生字幕放送でお伝えします
見てください!少しずつ色づき始めた里山と…。
そして、かやぶきの屋根。
塚地さん!この景色いかがですか?
これ、昔の映像じゃなくて?
生中継ですよ!今、現在です!京都にこんな場所があるんですよ。
私たち、ここにいます。
見えますか?塚地さん!ここ、京都府南丹市美山町というところにありますかやぶきの里伝統家屋のかやぶきの家がずらーっと並んでいるんですね。
きょうは快晴でとっても気持ちがいいですよ。
ちょっと暑いくらいになってきました。
このかやぶきの家古いものでは江戸時代に建てられたものがあって今でも現役で住民の方住んでいらっしゃるんです。
きょうは日本伝統のかやぶき屋根の家の魅力そして、それらを守る地元の取り組みをたっぷりとご紹介したいと思います。
では改めて場所を見ていきましょう。
このかやぶきの里は京都府のちょうど真ん中辺り南丹市美山町にあるんです。
全部で、この集落の中で38戸のかやぶき屋根の家があるんです。
20年前に国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されました。
ここを見たくて30万人の人が年間に訪れるということなんですよ。
雰囲気が、とってもいいですよね。
例えば、ちょっとかやぶきの屋根近くで見ていただくとこの、こけむした感じよくないですか。
それから、もう普通に生活していらっしゃるのでこのように畑があったりしてね。
住民の方が農作業してらしたりするんですよ。
自給自足で暮らしていらっしゃる。
そういう方もいますし観光業もしてらっしゃる方もいらっしゃるんですけど。
白川郷なんて有名ですけど合掌造りって分かりますかね?
合掌しか分かんない…。
基本的には本を開いた状態で裏返した状態なのが合掌造り三角形で。
また合掌とは違うんです。
ちょっと近くで見ていきましょう。
屋根の上の部分がちょうど開いた本を裏返したような形になっていますよね。
その下が、今度はちょっと違う形になっているんです。
東西南北それぞれ斜面になっていてこういった形を入り母屋造りといいまして法隆寺とか京都御所などの屋根にも使われている、とっても格式の高い屋根の形なんです。
もうちょっと近づいて見ていきましょう。
かやぶき屋根で重要なのはかやの厚さなんですね。
厚さ、60cmあります。
これ、厚いよね。
この厚さが、雨や風から家を守っています。
いろいろな種類が混ざってるのが見えますかね。
色が違いますもんね。
白っぽいのから茶色っぽいのから。
これ、一番内側にあるのはすすきの硬い部分を使っていてこれが土台になっているんです。
そのあとが稲わらで農作業のときに出るものですね。
一番外側は見栄えのいいすすきのやわらかいものになっていてこれらを総称してかやと呼んでいるんですね。
塚地さん!ここでクイズです。
こちらが、かやの束。
一軒のかやぶき屋根の家にこの、かやの束がいくつくらい使われていると思いますか?
えー!んー…100!
残念!大体3000束くらいなんです。
里全体だと38軒あるのでものすごい量のかやの束が必要となります。
昔は、こういった、かやって手に入りやすかったんですが今は、なかなかかやが取れにくくなっているんですね。
ということで、住民の皆さんが協力して確保するための特別な場所があるんです。
かやぶきの里には、かや場というすすきを育てる場所が3か所あります。
住民の皆さんが雑草取りなどをしながら共同で管理を行っている場所なんです。
毎年、冬になると1週間かけて皆さん総出で刈り取ります。
この刈り取り作業はかやぶきの里で最大の行事なんです。
刈り取ったかやは寒晒しといって春まで外気にさらして乾燥させることで芯が強くなり屋根に適したものになるんです。
皆さんが協力してかやぶき屋根は守られているんですね。
かやの刈り取り以外にも里を維持するために住民の皆さんが頑張っていらっしゃるんですね。
ここは休憩所で観光客の方もいらっしゃっているんですがこういったところの運営や観光客のガイドなども住民の皆さんがみずから行っているんですね。
たくさんの方がいらっしゃっています。
観光に来た方にかやぶき屋根の魅力を知っていただきそうした収益をかやぶきの維持にあてているんです。
その里の住民で作りましたかやぶきの里保存会会長の中野忠樹さんにお越しいただきました。
皆さんは、ここに住む方のためのルールというのがあるんです。
それ、ちょっと中野さん持っていただけますか。
かやぶきの里の憲章。
例えば、守るというところは観光業もしつつ生活を守るということなんです。
10年前にできたんですね。
かやぶき屋根を後世に伝えるために作られたルールなんです。
平成11年に作られたんです、実は。
皆さんにとってこのルールはどんなものなんでしょうか?
景観を守るためには村人が心を一つにする必要があります。
そのためには何かもとになるもの根本になるものが必要だということで初代の保存会長が原案を提案されてみんなで話し合って決めました。
いつも、目につくところに置こうということでそれを額に入れて全戸に配布させてもらっています。
皆さんの心の指針になっているようなものなんですけどこれから、どんなふうに具体的に守っていくのか見ていきたいと思います。
私は一足先に、かやぶき屋根の維持に欠かせない作業をご紹介しにいきますのであとは、お願いします。
中野さんありがとうございました。
こうして住民の皆さんが大切にしてきたかやぶき屋根の家なんですけれどもある弱点があるんです。
続いては、その弱点から家を守る道具をご紹介したいと思います。
塚地さん、こちらです。
小屋みたいなものがありますね。
こちらのふたを開けますと中には、こんなものがあります!
犬小屋じゃないんだ!
犬小屋じゃないんです。
実は、これ放水銃といって防火装置なんですよ。
里の貯水槽につながっていてここから水が出ます。
かやぶきは火に弱いので15年前に、かやぶき屋根の家が焼失したこともありこちらの防水銃を備えているんですね。
もしものときに備えて、ふだんはしまってあるんですけども年に2回5月と12月の放水訓練でその様子を見ることができるんです。
いざ火事が起きたときには放水銃はこのように水圧でせり上がります。
屋根全体に水がかかるようにすることで延焼を防ぐんです。
消防車が到着するまで大体20分ほど放水します。
集落には50戸の家がありますが放水銃は62基もあるんですよ。
塚地さん、この放水の様子が何かに例えられているんですが何に見えますかね?
噴水広場。
お!惜しい。
実は水のカーテンと呼ばれていて里の風物詩になっているんです。
もう次の候補は水のカーテンのどっちかやったのよ。
さすが塚地さんですね。
次の放水訓練は来月の1日にあります。
見れるのかな?
たくさんの方がいらっしゃるみたいですね。
3000人ぐらいの方が放水訓練を見に来られるそうです。
火災が起こらないようにと夜中の見回りなどを行い火元には注意しています。
火事は起こさないという強い意識で住民の皆様は暮らしているんです。
塚地さん、そしてかやぶきを守るために欠かせないもう一つ、やはりかやぶき屋根というのは絶え間ないメンテナンスが必要になってくるんです。
修繕をしなければなりません。
そこで、まさに、修繕の作業が行われているところなんです。
皆さん、里の住民の方が職人さんとしてみずから修繕をされているんですよ。
こちらリーダーは、かやぶき職人中野誠さんです。
この辺りってかやぶきの先ほどもこけむした屋根を見ていただきましたがどうしても雨風にさらされ雪が積もっていくとかやが傷んでいくんですね。
こういったものは定期的にかやを替えていかなければなりません。
中野さんの手元、見てください。
古いかやを抜いて新しいかやを差していくんです。
差しがやという作業なんですね。
新しいかやを中に入れていくと。
これも、定期的に行っていかなければなりませんからね。
中野さん、どういったところが特に傷みやすいんですか?
やっぱり、こうやって北側の日の当たらないところは常に乾きませんので傷みは早いですね。
こういった作業を15年に1回ぐらいは屋根をふき替えていかなければいけないということで職人たちがいないと維持できないものなんですね。
こちら中野誠さんは25年ぐらい前に職人になったんですけれどもそのころは、なかなか職人さんがいなくなっていて70歳前後の職人さん3人残すのみだったんですがそこに弟子入りしてかやぶきの技術を身につけて今では、かやぶき屋根守ろうという動きが盛んになってきて若い職人さんたちもいるんですよ。
今、ちなみに何歳なんですか?
今、30歳になります。
中野さんのところには平均年齢29歳の職人さんが15人いらっしゃるということで守っているんですね。
誠さん、若い人にかやぶきを守るってどんな思いで伝えていらっしゃるんですか?
新しいことは別段何もしていないんですけれども昔から教えてきていただいたことを着実に、こつこつと教えるそれだけですよね。
それでも、すごく一生かかりますよね。
なんと中野さんたちは美山のかやぶきの里を守っているだけではなくていろんなところに出張して、かやぶき屋根の保全を行っているんです。
遠いところだと、どんなところに。
一番遠いところいわれたらアメリカですかね。
日本国内はどこでも行きます。
アメリカにかやぶき集落があるんですね。
あります。
それを守っている。
だから、美山のかやぶき。
ここで育った職人たちがここだけではなくて日本全国、果てはアメリカまでかやぶき屋根を守っているんです。
塚地さん!塚地さん!この、かやぶきの里の魅力にほれ込んで外から移り住んだ方もいらっしゃるんですよ。
こちらのお宅は200年以上前に造られた里で一番古いかやぶきの家なんです。
今からお邪魔するのは藍染めの作品を展示しているギャラリーにお邪魔したいと思います。
すてきな雰囲気ですね。
中に入ってみると大小の藍染めの巾着袋などすてきな作品が展示されています。
実は、この藍染めはこちらの工房で作られているんです。
こうして、白い布をいくえにも巻きつけていてこの奥にある、かめに浸して藍色に染め上げているんです。
この工房の中にも藍染めの独特のにおい、香りがたちこめていますね。
こちらは家主の新道さんです。
江戸時代から伝統的な手法を続ける藍染め作家さんなんです。
京都市内から家族でここに移り住んできて新道さんが来るまでは35年間こちらのかやぶきの家は空き家だったんですがもともとは台所だったこちらが藍染め工房にぴったりだと移り住んできました。
土間を改築したというか。
土間に埋め込むのがポイントなんですよね、新道さん。
藍がめっていうんですけど温度が一定になるもんですから土間に入れ込んでそれで、真ん中には火どこというのがありましてちょっと冬の間は火をくべて温度を調節してます。
実際に藍染めの工程を見せていただいてもよろしいでしょうか。
今ね、これ向こうで巻き取った布を染めてるんです。
私のところは、ちょっと特殊なやり方でねこうやって空気にさらすことによって色素が、だんだん…。
青ではなくて、最初は緑っぽいんですね。
だんだん染料が入っていくと黄色から緑っぽくそして青と変わっていきます。
ちょっと、しばらく時間がかかるんですけど。
また作品なんかを見ていただくとどんなパターンが出てくるか分かると思います。
こうした工程を10回ほど繰り返して藍色にしていくんです。
かやぶきの里自体も藍染めに適した環境だったんですよね?
この里は本当に水のいいとこですから裏山の雑木林をくぐった天然の水がここには湧き出してくるのでとっても私どもとしては藍のためにいい水で喜んでいます。
先ほども新道さんがお話してくださいましたが最初は工房だけだったんですが観光客が増えたのを受けてギャラリーとしてもオープンしました。
どうぞ!
すごいすごい!
おしゃれですよね!
寝っ転がりたいかな。
ここは、もともといろりだった場所なんですよ。
藍染めと日本との組み合わせで新しい空間に生まれ変わりました。
新道さんが新しく活用するためにかやぶきの家がまた守られたんです。
塚地さん、そして新しく移住してきたのは新道さんだけではないんですよ。
たくさんの若い方もここに移住してきているんです。
こちら、先ほどのかやぶきの若手職人大前さんですが一家で移住してきて今、かやぶきの家に住んでいるんですね。
かやぶきの里どんなところがいいですか?
それは水に美しい。
自然。
おいしい野菜に日本の文化の原点が、まだここには残っているということですかね。
奥様は、どんなところがかやぶきの里、好きですか?
やはり美しくも厳しい環境と村の方々たちが、すごく親切にしてくださるところがすばらしいです。
あと奥さんも美しい。
何度も言っていますね。
そして、こちらの方ですね。
高知県から移住してきていらっしゃって今は農業をしていらっしゃる岩瀬さんです。
岩瀬さんは農業以外にも新しいチャレンジをされているんですね。
冬場は雪が多いので酒造りに携わることに決めました。
お酒造りもして皆さんで盛り上げているんですよ。
お子さんは、どうですか?かやぶきの里は好きですか?
好き。
こうやって、新しい方が移住してくることによって皆さんが、かやぶきの家に住んでメンテナンスをしますからかやぶきの里全体が守られていくということになるんですね。
また、近隣の人と仲よくなるっていうのもいいですね。
どんな方に、かやぶきの里に住んでいただきたいですかね?
私たちと一緒にこの村と、この村の景観を守ってくれる方若い人、ぜひ私たちと一緒に生活しましょう!やって来てください!
どうですか?かやぶきの里は好きですか?
好き…。
かわいい!
この笑顔が皆さんがどんな気持ちでここに住んでいるのかを物語っていると思いますが塚地さん、いかがですか?かやぶきの里。
僕もちょっと住んでみたいなと思いますね。
将来の候補の一つとして。
ぜひぜひ!すばらしいところですよ。
また、雪景色もいいですからね。
雪の季節になってくると。
これからまたよくなってきますけど。
忠樹さん、塚地さんも住んでみたいということですけど。
大歓迎です!
(美和)どないだす?もうお酒はこれくらいにして…。
2015/11/04(水) 12:20〜12:45
NHK総合1・神戸
ひるブラ「守りたい!かやぶきのある風景〜京都・南丹市〜」[字]
日本の原風景が広がる京都・南丹市にある「かやぶきの里」。観光客へのガイドから、屋根のふきかえ作業、火災の防止対策まで、故郷を守る住民たちの思いにふれあいます。
詳細情報
番組内容
【ゲスト】秋元才加,【コメンテーター】塚地武雅,【司会】丹沢研二 〜京都府南丹市から中継〜
出演者
【ゲスト】秋元才加,【コメンテーター】塚地武雅,【司会】丹沢研二
ジャンル :
バラエティ – 旅バラエティ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
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