トップページ科学・医療ニュース一覧歩行助けるロボットスーツ 医療機器承認へ
ニュース詳細

歩行助けるロボットスーツ 医療機器承認へ
11月10日 15時29分

全身の筋力が低下した難病患者の歩行を助ける「ロボットスーツ」について、厚生労働省は医療機器として承認する方針を決めました。体に付けて使用する装着型の医療ロボットが承認されるのは初めてです。
これは10日に開かれた厚生労働省の専門家会議で決まりました。承認されるロボットスーツは、患者が足を動かそうとするときに皮膚の表面に流れる電気信号を検知し、モーターで両足に装着した器具を動かすことで歩行を助ける仕組みで、茨城県つくば市のベンチャー企業が開発しました。
これまで全国9つの病院で24人の難病患者を対象に行われた臨床試験では、ロボットスーツを装着後、決められた時間内に歩く距離がおよそ10%伸びるなど効果が見られたということです。
専門家会議では、ロボットスーツを繰り返し使うことで歩行機能の改善が期待できるとして、筋ジストロフィーやALS=筋萎縮性側索硬化症など8つの難病の患者を対象にした医療機器として承認する方針を決めました。装着型の医療ロボットが承認されるのは初めてです。
国は成長戦略にロボット産業の育成を盛り込んでいて、今回優先的に審査が行われた結果、申請から承認までの期間が8か月と、通常の医療機器よりも審査期間が4か月短縮されました。
ロボットスーツは早ければ来年の春には健康保険が適用される見通しで、厚生労働省は今後5年間、使用実績を調べ安全性や有効性を確認することにしています。

技術を使って治療 大きなインパクト

装着型のロボットが初めて医療機器として承認されたことについて、医療ロボットの普及を進めている「医療機器センター」の菊地眞理事長は、「薬で治せない病気を技術を使って治療するというのは大きなインパクトがある。ヨーロッパではすでに認められている機器がようやく日本でも認められたことは非常に大きな意味がある」と評価しています。
一方で、技術の進展に伴い医療費の高騰が懸念されると指摘したうえで、「医療費が40兆円に上るなか、新しい医療技術、治療が出てきても患者に大きな負担をかけるわけにはいかず、医療制度を今後どうするのか議論していく必要がある」と話しています。

関連ニュース

k10010300391000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ