「みんなは馬鹿が行く小学校に行くけど、僕は勉強が出来る子が行く小学校に入学するんだ!」これは筆者が実際に目にした光景で、5歳の男児が友達に放った言葉です。
恐ろしい言葉です。まだ幼いのに能力で人を差別する心が育ってしまっています。
では一体なぜ、こんな言葉が子どもの口から出てしまうのでしょうか?
今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が“子どもは良きも悪しきも親の後姿を見て育つ”についてお話します。
■子どもの思考回路は「親の考え」を受け継ぐ
“地元の公立小学校に行くのは頭の悪い子、頭の良い子は国立や私立小学校に通う”、この考えを子どもが元々持っていることはあり得ません。夫婦の会話を聞いていたか、もしくはママや他の大人が一度でも子どもに放った言葉のはずです。
こういった会話を子どものいる前ですることは“自分より出来ない人間を見下す心”を育むことにつながります。
「人には優しくしなくてはならない」「思いやりの心を持ってほしい」と美辞麗句を並べ立て高尚な子育てポリシーを持っていても、ふと発した言葉を子どもは真に受けてしまい、実際には先に紹介したような言葉を口にする子に育ってしまうのです。
親の思いとは裏腹で、これでは本末転倒ですよね。
■“はずれ先生”に当たっても子どもに絶対言ってはならないコト
幼稚園、保育園、小学校、習い事教室において、資質が高い先生もいればそうでもない先生もいます。
習い事であれば曜日を変える、責任者にクレームを言うことで解消できることもあります。でも担任は変えられません。親子で転園、転校しない限りは最低1年間、我が子を担任に託すわけです。
では、運悪くよくない先生に当たってしまった場合、どうすればいいのでしょうか?
ついつい憂さ晴らしに他のママ友と電話で「ねえねえ、○○先生の対応酷くない?あれじゃあ子どもが可哀想よ」と延々とお喋りする人もいますが、これはNGです。また、家庭でも子どもがいる前で「ねえねえ、パパ聞いてよ。○○先生が……」と悪口を言ってはいけません。
ママの言葉を真に受けた子どもは必ず「この先生は悪い先生、力のない先生」と先生を甘くみたり馬鹿にするようになります。ママの言葉は子どもにとって絶対的なものだからです。
そして、この子どもの態度から“親子から自分がどう評価されているか”ということが担任にビンビン伝わってしまうでしょう。場合によっては担任に嫌われてしまい、子どももそれを感じて悪循環に陥ることも……。
時には不満を誰かに話すことは精神的なバランスを保つためにとても大事なことですが、子どもは毎日その担任の指導を受けるということを忘れないようにしましょう。
いかがでしたか。
子どもは親の思う通りには育ちません。親の後ろ姿、親のしているように育ちます。子どもの前で絶対に言ってはならない言葉があります。どうしても誰かに話をしたい時は子どもが寝た後やいない場所で話をするようにしましょうね。
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