2015年11月09日

新小牧市立図書館建設計画に対する民投票から1ケ月が経過して

 10月4日現在の図書館建設計画に関する住民投票が行われてから1ケ月が経過いたしました。
(住民投票の結果)
投票率50.38%
賛成24,981票(43.58%)
反対32,352票(56.43%)(以上)
 住民投票の結果は、山下市長が主導した、小牧市における「いわゆるツタヤ図書館」建設計画に対し、住民は「ノー」と判断したのであります。
 
 住民投票から1ケ月が経過いたしましたが、この間における、山下市長の言動を中心とした小牧市の動向アドバイザリー業務委託業者である、CCC(カルチャ・コンビニエンス・クラブ)・TRC(図書館流通センター)の動向を整理するとともに、それぞれについて、こまき無答塾管理者のコメントを記述いたします。

★住民投票直後の山下市長の発言
 10月5日未明に行われた記者会見で、山下市長は挨拶で次のように発言いたしました。
(山下市長の挨拶の冒頭部分)
 市民の皆様には、この度の住民投票にご協力をいただき、ありがとうございました。
 さて、住民投票の結果は、現在の新図書館建設計画に対して、「反対」が「賛成」を上回りました。まずはこの結果について、市長として、しっかりと真摯に受け止めたいと思います。
 その上で、現在の計画について、なぜ市民の皆様の多数が「反対」と判断したのか、ということについては、この投票結果からは判断することができません。
 したがって、一度立ち止まって、現在の計画について具体的にどこがどう問題なのか、ということについて、今後、職員のみならず広く市民の皆様を交えて、丁寧に検証していかなくてはならないものと考えています。


➡➡➡こまき無答塾管理者のコメント
 「現在の計画について具体的にどこがどう問題なのか・・・」「丁寧に検証していかなくてはならない・・・」と、情けないことを言っています。
 反対した多くの市民は、(1)武雄市図書館の評判に山下市長が目を付けたこと(2)図書館の管理運営を強引に、小牧市直営から指定管理者(CCC・TRC共同事業体)に変更したこと(3)8月17日に基本設計(案)をパブリックコメント案件として公表するまで、市民に対して一切の説明することも、市民の意見を全く聞くこともなく進めたこと(4)住民投票が実施されるのを受けて、事実と相違する嘘の説明を職員にさせ、市民をだましたことに反対したのです。
 このように、現在の新図書館建設計画に対する反対だけでなく、山下市政そのもののあり方に反対したのです。

★CCCおよびTRCの動き
 小牧市における住民投票において、反対票が上回ったことを受けて、10月20日に、CCCはホームページに、次のお知らせを掲載いたしました。
(CCCのホームページより)
 新小牧市立図書館 アドバイザリー業務委託契約について、2015年10月20日 カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(以下CCC)が、CCC・TRC共同事業体として愛知県小牧市と現在契約中のアドバイザリー業務は、契約を解消する方向で進めています。
 なお、契約金につきましては、発生をさせない考えでありますが、今後市と協議を進めてまいります。 
             カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
(以上)
※文中の「契約金につきましては、発生をさせない考えで・・・」は、「違約金を発生させない・・・」の間違いかも知れません。

 また、10月26日付けの文化通信の報道によれば、「図書館運営に対する理念の違い」という見出しで、「カルチャア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と共同事業体を構成し、海老名市立図書館(神奈川県)の指定管理者となっている図書館流通センター(TRC)・石井昭社長は、本紙の取材に対して、今後、CCCCと共同で図書館事業を行わない考えを明らかにした」と報じています。
 また、オープンして間もない海老名市立図書館についても、石井社長は「離脱する方向で検討したい」との考えを示したと報じています。

➡➡➡こまき無答塾管理者のコメント
 CCCは、「いつまでも小牧市と係わっておれば自社のマイナスイメージに繋がる」という判断であり、企業防衛の視点から当然の動向であります。
 また、小牧市をはじめ多くの自治体図書館の窓口業務を受託しているTRCも、「CCCと共同で図書館事業を行えば、自社のマイナスイメージに繋がる」という判断であり、企業防衛の視点から当然の動向であります。

★小牧市議会への協力要請
 10月20日小牧市は小牧市議会の澤田勝已議長あてに次の協力要請をいたしました。
(協力要請書の内容)
 小牧市は、10月4日に実施された「現在の新図書館建設計画に関する住民投票」において、「反対」が「賛成」を上回る結果となったことを受け、今後、市議会の意見を聴いたうえで現在の計画の検証を行うため、市議会に協力要請を行った。
 また、現在契約中の基本設計業務及びアドバイザリー業務は、それぞれの受注者と協議の上、契約を解消する方向で進めている。
1. 現在の計画の検証
(1)検証方法:市議会の意見を十分にお聴きしたうえで決定する
(2)市議会への協力要請日:10月20日(火)

2.現在の契約について
(1)アドバイザリー業務
@受注者:CCC・TRC共同事業体
A契約期間:平成26年9月1日〜平成27年10月30日
B契約金額:2,095,200円(税込)
(2)基本設計業務
@受注者:鞄建設計名古屋オフィス
A契約期間:平成27年1月23日〜平成27年10月30日
B契約金額:46,440,000円(税込)

3.契約解消について
上記業務は、住民投票が実施されることになったため、9月11日から作業を中止していた。住民投票の結果、今後、現在の計画の検証作業を開始するにあたり、設計委託契約等を解消することが適切であると判断した。
契約解消方法及び契約解消による支払金額などの内容については、受注者と協議のうえ、決定する。
(以上)

➡➡➡こまき無答塾管理者のコメント
 山下市長は、窮した時に度々「議会の議決を得た」「大多数の議員は賛成した」など、議会を持ち出しますが、今回も議会に対して助け舟を要請したのであります。
 この場におよんで、何を検証したいのか全く理解できませんが、仮に検証をすることを了とすれば、その結果は、山下市政の欠陥が次々に明らかになるだけであります。
 
 また、検証に関して、5日未明の記者会見における発言「今後、職員のみならず広く市民の皆様を交えて、丁寧に検証していかなくてはならないものと考えています」と、今回の協力要請における文面「今後、市議会の意見を聴いたうえで現在の計画の検証を行うため・・・」とは、食い違っています。

 さらに、「3.契約解消について」において、「設計委託契約等を解消することが適切であると判断した」と記載していますが、設計委託契約の「等」は何のことでしょうか、CCC・TRCのアドバイザリー業務委託契約が含まれているのかいないのか、重要な点を意図的に曖昧にしていますし、そもそも契約解消に関しては、第一に知らせるのは市民であり、議会に対する協力要請書に記載することではありません

 そもそも小牧市において住民投票が行われる状況になったのは、独善に陥り暴走する山下市長を監視できなかった牧政会を中心とする小牧市議会の責任であります。
 協力要請に対して、25名の議員がどのような言動で対応するか、厳しい目で監視し、報告をしてまいります。

★アドバイザリー業務および基本設計業務の契約解消
 11月2日になって、やっと、ホームページの「新図書館建設・取組みの経過」に、10月30日付け「新小牧市立図書館建設アドバイザリー業務及び新小牧市立図書館建設工事基本設計業務の契約解消」という項目が追加されました。
 
 10月30日夕方のNHKテレビニュースや、31日の朝日新聞朝刊で、「小牧市が現在の新図書館建設計画に関し、平成26年8月26日に締結したアドバイザりー業務委託契約(CCC・TRC共同事業体)、本年1月8日に締結した設計業務委託契約(日建設計名古屋オフィス)を10月30日に契約を解消した」ということが報道されました。

➡➡➡こまき無答塾管理者のコメント

 おそらく、契約解消については、市長記者会見で報道機関に知らせたものと思われますが(ファックスによる連絡の可能性もあります)、ホームページには、このことに関して何も掲載されておりませんので、相変わらずの「市民置き去り」の山下市政です

 それだけでなく、ニュースや新聞で、「山下市長は検証作業行うが、その中で、CCCとの連携が再浮上する可能性もある」と発言したと報道している点であります。
 
 これは漫画の世界の話しですが、金持ちの目立ちたがり屋のボンボン息子(とある市長)が、お金持ちの男を探しているの女(とあるCCC)が、婚約をして結婚しようとしたが、親戚・友人(とある市民)から、 「目立つ女だが中身は空っぽだ、あんな女と結婚するな、金目当てだぞ・・・」と言われたため、女の方から「このまま、あの男と付き合っておれば、私の方に傷が付く、お金が有っても頼りない男とは結婚したくない・・・」と、婚約解消を言い渡されたのに、目立ちだがり屋のボンボン息子が「親戚・友人の意見を聞いて、一端は婚約解消をするが、何とかして、あの女と再び婚約し結婚したいなあ・・・」と、言っているのと同じですね。

★パブリックコメント結果を公表しないままで
 小牧市は、新小牧市立図書館建設基本設計案に関するパブリックコメントを平成27年8月17日(月)から平成27年9月15日(火)まで実施しました。
 意見募集に際して小牧市は、「現図書館の老朽化や狭隘化などの問題に対応するために建設するものです。さらに、小牧駅前の市有地に建設することで、利用者の利便性向上を図るとともに、中心市街地のにぎわい創出にもつながることを期待するものです。このたび、基本設計(案)がまとまりましたので、市民の皆さんからの意見を募集します」と告知いたしました。

 しかし、住民投票の実施を受けて、「新小牧市立図書館建設基本設計(案)に対するパブリックコメントは、8月17日から9月15日まで実施し、多くの方々から貴重なご意見をいただくことができました。ご意見を提出いただきました方々には、心より感謝申し上げます。
 パブリックコメント結果の公表は、今回の住民投票の結果を踏まえた市の取組方針が決まりました後に行いますので、ご理解いただきますようお願いします」
として、いまだにパブリックコメント結果を公表しておりません。

➡➡➡こまき無答塾管理者のコメント
 パブリックコメントを締め切ってから、間もなく2ケ月が経過いたします、「多くの方から貴重な意見をいただいた」とのことでありますが、その結果を公表しないことについては、全国の自治体ではあり得ないことであり、全く理解できません。
 「住民投票の結果を踏まえた市の取組方針」と、「パブリックコメント結果の公表」と、何の関係があるのかサッパリ分かりません。
 何らかの意図で、結果を公表しないのでしょう・・・。

★「まだあきらめていない・・・」
 小沢国大議員、佐藤大輔議員のフェースブックで、小牧岩倉衛生組合議会(小沢議員・佐藤議員・稲垣守議員・橋本哲也議員・玉井宰議員の5議員)と、山下市長他の市職員が合同で、11月5日〜6日に、大阪府茨木市の環境衛生センター堺市クリーンセンター臨海工場などを視察したことを知りました。

 5日の夜、夕食時に(一杯飲みながらかも知れませんね・・・)、山下市長が「ツタヤ図書館建設について、まだあきらめていない」と発言したとの情報が伝わってきました。

➡➡➡こまき無答塾管理者のコメント
 10月5日未明の記者会見で「まずはこの結果について、市長として、しっかりと真摯に受け止めたいと思います」と発言したのは、真っ赤な嘘であったのですね。
 何よりも、「しつこいストーカーのような男は、一番女性から嫌われるタイプですよ」「山下市長、女性市民から、ますます嫌われますよ」と伝えておきます。
 

★また、税金の無駄遣いを・・・
 12月1日に、平成27年第4回定例会(12月議会)が開催されますが、住民投票結果を受けて、市民に対するアンケートを実施するための予算案を含む補正予算案が提出される模様です。
➡➡➡こまき無答塾管理者のコメント
 予算規模は分かりませんが、全戸を対象としたアンケートの可能性が高いと判断しています。
 選択肢は、@管理運営を民間業者に任せることに反対、A建設費用に反対、B建設場所(小牧駅前の市有地)に反対(順不同)の3つのようです。

 勿論、小牧市議会がアンケート実施に関わる補正予算案を否決することを期待していますが、仮に可決され実施されるのであれば、こまき無答塾管理者から、「C山下市長の市政運営手法に反対」という選択肢を追加することを提言しておきます。
 
posted by お好みシェフ at 13:58| Comment(4) | 地方自治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日経ビジネス11月9日号に「ツタヤ図書館否決も諦めず」と山下市長の記事がある情報が入りました。
恥さらしです。呆れてしまいます。

きちんと情報公開をしないでアンケートを行うのは、
10月4日住民投票を学習していない証し。
せめて、寄せられたパブコメ意見(市の回答は要らない)だけでも公開して欲しいです。
Posted by 驚天動地 at 2015年11月09日 20:06
驚天動地さま
 情報ありがとうございます。
Posted by 堀 孝次 at 2015年11月09日 20:52
雑誌「世界」12月号に、
公立図書館の役割とは?の副題で
虚像の民営化「ツタヤ図書館」という記事がありますが、武雄図書館の問題点が、とてもよくわかる内容でしたよ。
Posted by ボンボン at 2015年11月10日 09:47
ボンボンさま
 貴重な情報を教えていただきありがとうございます。
Posted by 堀 孝次 at 2015年11月10日 09:49
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