【バック・トゥ・ザ報知映画賞】第24回(99年)主演男優賞・三浦友和

2015年11月11日11時30分  スポーツ報知
  • 百恵さんと受賞のお祝いをした記憶がない。「自分たちのことより、他人の誕生日とかのほうが盛大」と話す三浦友和

 この年、高倉健さんの「鉄道員(ぽっぽや)」が実写邦画2位のヒット。その健さんを抑え、受賞。「大変光栄なこと。予算は10分の1くらいだし、公開館数も少ない。こういうものを見てくれているんだ、とありがたくて」。「M/OTHER」(マザー=諏訪敦彦監督)はバツイチ男と恋人(渡辺真起子)の気ままな同せい生活に、男の息子が加わった“家族”の物語。優しいが、自分勝手な中年男を演じた。

 当時47歳。山口百恵さんと共演した「伊豆の踊子」や「赤いシリーズ」など、20代の二枚目路線とは対照的な役だ。もう一つの受賞対象作品「あ、春」(相米慎二監督)でも、ぶっきらぼうで怪しい雰囲気を漂わせる。俳優として一皮むけたのは85年、33歳の時。「台風クラブ」(相米監督)で女ったらしの中学教師を演じ、報知の助演男優賞を受賞した。

 「二枚目とは違う、面白いものをやりたい欲求が強かった時期。やりがいとはこういうことなんだ、と。目覚めたんですね」。一方で、こうも言う。「今もお手紙をくださるファンがいらっしゃる。赤いシリーズとかのDVDを『楽しみに繰り返し見てます』と。でも、そこに『台風クラブ』のことは一切書かれてなくて、20代の二枚目のことだけ。当時のファンをどこかで裏切ってしまったのだな、という気持ちはあるんですね。高倉健さんのような生き方ができなかった」

 世間が抱くイメージを生涯、貫くことの難しさ。真っ先に思い浮かべるのは「海峡」(82年)で共演した孤高の大先輩。「健さんは日本男児はこうあるべきだ、イメージを壊すことが日本国民を裏切ることになる、というぐらいの覚悟があった。だから僕らは健さんを尊敬するのです」

 85年は公私において転機となった。次男の俳優・三浦貴大(たかひろ、30)が生まれたのだ。貴大は10年、デビュー作「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」で報知の新人賞を受賞した。「1人で新宿に見に行きましてね、自分の息子ながら、これはすごい、と。大きな画面にしっかり収まっていた。俳優を選んで間違っていなかったって」。近い将来、親子同時受賞の期待もふくらむ。「芝居って七転八倒して自分でつかむしかない。賞をもらって芝居がうまくなったと思った時、俳優は終わる。到達点は絶対にない。これからの親子の頑張り次第ですね」(関野 亨)

 ◆三浦 友和(みうら・ともかず)1952年1月28日、山梨県生まれ。63歳。72年、ドラマ「シークレット部隊」で俳優デビュー。74年、山口百恵さんの相手役に選ばれ「伊豆の踊子」で映画初出演。80年、百恵さんと結婚。長男・祐太朗(31)は音楽活動を行う。来年公開の映画に、前・後編の「64―ロクヨン―」「葛城事件」など。

報知映画賞
  • 楽天SocialNewsに投稿!
芸能
報知ブログ(最新更新分)一覧へ
今日のスポーツ報知(東京版)