さらに、後継の国産ジェット「P1哨戒機」は、巡航高度と速度が約1・3倍、航続距離が8000キロで約1・2倍になった。多機能・高性能化した最新機材により、探査能力は格段に向上したとされる。
現在、南シナ海では、米海軍のイージス駆逐艦と、中国のミサイル駆逐艦がにらみ合っている。海中でも、米中の攻撃型潜水艦が熾烈な攻防戦を展開しているとされる。今後、同盟国・米国が、日本のP3C部隊やP1部隊に協力を求める可能性はありそうだ。
「航行の自由作戦」の立案に深く関わった米太平洋軍のハリー・ハリス司令官も今年6月、日本メディアとの会見で、「(南シナ海は)公海であり、領海ではない」と指摘したうえで、海上自衛隊の哨戒活動を「歓迎する」と語っている。
軍事情勢に詳しいフォトジャーナリストの菊池雅之氏は「P3C部隊の能力は、隊員の技量に加え、機体のスペックやデータも重なり、世界屈指といえる。P1部隊もすごいが数が少ないので、南シナ海の警戒・監視活動を行うとすればP3C部隊だろう。同海域は日本のシーレーンであり、『航行の自由』がなくなれば日本は立ち行かなくなる。自衛隊派遣となれば、合同訓練を行ったフィリピンに拠点を置くはずだ。整備基地の準備などを考えると、早くても来年夏以降ではないか」と語っている。