NHK高校講座 物理基礎「波の形や速さを表す〜波長と速さと振動数〜」 2015.11.04


(ブツリン)新体操の時間じゃないよ。
みんなに新体操のリボンの演技を見てもらいたいんだ。
リボンを上下に振って横波を作る。
大きく振って小さく振って。
振り方によって波の形がいろいろ変わるね。
黒田有彩です。
熊谷知博です。
ああ〜もう本当見とれちゃった。
うん。
まさに横波だったね。
ね!大きい波小さい波いろんな波を作ってもらったけど…。
もしかしてあれをヒントに波の速さや形を解明していくの?う〜んあれはねまずいろんな形の波があるって事を見てもらいたかったの。
本題はこれから。
今から私と熊谷君でスピード対決をします!えっ何これ?うんルールは簡単。
このばねを使って横波を作ります。
そしてあの風船をどちらが速く割る事ができるか。
お〜。
よ〜し燃えてきたぞ。
う〜ん。
波をどんどん送れば楽勝だね。
え〜じゃあ私はマイペースにやろっかな〜。
それではいきま〜す。
321ゴー!よし!僕の勝ちだ。
え?私でしょ。
待った〜。
勝負の行方は微妙だけど今日のテーマを学べば結果を予想する事ができるっていう訳。
そこでポイントはこの3つ。
波の性質を表す重要な用語がたくさん出てくるからね。
今日の講師は増渕哲夫先生です。
(一同)よろしくお願いします。
今回は「波」の2回目です。
波の形や速さっていうのはさまざまですね。
波にもいろいろ個性があるという事です。
今日はその波の個性をどのようにして表していったらいいのか一緒に考えていきましょう。
(熊谷黒田)はい。
ところで先生さっきの僕と有彩さんの勝負ってどっちが速かったんですか?まあどっちなんですかね。
結果を急がないで波の基本的な量をしっかりまず学んでいきましょう。
熊谷君使うのはこれ。
おなじみのウエーブマシンだ。
はい。
熊谷君じゃあ波を作ってみて。
うん分かった。
じゃあいくよ。
それではこの横波の基本的な形に注目しましょう。
それではウエーブマシンで作った波の形を確認していきましょう。
これは基本的な横波の形ですね。
この高い部分を山。
それから低い部分を谷というふうにいいます。
それからこの図を基にして模式的な図を作ってみます。
ずっと連続した波がいくつか続いていますけれども熊谷君これ…う〜ん山から山までだと思います。
お〜鋭いね。
そうそう。
山から山でもいいし谷から谷でもいいよね。
そうですね。
それから振動の中心から山を越えて谷を越えてまた振動の中心。
これも波1つ分の長さという事になります。
波1つ分の長さの事を波長というふうにいいます。
まさに波の長さですね。
そうですね。
そしてこの波長が長くなると…。
お〜。
それから波長が短くなると…。
波長が変わると波の形が変化するよね。
それではまた次を見てみましょう。
振動の中心の所から媒質がどちら向きにどれだけずれてるかという量それを変位というふうにいいます。
それから振動の中心から山までの高さこれを振幅。
あるいは振動の中心から谷までの距離これを振幅というふうにいいます。
そしてこの振幅が変化すると…。
振幅が大きくなる。
振幅が小さくなる。
振幅の場合も波の形が変化したね。
波の形を表す大切な言葉がいくつか出てきたね。
特に波長は波1つ分の長さの事だったね。
波長はギリシャ文字でこう表してラムダと読みます。
後でまた出てくるからね。
今度は波源が時間とともにどのように動くか調べます。
波源ね…。
僕は何をすればいいの?う〜ん。
またまたウエーブマシンで波を作ってくれる?うん。
その時の熊谷君の手の動きを観察します。
えっ僕の手?そう。
手が主役なの。
ふ〜ん。
じゃあやってみるね。
は〜い。
じゃあいきます。
それでは熊谷君の手がどのように動いていたのか見てみましょう。
はい。
うん?何だか手が重なって見づらいな。
そうですね。
このままだと分かりにくいので熊谷君の手を時間とともにずらした図はこのような図になります。
先生これって波の形と同じですよね。
そう。
似てますね。
それでこの熊谷君の手の位置を結んでグラフにするとこのようなグラフになります。
縦軸が変位。
それから横軸が時間になります。
それでこの部分からこの部分まで一体これは波の何を表してると思いますか?それはさっき学習した波長ですよね。
あ〜熊谷君これすごい間違いやすいんだけどね波長って波の長さだよね。
でもこの場合はさっきの波長の時とは違って横軸が時間を表してるんだよね。
うん?ですからこれはですね波が上に行って下に行ってまた元に戻ったっていう1回振動する周期という時間を表してます。
周期。
うん。
例えば媒質が一番上の位置から振動し始めて再び一番上まで来るこの時間も周期っていうの。
そうですね。
それから…例えばですね振動が始まってここまでの時間これを1秒とすると振動数はいくつですかね。
そうですね。
これは1秒間に作られる波の数ですから1回そしてもう半分という事で1.5回となりますね。
さすが理系女子ですね。
さあここで周期と振動数の関係を考えてみるよ。
周期はT振動数はfで表す。
例えば周期がT秒の場合T秒に1回振動する。
という事は1秒間には…1秒間に振動する回数は振動数fなので…これ大事だから覚えておいてね。
あっそれにみんなHzって聞いた事があるよね。
Hzは波の振動数の単位なんだ。
熊谷君波の速さを決める鍵って何だと思う?う〜んこれまで学習した事を考えると…う〜んそれを突き止めるためにこちらを用意しました。
何これ?波の形をしたボードが全部で9枚あります。
これを使って波が進んでる様子を再現してみようと思うの。
まず山の位置に赤いピンを谷の位置に緑のピンを刺していきましょう。
じゃあ手伝ってね。
はい。
はいできました。
では次に前の波に対して同じ距離ずつ進めます。
じゃあ熊谷君あとはお願いします。
うん。
じゃあ波進めるね。
あ〜できた。
は〜いありがとう。
この色の濃い部分は時間がたつにつれて後から出てきた波だね。
ちょうど…そしてこちらの方向が位置をこちらの方向が時間を表しています。
山や谷は右にずれているよね。
つまり…うんうん分かる分かる。
今度は波源にこのピンをつけます。
ウエーブマシンで熊谷君が波を作った時の手だよ。
僕の手の位置って訳だね。
そういう事。
じゃあお願いします。
は〜い。
じゃあつけるね。
うん。
よしできた。
はいありがとう。
じゃあ熊谷君これを見て何か気付かないかな。
うん?いや…。
じゃあちょっと角度を変えてみると…。
うん?お〜!ちょうど1回分振動してるね。
そうなの。
ここからここまで時間でいうと1周期の時間が経過しているという事になります。
じゃあ今度は色の濃い波が進んだ所を注目してみて。
波が1周期の間に1波長進んでいる事が分かるよね。
うんうん確かにそうだ。
ちょうど波1つ分だね。
そう。
つまり距離と時間の関係が分かったよね。
うんうん。
という事は波の速さを求める事ができるよね。
そうか。
周期に波長…。
では波の速さを式に表してみるよ。
波は1周期Tという時間に1波長λという距離進んでいるね。
速さvは距離÷時間で求める事ができるから…ところで周期と振動数の関係からf=T分の1が分かっているよね。
そうすると…つまり速さはv=fλで表す事もできる。
これも波の速さを表す式だよ。
例えばfHzの波がある。
fHzの波というのは1秒間に波がf個あるという事。
この時の波長は波1つ分の長さなのでλ。
単位はmだ。
つまり…1秒間に進む距離は速さだね。
だからv=fλ。
この式になるんだね。
それでは波の速さvと波長λの関係ついておなじみのウエーブマシンを使って調べていきましょう。
先生このウエーブマシン長いですね。
そうなんですね。
ウエーブマシンこれ長い棒のものと短い棒のものが連結されてるんですね。
ただ連結されてますから長い棒の方を1秒間に1回振動するとその振動が隣隣というふうに伝わり結局短い棒の方も1秒間に1回振動します。
つまり…では早速長い棒の方熊谷君振ってみて下さい。
はい分かりました。
じゃあやってみます。
うん?何が起きたの?波の形変わったよね。
うん。
それでは今度こちらから送ってみますよ。
よく見ていて下さい。
お〜。
遅くなったね。
うん。
速さが断然違うね。
連結したウエーブマシンを使って波の速さと波長の関係を調べます。
まず長い棒から短い棒へ波を送ります。
次に短い棒から長い棒へ波を送ります。
スローモーションで速さの違いを見てみましょう。
短い棒の始まりと長い棒の伝わり始めをスタート位置にします。
短い棒の方が速く到達しました。
波長に注目すると短い棒の方が裾野の広い波が出来ています。
短い棒のウエーブマシンの方が波長が長いのです。
つまり…それでは先ほどのウエーブマシンの実験を確かめてみましょう。
こちらを見て下さい。
短い棒のウエーブマシン速かったですね。
長い棒の方は遅かったです。
それからこの短い方と長い方は連結されていましたから振動数のfは同じでした。
波長を比べてみますよ。
波長はですねこちらの方が…これ山1個分で波長の半分での比較ですが波長は長いです。
それから波長は短いです。
という事で速さを求める式……という式で考えてみるとどちらも振動数のfは共通です。
波長はこちらの方が長かったですね。
という事で短い棒の方がfλの値vの値が大きくなりましたという事が分かります。
さあこれが分かったところで熊谷君初めにやった勝負の結果分析してみよっか。
おっ待ってました。
それではいきま〜す。
321ゴー!はいこの勝負引き分け〜。
熊谷君あんなに頑張ってたのにね。
うん。
何か悔しいなあ。
では2人の勝負を振り返ってみましょう。
(熊谷黒田)はい。
熊谷君は大きな振動数で振ってましたね。
それから黒田さんは小さな振動数で振ってました。
一方出来た波の波長を比べてみると熊谷君の作った波の波長は短くてそれから黒田さんが作った波の波長は長かったです。
波の速さっていうのは振動数と波長の掛け算なんですね。
ですからその掛け算した結果で比べてみると2人とも波の速さは同じぐらいだったという事になります。
なるほど〜。
でも熊谷君はがむしゃらに振ってたから波が伝えたエネルギーでは勝ってたかもね。
そうか。
じゃあやっぱり僕の勝ちなんじゃないかな。
今日は波の形の事や波に関する量を学びました。
波のスピード対決をきっかけにして波のさまざまな量について勉強してきましたね。
はい。
波の量の特徴っていうのはよく分かりましたか?う〜んばっちりだよね。
うん。
それから手作りでこんなものを作ってみました。
え〜何ですか?正面から見ると波の形が見えますか?はい見えますね。
それから例えばこの山の部分の進み方に注目してみて下さい。
回しますよ。
あ〜右に進んでるね。
うんうん。
これペットボトルにひもを巻くだけで出来るんですね。
う〜ん簡単。
このひもをどんなふうに巻いたらいいのかというのはちょっと考えてみて下さい。
う〜んじゃあ熊谷君調べといて。
うん。
それでは皆さんさようなら。
さようなら。
さようなら。
横波の基本的な形です。
波長は例えば波の山から山まで谷から谷まで波1つ分の長さの事です。
波は1周期Tという時間に1波長λという距離進むので速さはv=T分のλになります。
また周期と振動数の関係からv=fλと表す事もできます。
(関口)垣内隊員。
(垣内)はい。
2015/11/04(水) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 物理基礎「波の形や速さを表す〜波長と速さと振動数〜」[字]

波の形や速さはさまざまです。波の性質をどのように表すか学習する。学習のポイントは、1.波の形を表す振幅と波長 2.波の変化を表す周期と振動数 3.波の伝わる速さ

詳細情報
番組内容
波の形は、山と谷が交互にくり返す形をとる。このとき振動の中心から山あるいは谷までの長さを振幅といい、1つ分の波の長さを波長という。媒質が1回振動するのにかかる時間のことを周期といい、1秒間に何回振動するかを振動数という。波は1周期という時間に1波長の距離を進む。このことから、波の速さvは、振動数f×波長λで求められる。【講師】増渕哲夫(学習院女子中高等科教諭)【司会】黒田有彩、熊谷知博
出演者
【講師】学習院女子中・高等科教頭…増渕哲夫,【司会】黒田有彩,熊谷知博

ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
趣味/教育 – 大学生・受験
趣味/教育 – 生涯教育・資格

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