体力・運動能力調査:体格の差は体力・運動と相関浮き彫り

毎日新聞 2015年10月11日 22時44分(最終更新 10月12日 12時32分)

体力・運動能力調査
体力・運動能力調査

 「肥満」と「やせすぎ」の成人は、体力も運動能力も低い−−。スポーツ庁が11日発表した「2014年度体力・運動能力調査」では、体格の差が体力・運動と相関している実態が浮かんだ。体格は日常的な運動の有無と密接に関係し、同庁の担当者は「健康や体力の保持・増進にはスポーツが重要であることが改めて示された」と話している。

 同庁は今回、肥満度を表す「体格指数(BMI)」と、各種目(握力や持久走、反復横跳びなど)の合計点との関係を初めて調べた。合計点を高い方からA〜Eの5段階に分類すると、成年(20〜64歳)の男性の場合、AとBの合計は「普通体重」が45%だったのに対し、「肥満」は35%、「低体重」は27%と低かった。女性も同様に肥満と低体重が低かった。

 BMIは肥満度の指標として国際的に使われ、「体重(キロ)/<身長(メートル)の2乗>」で求める。日本肥満学会の基準では、▽18.5未満=低体重▽18.5以上25未満=普通体重▽25以上=肥満−−とされ、22が「標準体重」で最も病気になりにくい状態とされる。

 一方、同庁は高齢者(65〜79歳)の運動の頻度と体力の関連も調査した。「休まずに1時間以上歩ける」と答えた人の割合は、運動を「ほとんど毎日」している男性の74%、女性の61%だった。運動を「しない」という男性では44%、女性は31%で、男女ともに30ポイントの差があった。

 何かにつかまらずに立ったままズボンやスカートがはける人の割合は、運動を「ほとんど毎日」している男性の85%、女性の82%だった。運動を「しない」人では男性の69%、女性の67%だった。

 同庁によると、運動の推進で医療費を約8%削減できるとの研究結果があり、「スポーツを始め、継続できるような身近な条件整備を進めていきたい」と話す。【三木陽介】

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