プロ野球の賭博問題で日本野球機構(NPB)の調査委員会が調査結果を公表した。これまでに関与が認められた巨人の3投手以外に該当者はいなかったという。3人は無期の失格処分となった。

 プロ野球界には、かつて「黒い霧事件」があった。この歴史を踏まえれば、試合の公正さに自ら疑いを招く行為は厳禁のはずである。3人は、あまりに自覚がなさ過ぎた。

 調査委は重要な関係者から聞き取りで十分な協力が得られず、携帯電話の提出も受けられなかったという。警視庁は任意の事情聴取を行っている。これで幕引きとせずに、今後も全体像を明らかにする努力を続けるべきだ。各球団にも自己点検の徹底を求めたい。

 調査委はまた再発防止策として、有害行為や処分を定めた野球協約についての研修や、賭博常習者の選手らへの接触に関しての球団間の情報交換などを提案した。始められるものは、すぐに始めてほしい。

 12球団合同の新人研修が開かれているが、2年目以降も実施してもらいたい。巨人が実施することにした契約更改時の暴力団排除講習は、ほかの球団にとっても参考になる。大切なのは教育活動を継続して、この問題の教訓を風化させないことだ。

 巨人の調査では、選手たちの間で金銭を賭ける行為が頻繁に行われている実態が明らかになっている。

 2軍の練習後の球場のロッカールームでは、「大富豪」「ポーカー」といったトランプに1回1万円がかけられていた。全国高校野球選手権大会などでは1口5千円から1万円で、結果によって「賞金」が分配されるやりとりがあった。

 これは見過ごせない。取り返しのつかない問題に発展する土壌にもなりかねない。金銭授受を伴う賭け事の全面禁止に踏み込むのは当然だ。

 アマチュア側にもできることがある。東京六大学野球連盟は、ドラフト指名された選手を集めて研修を開く。突然、見たこともない大金を手にする選手に、税や法律面での知識を伝える初めての試みは12月の予定だ。日本高校野球連盟でも同様の研修を模索してはどうか、という声が出始めた。

 早い段階で社会のルールや自分の周囲に潜む落とし穴を学ぶことで、不祥事の芽を未然に摘み取ることができる。

 今回の問題はプロ野球界の問題ではある。だが、野球の将来を考えたとき、野球界全体で対処することが必要なはずだ。