もう一つの戦争 番外3
3. 荻外荘(てきがいそう)
3月11日、東北大震災一周年の慰霊祭のTV中継を観終わると、俺らは妻と二人で荻窪に向かった。
その日は2月11日に逝った叔父の月命日である。 夕刻の荻外荘の門は、何時もと違う荘厳さを感じた。
告別式の時は、叔父の棺を乗せた車が此の門を出て行くのを、邸内から見送った。出棺は、我が息子隆道が親族と共に車に乗せた。後に感想を訊くと、「重かった」と一言。
本門が堅く閉ざされているので、横の潜り戸を潜る。我等夫婦が5時に来るからと、潜り戸のロックは解除されていた。
ほっと一息つける様になった今日、叔母と叔母の弟、そして甥夫婦の4人で夕食会となったのである。第一回 の叔父を偲ぶ会と言った所か……。
正式な「近衛通隆を偲ぶ会」は4月5日、霞山会主催で霞が関の、霞山会館最上階で催される。
日中親善の為に色々尽力、貢献をした、霞山会名誉会長近衛通隆の偲ぶ会に相応しい、最上階でのお別れ会であり、送り会でもある。
派手嫌いの叔父にとっては、ちと面映ゆい……かも。
つづく
(写真は開門時の荻外荘 夏)
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