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 アフガニスタン南部のザブール州で、反政府勢力タリバーン内部の権力闘争が戦闘に発展し、地元メディアによると、10日までに双方合わせて少なくとも100人が死亡した。

 タリバーン内部では今年7月、最高指導者オマール幹部が2年前に死亡していたことが明らかになり、後継者となったマンスール幹部と、同幹部の就任を拒否する有力者らの対立が表面化。今月初めには、反マンスール派が元ニムローズ州知事のムハマド・ラスール幹部をトップとする独自の指導部樹立を宣言した。

 タリバーン筋によると、反マンスール派の実力者で、ラスール幹部に次ぐナンバー2のダドゥラ幹部のザブール州内の支配地域に対し、マンスール派が5日、総攻撃を開始した。反マンスール派に身を寄せていた中央アジア系のウズベク人武装勢力を巻き込み、衝突が拡大した。

 ウズベク人勢力は中東の過激派「イスラム国」(IS)に恭順を示したことがあり、数カ月前に拉致した少数派シーア派の住民7人を戦闘途中に殺害した。タリバーンは捕まえたウズベク人を報復として処刑したと伝えられている。(イスラマバード=武石英史郎)