これはGmail自体に問題があるわけではなく、個人事業主として必要なことにお金をかけていないのはビジネスパートナーとしてどうなのか、という点が疑問視されるためです。たとえば、もし独自ドメインのメールアドレスを取得しているフリーランスと、Gmailを使っているフリーランスがいた場合、どちらが仕事をしっかりこなしていると見られるでしょうか。独自ドメインのメールアドレスを維持するには経済的な負担もありますが、そういったところにお金をちゃんとかけられるかどうか、というところが見られているというわけです。
フリーランスにとって重要なことは、自分をいかに「ブランディング」するかです。ブランディングとは、「この仕事ならあの人にお願いしたい」と多くの人から思われるまでに自分の価値を高めること。そのためには他人からどう思われるか、というところも非常に重要なポイントとなってきます。そのため、独自ドメインを取得してWebサイトとカスタムメールアドレスを用意するのも、忘れてはならないブランディングの一環なのです。
独自ドメイン名の決め方のポイント
◯ できるだけ短く
◯ 誰にでも直感的にわかりやすく・覚えやすく
◯ 自社の業種がわかるようにする
◯ 会社名・サービス名がわかるようにする
独自ドメインのメリット
◯ 好きな単語を使える
◯ 検索エンジン最適化(SEO)に効果的
◯ ブランディングに効果的
◯ イメージアップに繋がり、信頼が得られる
◯ 独自のメールアドレスが持てる
会社名・サービス名を決める時もドメイン名を念頭に入れる
今の時代、会社名を決める前にドメイン名を先に決めるのも少なくないかと思います。インターネットでビジネスを始めるリテラシーの高い人なら尚更。
誰が見てもわかりやすい・覚えやすい単語を使った独自ドメインを使えば、会社名もわかりやすく・覚えやすくなる。会社名は同じ名前の会社さんが他にあっても良いですが、独自ドメインの取得は同じ名前が他にあったら取得できなくなりますからね。独自ドメインの取得は早い者勝ち、競争があるので、優先度早めで対応しておきたいタスクです。
独自ドメイン取得の費用
勿論、独自ドメインを取得するにはお金が掛かるのですが、決して高くはありません。年間1,000円程度です。
独自ドメイン取得の方法
ドメインを取るには、ドメイン取得業者を利用するのが一般的です。それぞれに取得できるドメインの種類やサービス内容が違うので、自分のビジネスに合ったものを選びましょう。
<ドメイン取得業者の例>
◯お名前.com http://www.onamae.com/
◯ムームードメイン https://muumuu-domain.com/
◯スタードメイン http://www.star-domain.jp/
ドメインはすでに取得されているものは利用できないので、まずは空き状況を確認する必要があります。ドメイン取得業者のサイトから空いているかどうか検索ができるので、試してみましょう。「.com」などは広く普及しているためすでに取得済みになっているケースが多いですが、新しく運用開始となった「.xyz」などは比較的空きが多く、自由な選択肢が残されています。
最後に
メールアドレスの準備ができたらホームページや名刺も作成し、どんどん自分のPRとブランディングを進めていきましょう。仕事の実績をPRするにはポートフォリオも有効です。たくさん準備することがあって大変ですが、何事も出だしが肝心! ビジネスチャンスを逃さないため、よく考えてメールアドレスを用意しましょう。