先週末、韓国各地で30ミリから200ミリの雨が降った。渇水が深刻だった忠清道地方にも60-70ミリの雨が降り、久々に大地を潤した。しかし、渇水の解消には到底足りない。忠清南道にある保寧ダムの場合、今回の雨で9日朝までに貯水量が2%ほど増えたにすぎない。大清ダムもわずか0.2%増えただけだった。
今となっては来年の夏まで、これ以上まとまった雨は期待し難い状況だ。渇水対策を雨雲にばかり任せてはおけない、ということだ。長期的・短期的な対策を講じなければならない。当面の急務は、4大河川(漢江・洛東江・錦江・栄山江)事業で確保した水を渇水地域に送る用水供給システムの構築だ。錦江の公州堰(ぜき)と礼山の礼唐貯水池を連結する事業(30キロ)も、今すぐ着工しなければ、来年4-6月の農繁期に備えることはできない。
老朽化した水道管のせいで地中に消える水道水は、年間およそ8億立法メートルに上る。この漏水を止めるだけでも、用水ダムを16カ所作るのと同じ効果がある。比較的短期間で成果が現れる事業ともいえる。韓国環境公団が2010年に江原道寧越・旌善で老朽水道管を整備した結果、寧越郡では66.6%も漏水していたのが7.9%に減り、旌善郡でも65.2%から9.6%に減った。
今回の渇水は、10-20年先を見越して対応能力を高めるべきだと教えている。環境部(省に相当)・気象庁が出した気候変動の評価報告書によると、このところ韓半島(朝鮮半島)では4-6年周期で深刻な渇水が発生し、また渇水の周期も徐々に短くなってきている。山間地域では水をためる中小規模のダムを増やし、各地の貯水池でも堤防を高くして貯水量を増やさなければならない。4大河川の後続事業だとして野党が反対している支流・支川事業も、急ぐべき場所から着手しなければならない。
最も効果的な対策は、やはり節水だ。水の使用量を減らした自治体や家庭にインセンティブを与えれば、効果があるだろう。原価の83%にとどまる水道料金を現実に合わせるという案も、検討する必要がある。