子どものころに好きだったチームと対戦することになり、その想いを相手に伝えようとしたときに冷たくあしらわれれば、ショックを受けるに違いない。ユヴェントスGKジャンルイジ・ブッフォンは、ボルシア・メンヒェングラッドバッハ(ボルシアMG)のサポーターの反応に驚いたことだろう。
イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が報じたところによると、ブッフォンは3日のチャンピオンズリーグ(CL)でボルシアMGと対戦した際、試合後に相手サポーターが陣取るゴール裏スタンドに向かい、自らのグローブとボルシアMGのマフラーの交換を申し出たものの、断られたという。
ブッフォンはボルシアMGというクラブに好意を寄せていたそうだ。一風変わったその理由を、ブッフォンはこう明かしている。
「子供のころにクラブの名前を正しく発音できなくて、だからこそ惹かれていたんだ。今は僕の発音も良くなったと思うけど、まだ完璧じゃないんじゃないかと恐れているよ」
ドイツ人ではないブッフォンにとって、「メンヒェングラッドバッハ」という名前の発音は難しかったようだ。そして彼はこのクラブに興味を持った。だからこそ、初めてドイツの地でそのボルシアMGと対戦することになり、記念の品をサポーターにリクエストしたのだろう。ところが、返ってきた反応は冷たいものだったのだ。
だが、ボルシアMGのサポーターが試合直後にブッフォンに良い感情を抱けなかったのも、やむを得ないことかもしれない。ユーヴェが退場者を出してから、勝ち越しゴールに迫ったボルシアMGだが、ブッフォンのファインセーブに何度も阻まれたからだ。試合はドローに終わり、ボルシアMGはCLグループステージ敗退が決まった。
それでも、自分たちに好意を寄せるワールドクラスの選手の行為だっただけに、サポーターの中にはブッフォンのリクエストを拒んだことへの批判の声も上がったそうだ。これを受け、サポーターグループは「ブッフォンの気持ちを知らなかった」と釈明。そのうえで、「落胆していたサポーターの振る舞いも理解できるものではないだろうか」と訴えた。
なお、『ガゼッタ』によると、その後ブッフォンにはドレッシングルームでサポーターからのマフラーが届けられたとのこと。ボルシアMG側は「ブッフォンは素晴らしい人物であり、我々に対して良い思い出を持っていてもらいたい」としている。ただ…。
「試合ではいくつかのセーブを温存してくれてもよかったんだけど…」。