趣味どきっ! 北欧スタイル 花のある暮らし 第4回▽“赤”で伝える和と洋の心 2015.11.04


北欧デンマークの自然に育まれたみずみずしい感性。
日本で磨かれたこまやかな美意識。
それらが溶け合い新たな花の世界へいざなう。
豊かな色彩とアイデアあふれる彼のアレンジは花そして暮らしを輝かせる。
ニコライ流「花のある暮らし」。
さああなたもご一緒に。
ニコライ・バーグマンさんが作る和のアレンジの数々。
日本で暮らして16年。
出会った花や文化を吸収し表現の幅を広げてきました。
今回はニコライ流「和と洋」。
テーマカラーは赤です。
(木佐)え〜!ニコライさん今日和室なんですか?
(武田)ニコライさんと和室…。
イメージないですよね。
そう?そうでもない?いやないですよ。
なんかね不思議ですね。
イメージないです。
今日はこちらのシンプルなアレンジメントを作ります。
これだけ?そうですこれだけです。
私がイメージする「和」というのはすごくシンプルな感じなので…。
洋風的な普通のグラスの器にスポンジが入っててそれを面白くこのキクを見せたいなというふうに思います。
へえ〜楽しみ。
使うのは1輪のキク。
これでニコライさんが思い描く「和」のイメージを表現します。
これはねゲイラックスっていう葉っぱなんですけれどもこういうふうに切って…。
折り紙みたい。
茎にこう通すような感じにする。
「これ何ですか?」っていう…私サプライズ感が結構好きなのでこういうものが置いてあると皆さんが「これはキクの葉っぱじゃないよな」みたいな感じを近くで見てくれたらいいかなというふうに思うんですけれど。
デンマークでもキクってよく使うんですか?デンマークでも使います。
実は私のおじいちゃんがキクを作ってたんだよ。
(武田木佐)へえ〜!なのですごくいい思い出ですよ。
へえ〜キクを作ってたんだ。
それでちょうどこの辺に…。
器をこういうふうに隠して。
すごくシンプルで「これ何ですか?」という面白み…。
私が感じる和…とてもシンプルで印象的なモダンな和ですね。
今日はこれですよ。
わっかわいい。
いいでしょ?真ん丸。
こういうのがほんとに私が和をイメージするアレンジメントなんですよね。
「和」は真ん丸なんですか?丸とか球体がどうして和のイメージになるんですか?私のデザインのイメージの中ではそういうまとめた丸い形のがなんかそうなんですよね。
イメージなんですね完全に。
アレンジするのは枝分かれしたキクとスモークツリーというフワフワした植物です。
陶器とボールのように丸い吸水性スポンジなどを使います。
一番初めにちょっと長めな感じでステムから切った状態にしてから挿します。
一番最初のポイントはこういうふうにこう挿すんじゃなくてなるべくちょっとこう下から上っていうふうに挿します。
ちょうどおわんにかかるぐらいに。
そうです。
どれくらい近くやればいいんですか?少しだけ隙間が出るような感じに。
なんか今までのより作業としてはしやすそうな感じですけど。
そうですね割と…。
手にこういうふうに入れてパーツにギュッと挿すような感じにします。
あとはいろんな大きさの違うものがあるとそろえやすいんですけれども。
なんかかわいいですね。
いろんな大きさがあると。
ちっちゃいのが。
ねえ。
スモークツリーは小分けにしワイヤーをつけておきます。
隙間見つけたら入れちゃっていいんですか?是非あちこちにあちこちに。
回しながら入れましょう。
スポンジが見えなくなれば完成です。
なじみ深いキクの花もニコライさんにかかると新たな魅力を発見できますね。
では作りましょう。
(武田木佐)はい。
よろしくお願いします。
お願いします。
木佐さんうまく出来るかな?一番奥までいきましょう。
で回して…。
ちゃんと器を回しています。
お〜覚えてるね木佐さん。
ねえ。
4回目ですから先生。
こちらは武田さん。
花の扱いに慣れてきましたね。
隙間が全くないのは…あった方がいい?大丈夫です。
でもこういう上に重ねるのはしない方がいいので。
全部が横にくるように。
花が重なると凸凹になりきれいな丸いシルエットにならないので注意が必要です。
小さめのキクは大きな花の間に挿します。
木佐さんもいい感じです。
あっ花びらが落ちました。
もう一度見てみましょう。
これがキクを扱う時の注意点。
強く触れると花びらが取れてしまいます。
苦戦しながらもキクは全体に挿せました。
続いてはスモークツリーです。
どうですか?ちょっと僕この辺いびつですね。
ほんとに奥までこのフラットに球体につけるときれいな形になりますよね。
木佐さんきれいですね。
今日ね。
いい感じに出来ましたね今日は。
若干…少し隙間があるんですけれども。
でもほんとに形がすごくよく出来ました。
武田さんは若干形がいびつになりましたね。
茎の長さとか一緒で奥まで挿せばいいだけなのに凸凹になっちゃうっていうのはちょっと…。
簡単そうだなと思ったのが間違いなんでしょうね。
あと何でしょうね。
ちょっと詰めちゃう…。
多分ね何が原因かっていうとさっき説明したようにちょっとだけ花がこう重なり始めると形のコントロールができなくなっちゃうのでそしたらちょっと凸凹になっちゃうんですけれども。
武田さんは花が重なりきれいな丸いシルエットを作る事ができませんでした。
こういうお茶わんは日本の家庭だったら必ず大体はあるでしょうし…。
あるんですよね。
いろんな器がこういう形してるので割と作りやすいと思いますよ。
挑戦しやすいんじゃないでしょうかね。
かわいい。
2014年10月。
1,000年以上の歴史がある福岡県の太宰府天満宮でニコライさんのフラワーアートが披露される事になりました。
イベントの前日準備が大詰めを迎えていました。
この池に100個の球体を立て参拝者を迎えようと考えたのです。
この場所の力をすごく感じたんですよね。
こういう環境で花を飾るのはなかなかできないんですよね。
なのでほんとにそこはすごく熱く感じますね。
ニコライさんは実家が鉢物の卸業をしていた影響もありデンマークの国立ビジネスカレッジで園芸を学んでいました。
日本との出会いは19歳の時。
こまやかな美に大きな感銘を受けたと言います。
1年後に再来日。
花屋さんで修業を重ねながら日本の文化や美意識を吸収してきました。
ニコライさんには今回本殿の菅原道真公の御神体のそばに作品を飾る事が許されました。
声も発してはいけないほど厳粛な空気が流れます。
ニコライさんはこの場所の雰囲気を大事にしサカキとカトレアのアレンジを飾る事にしました。
100個の球体に真っ白なコチョウランが咲き誇りました。
普通の空間の中で新しい命が吹き込まれたような気がして今日はちょっと興奮してます。
そういう意味では。
すごいこととは思ってます。
なんか…生ける時はオーラを感じますね。
歴史ある空間を独特の感性で飾ったニコライさん。
和と洋の融合は訪れた人たちに感動と驚きを届けました。
2つ目のレッスンは漆器を使ったアレンジです。
職人が丁寧に時間をかけて作る器が大好きというニコライさん。
自らのイメージを職人に伝え作ってもらったオリジナルが多いんですって。
こちらの漆の器を使ってアレンジメントを作ります。
中にスポンジが入ってこのくらいの高さのパラレルにステムを立てるようなアレンジメントを作ります。
平行にね。
そこはいつもの…簡単そうなんだけど実は結構難しいところがあるんですけれども。
漆の器にアレンジするのはニコライ流の和を表現する赤い花やユニークな形の実などです。
落ち着いた雰囲気を表現します。
吸水性スポンジは器に合わせて切っておきます。
一番最初に高さを決めたいんですけれどもそれを決めるために…。
花が平らになるような顔のものが一番決めやすいので。
じゃあバラだ。
バラでいきます。
大事なのは…それでいつも間違うのはここで見るんですよね。
そうすると斜めになっちゃうので。
目がこういう所見て下でこういうふうに挿してそれでこうまっすぐになります。
だって茎ってほんとまっすぐじゃないもんね。
ものによって違いますもんね。
これもっと短くしたい人はしちゃっていいんですか?それともやっぱりこれが理想の長さ?もっと短くても全然大丈夫なんですけれども何となく器の横幅の大体2倍分ぐらいにするとちょうどいい感じになってる気がしますけれども。
大体そういったバランスの感覚なんですけれども。
そこがね難しそうだね。
安定しにくい植物はしっかりしたバラなどで支えて立たせます。
更に実ものなどを挿し変化をつけていきます。
このアレンジは挿す順番っていうのは決まってるんですか?やっぱり重いというか顔が大きいものから最初ベースにして自分でこう…。
サポートが必要なものは間に通すような感じにして。
あと最後このアワの方はやっぱり横から見るのはすごくきれいなのでそれはわざとちょっと外側に。
なるほど。
主張の強い植物は奥に忍ばせ頭だけのぞかせます。
あ〜。
なんかねここが…ここら辺は力強い感じ。
でしょ。
これでいつも私のサプライズポイントなんですけれども。
何ですか?こういう実ものを…。
ビバーナム・コンパクターとヒペリカムの実をこういうふうにそろえたんですけれどもそれをちょっと楽しくこの中に転がすような感じにします。
そうするといきなり雰囲気変わってくるでしょ?そうですね。
隠れるように。
砂利?砂利道?なんか石の…。
石ね。
あれのイメージなんか。
そういう感じ?外側にこういう緑のものがきて中にメインのものが…ちょっと秘められたようにあるのは和の感じしますね。
日本の着物とかも内側がきれいだったりするでしょ。
「和」のイメージっていうのは真っ赤っかとこの黒の漆っていうコントラストがやっぱりすごくすてきに思ってるんですけれども。
さあ2人も挑戦です。
武田さんは器を目安に花の長さを決めています。
さすがきちょうめん。
切らずに挿しちゃった。
他を切るんですよね。
あっ駄目だ言っちゃったらライバルに…。
あの特に参考にしてませんけどね。
ハハハ…。
悔しい悔しい。
厳しいね。
ね。
無の境地で。
僕は挿し過ぎる傾向があると思うんで少なめ少なめにいきますね。
少しずつ。
丁寧に挿す武田さん。
四方から見て美しくなるよう回して確認するのも忘れていません。
一方木佐さんは?どう持ってるんですか?お花を。
そうそう!両手で。
大和なでしこで。
目が上を見て右手が挿すだけ。
この辺を見て。
で顔と顔が…。
まっすぐ挿しましょう。
ちょっと近くなっちゃったよ。
これ茎が悪いかしら?くの字になってる。
全然悪くない。
なんかすごいでも…。
それをうまく生かして…。
こうなった場合は中へいきましょうか。
こういうふうにいきます。
あ〜そういう事か。
こういう感じ。
へえ〜。
このように茎が曲がっている場合花が内側を向くように挿します。
隣り合う花を密着させる方が仕上がりが良くなるからです。
最後に器いっぱいに実を敷き詰めて完成です。
2人はどんな「和」を作り上げたのでしょうか?2人の作品です。
比べてみると差が歴然です。
まとまりがあってりんとした印象の武田さん。
木佐さんは雑然とした感じです。
木佐さんは若干…。
どんどん高くするとバランスをとりにくいんですね。
どんどん難しくなる。
なんかりんとしてない。
茎がピュンってしてない。
そういう意味でもう少し低くするともうちょっとまとまります。
長さだ。
最初の長さがとっても大事って事ですね。
大事です。
ねっ。
そんな大事だったんだ。
武田さんはね結構いい感じにまとまってますよ。
ほんとですか。
結構…最初の高さも力を入れてすぐ測って。
器の2倍にしたんですね。
バランスね。
四方見からアワの…横から見る時にもちょうどいい感じに出来たんですけれども。
ちょっと横置いていいですか?よく…チャレンジャーですね。
横来ます?どうやったらこんな差が出たのか分かんない。
同じお花で。
これねちょうど見るの…すごく面白いのはあんまり高さは…そんなに変わってないけれどもやっぱり花で1〜2cmで十分変わってくるっていうのはすごく分かりやすいと思うんですよこっちで。
高さ1cmほどの違い。
でも木佐さんは間延びした印象に。
僅かな差が出来栄えを大きく変えるんですね。
人の前髪だって1cm違うと印象違うのにざっくり…。
そう言うとちょっと違うんですね。
木佐さんがおっしゃったんですよ。
ここら辺の竹林感が和だって。
そう!
(笑い声)簡素に見えて実は繊細さが求められる和のアレンジ。
まさにニコライさんが日本で磨かれたと語る「こまやかな美意識」が感じられる作品でした。
いかがでしたか?いや〜…。
先生のと比べると1cm僕高いんですね。
位置がね。
ここから緑が生い茂っててなんか天空の城みたいでちょっと違いますね。
ちょっと細かい話になるんですけれども同じ高さに感じるのに若干それぞれの高さ違うんですよ。
そうするともう少し生き生きした感じに…。
なるほど。
動いてるんですけれども。
そろえ過ぎなくてよかった。
そこまでそろえなくてもいいんですけれども。
微妙に高さをずらして美しさと躍動感を演出。
これぞニコライ流和の心です。
このちょっとしたずらし感とかほんと難しいですね。
木佐さんの「ちょっと」じゃ…。
えっ何ですか?木佐さんのこれは「ちょっと」じゃないと思います。
やっぱ比べると大変な事になりましたね。
是非これを皆さんインスピレーションとして自分のおうちにあるいろんな器を是非使っていろんな楽しいものを作ったらいいかなと。

(テーマ音楽)2015/11/04(水) 11:30〜11:55
NHKEテレ1大阪
趣味どきっ! 北欧スタイル 花のある暮らし 第4回▽“赤”で伝える和と洋の心[解][字]

注目のフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン氏のフラワーアレンジメント講座。手軽でセンスあふれるアレンジを教わる。生徒は武田真治さんと木佐彩子さん。

詳細情報
番組内容
ニコライ・バーグマンさんはデンマーク出身で、日本で暮らして16年(放送当時)。北欧の伝統に和の美意識を融合させたアレンジで、日本でも注目のフラワーアーティストです。本シリーズでは、初心者でも取り組めるアレンジを教えてもらいます。また、ニコライ流の北欧のライフスタイルも毎回紹介。生徒は武田真治さんと木佐彩子さん。第4回はニコライ流・和と洋の世界。陶器や漆器といった和の器を使って菊などをアレンジします
出演者
【講師】フラワーアーティスト…ニコライ・バーグマン,【生徒】武田真治,木佐彩子,【語り】はな,福田亨

ジャンル :
趣味/教育 – 園芸・ペット・手芸
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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