月例経済報告:景気判断1年ぶり下方修正…10月

毎日新聞 2015年10月14日 19時23分

 政府は14日発表した10月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を「一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」に下方修正した。政府が公式見解として基調判断を引き下げるのは昨年10月以来1年ぶり。9月は「一部に鈍い動きもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」だった。中国経済の減速の影響で生産や輸出が弱含んでいるうえ、個人消費の回復も鈍いため。

 甘利明経済再生担当相が14日の関係閣僚会議に提出した。内閣府は9月の月例経済報告で、基調判断の表現を8月から後退させながらも、判断の方向性は示さない異例の対応をとった。しかし、最近の景気状況を踏まえ、認識の修正を迫られた形だ。

 甘利氏は閣僚会議後の記者会見で「緩やかな回復基調が続いているという(景気の)基調は変わらない」と強調。景気対策の必要性については「この下方修正をもって言及するのは時期尚早」と述べた。

 個別項目では、生産を「このところ横ばいとなっている」から「このところ弱含んでいる」に引き下げた。【横田恵美】

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