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記者会見の最後、直前の厚労省への申し入れを受けて、尾藤氏は、
「日本は、貧困化が進んでおり、生活保護が唯一の砦です。でも、(政府は)崩そうとしています。何がこの国の地盤を支えるのでしょうか? 崩壊しかかっている状況です」
「社会保障全体の底上げをはかることこそが、今の日本に求められていることです。当事者は、それを自覚しています。しかし政府には、自覚がありません」
「今日(の申し入れ)も、課長さんと基準係の方がいらっしゃいました。私は『財政当局は、いろんな圧力をかけてくるかもしれませんが、厚労省は生活を守ることが役割です、生活を底上げするべきではないでしょうか』と言いました。でも(厚労省職員には)真剣な眼差し、真剣な気持ちが認められませんでした」
と述べた。
数多くの子どもが、育ちと学びの機会を得て力ある大人となり、大人になった後は「自分の力を使って、働いて貢献を認められ、稼いで、納得できる納税をしたい」と考え、実際に実行できること、それを支えることこそが、政府の役割であろう。
厚労省に足繁く出入りし、顔見知りの職員が多数いて言葉を交わす機会も多い私は、厚労省職員に対して「真剣でない」と言う気にはなれない。しかし、自分たちの行う政策の結果が何をもたらしているのかには、もう少し関心を抱いていただけないかとは思う。帳簿上の数字の問題ではなく、場合によっては人の生き死にを左右する問題であるという実感を持った上で、政策を決定していただくことはできないものだろうか?
なお、記者会見終了後、記者たちは実行委員や生活保護利用者たちに対し、熱心に直接の取材を行っていた。取材の結果が、遠からず記事として多くの方々に読まれることを願う。
次回は、生活保護利用者に対する就労促進の「今」についてレポートしたい。2013年の生活保護法改正と生活困窮者自立支援法は、どのように就労促進を進めているのだろうか? 期待された成果は、実際に挙がっているのだろうか?