宮崎亮
2015年10月26日17時55分
自殺予防のため、電話で悩み相談に応じる「いのちの電話」が若い世代に知られていない。10代の自殺が毎年のように議論を呼ぶ一方で、10代以下からの電話は全体のわずか3・8%。電話の存在を知ってもらうための取り組みが徐々に進んでいる。
いのちの電話は、自殺防止を目的として1953年に英国で始まり、日本では71年に東京で初めて設立された。悩みを抱えた人のための相談電話で、匿名、秘密厳守で実施。日本いのちの電話連盟によると、全国約6800人のボランティアらが全国42都道府県の50センター52カ所で電話相談を受けており、約半数が24時間、年中無休で運営している。
だが、若い世代に活動が知られていないのが現状だ。2014年の相談件数約72万件(「東京英語いのちの電話」を除く)のうち19歳以下は3・8%。06年からほぼ半減した。
関西いのちの電話(事務局・大阪市)では更に深刻で、14年の相談件数約2万4千件のうち19歳以下は2・1%。最多だった40代の10分の1以下で、06年の約3分の1に減った。(相談者は名前や年齢を告げる必要がないので、年代は声の調子や話の内容から推測することもある)
関西いのちの電話の田尻悦子事務局長(58)は、「今年の岩手県矢巾(やはば)町など中学生の自殺の報道に触れる度、相談員らは胸を痛め、悔しい思いを抱いている。若い人の自殺は特に社会に与える影響が大きい。道に迷った時は、電話の存在を思い出してほしい」と話す。
こうしたことから、10代の相談者を意識した取り組みが進む。東京いのちの電話は「メールに親しんでいる若い世代には電話というツールそのものがしんどいのでは」と、06年からインターネット相談を始めた。現在は全国10センターで共同実施しており、相談者の約12%が19歳以下、20、30代と合わせると全体の7割を占める。奈良いのちの電話協会では、09年から子ども専用フリーダイヤル「チャイルドライン」の活動に加わり、子どもが話しやすいようにと心理学を学ぶ大学生らが協力する。
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朝日新聞社会部
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