絶対零度〜未解決事件特命捜査〜 #06 2015.11.04


家族でこの日、見に来ていた。
(警察官)あっ裏門閉めてきました。

(倉田)桜木。
(桜木)すいませんやられました飼育小屋のウサギ全部。
(倉田)そうか。
すいません。
(倉田)あれ塚本は一緒じゃなかったのか。
まだ犯人がいる可能性があるので周辺の見回りに。
分かった。
後は俺やっとくから早く戻って報告書書け。
(深沢)朝早くすいません。
お嬢さんいらっしゃいますか?
(秋絵)いっいませんけど。
(深沢)昨日から一度も帰ってないんですか?
(秋絵)1時間ぐらい前に戻ってきてまたすぐ出ていきました。
(深沢)どうして連絡してくれなかったんですか。
(高峰)帰宅したらすぐにご連絡いただけるようお願いしたはずです。
(春菜)《勝手に入らないでよ》
(秋絵)《春菜あなたいったい何やってるの?》《最近夜中に出てったり》《ホントは学校にも行ってないんでしょ》《先生から連絡いただいてるの》《ねえ春菜》
(春菜)《ほっといて》
(秋絵)《お母さんねあなたのこと心配して》《わたしが悪いことしてても?》《出てって。
出てって》
(倉田)分かった。
母親の同意をとって部屋を調べろ。
とにかく沢井春菜の発見保護が最優先だ。
(塚本)おいっす。
ちょっと塚本さん。
(塚本)いっ!バカ…。
ホントに報告しないつもりですかケガのこと。
痛いっつってんだろ。
すいません。
いいんだよこんなのかすり傷だよ。
そういう問題じゃなくて沢井春菜は。
言ったろあいつ様子が変だったって。
(塚本)《うっ!》《刑事さん》ありゃ逃げようとして切りつけたんじゃねえ。
でも実際に事件が。
あっそれに彼女は凶器も持ってましたし。
お前が先に言ったんだろ犯人とは思えないって。
でももしわたしが早く捕まえていればこんなことにならなかったかもしれないのに。
しんきくせえな。
いいからこのこと言うんじゃねえぞ。
まあ現場にいた以上無関係とは言わねえけどな。
それもこれも本人見つけて話聞いてからだ。
(三井)桜木さんお客さまです。
村山さん。
聞いたよ。
またやられたってな。
すいません。
俺に謝ったって仕方ねえだろ。
こんなとこでうじうじしてねえで捜査に行け。
現場百遍。
足で稼いで捜査しろって教えたろうが。
陣中見舞いだ。
さっさと行け。
行けよおら。
(大森)遺留品から新しい情報は何も出なかったわ。
(秋山)採取された靴跡繊維片共に過去の事件と同じものです。
また男物の靴跡。
(白石)んっ?これが師匠の見つけた手掛かりか。
犯行予告っすよ。
あ〜もう少し早く気付いてりゃな。
これのほかにもこれもこれもこれもこれも。
最初に書かれてんのが日付。
その後が住所。
殺された動物の数。
どの数字も実際の事件と一致してます。
事件が起きるたびに書き込むサイトを変えてるから簡単に見つけらんなかった。
(白石)書き込まれた場所の特定は。
それがどれも海外のサーバー経由してるんすよ。
でも何のために犯行予告なんか。
(大森)自己顕示欲ってやつなんじゃない?捕まえられるもんなら捕まえてみろみたいな。
わたし聞き込み行ってきます。
(竹林)おお気合入ってんな担当。
(白石)ありゃ気負ってんだ。
ミスしたって思ってるやつは立ち止まって動けなくなるか何かしてないと不安でたまらなくなるかのどっちかだからな。
警視庁捜査一課の桜木です。
この子見たことありませんか?
(店員)んっ?分かんないっすね。
ちょっと中見せてもらっていいですか?はい。
(リポーター)《現場からお伝えします》《本日こちら千山地区の市営グラウンドで開かれていたこども交流会に突然刃物を持った男が乱入し参加者が次々に襲われました》
(秋絵)《やだ》
(秋絵)《春菜》《春菜よかったどこ行ってたの?》《今捜しに行こうって思ってたの》《市営グラウンドでね》
(春菜)《学校にいたの飼育当番で》
(秋絵)《そうよかった。
ホントによかっ…》
(リポーター)《死亡した8名の氏名は宮田ゆきちゃん》
(秋絵)あの子あの事件から何か変わってしまって。
いつも1人でいて。
(高峰)2年前千山南中学の最初の動物殺傷事件の第1発見者になってから不登校気味になったと伺っています。
(秋絵)ええ昔の事件のこともありましたからショックが強かったんだと思ってそっとしておいたんですけど。
あの動物が殺される事件にあの子が。
(高峰)今はまだ捜査の段階ですので。
(秋絵)はあ。
彼女の行き先で心当たりはありませんか。
すいません分からないんですあの子のこと。
(深沢)高峰さんこれ。

(深沢)現場での目撃その後の失踪PCのデータなどからして連続動物殺傷事件への沢井春菜の関与は非常に濃厚です。
衣類や靴など数点を科捜研へ回しました。
千山事件が起きた日宮田ゆきも「飼育当番で学校行く」っつって家を出てる。
沢井春菜と2人で当番だったってことか。
2人が通っていた千山第一小学校で裏を取ったわ。
その日ウサギの世話をしていたのは沢井春菜1人だった。
じゃあ何で宮田ゆきは母親に嘘ついてまで参加するはずのなかった交流会の場所に行ったんだよ。
(深沢)現時点では不明ですよ。
今は沢井春菜の捜索と動物殺傷事件の解決が先決ですから。
(白石)といっても足取りがつかめないな。
(倉田)各所轄には沢井春菜の写真を手配してあります。
今日のところはいったん解散して誰か1人待機できる者はいないかな。
わたし残ります。
(高峰)あんた昨日から寝てないでしょ?大丈夫です。
分かった。
何かあったらすぐ連絡しろ。
はい。

(警察官)この女の子来てないですか。
(店員)う〜んはあこの子だったら今。
(店員)あちらの。
(警察官)ちょっちょっと君!
(警察官)待ちなさい。
(警察官)まっ待ちなさい。
待ちなさい。
放して。
(警察官)おとなしくしなさい!
(春菜)放して。
どうぞ。
(高峰)係長引き継ぎます。
こちらへ。
あっ係長彼女の事情聴取わたしにやらせてください。
(倉田)未成年の聴取は難しい。
お前にはまだ早い。
わたしはこの事件の担当です。
お願いします。
係長自分がフォローします。
分かった。
桜木これはあくまで参考人に対する任意の事情聴取だ。
そのことを忘れるな。
はい。
ナイフなんか持ってあの場所で何をしてたの?ほかの動物殺傷事件の起きた現場周辺でもあなたらしき人物を見たっていう目撃情報があるの。
飼育動物のいる都内の学校データもパソコンに保存してるでしょ。
あなたがこの事件に無関係だとは思えない。
知ってることがあるなら話して。
あなたがウサギを殺したの?刑事さん。
何?動物を殺したら死刑になる?えっ?人を殺さないと死刑にならないの?死刑にしてくれるなら全部話す。
ふざけないで。
(塚本)桜木。
命を何だと思ってんの?
(塚本)桜木。
でもこの子は。
(塚本)今日はもういい。
あしたまた話聞くわ。
外でおふくろさん待ってるから。
千山事件のことは?調べてくれたんでしょ?今日は帰っていい。
塚本さん。
(春菜)刑事さん悪いことをした人には警察が捕まえなくてもいつか天罰が下るのかな。
もしそうなら何で人って悪いことを繰り返すのかな。
(高峰)お待たせしました。
春菜。
(倉田)今日はこれでお帰りいただきますが明日またご本人に話を伺いたいと思います。
よろしいですか?
(秋絵)はい分かりました。
表までお送りして。
(道尾)はい。
靴に付いてたのは動物のものよ。
たぶんウサギの血。
(白石)分かるもんなのか。
(大森)ヒトヘモグロビンとは反応が違うの。
人間の血液だと陽性反応が出るけどこっちには反応が出ない。
(大森)あと顕微鏡で見ても人とは染色体の数が違うから。
(秋山)沢井春菜の自宅から持ち込まれた別の靴にも同じように微量の動物の血液が検出されてます。
被害に遭った動物の血か。
(竹林)断定は無理っすね。
被害動物のDNAサンプルがあれば一発なんだけどな。
(深沢)しかし犯人の矢印は確実に沢井春菜に向いてる。
(大森)問題はナイフよ。
B型の人間の血液。
反応の範囲を考えるとかなりの勢いで切りつけたっぽい。
やっちゃったってことっすか人間ターゲットにして。
狙いは動物だけじゃなかったのか。
(竹林)あっヤベえ。
付着した血液の該当者データベース上にありました。
何考えてんだお前ら。
自分は大したケガじゃないと判断しました。
傷害とか公務執行妨害とか騒ぐほどのもんじゃないと思いまして。
(倉田)報告しなかったことが問題なんだ。
一般市民やほかの捜査員に危害が及ぶ可能性もあったんだぞ。
すいませんでした。
2人とも始末書。
次からは始末書じゃ済まんぞ。
(塚本・桜木)はい。
(白石)桜木今回始末書2枚目か。
(高峰)冷静な判断力失ってますね。
(倉田)深沢科捜研の見解は。
(深沢)状況証拠で判断するかぎり沢井春菜が犯人である可能性は極めて高いと思います。
ナイフに動物の血は付いてなかったんだろ?
(深沢)所持してる凶器が1つとはかぎらないでしょ。
彼女が犯人なら現場の靴跡はやっぱり偽装工作。
(深沢)男の共犯のいる可能性はあるかもしれませんけどね。
(白石)どうします?係長。
自供とるか泳がして現行犯逮捕か。
(倉田)明日以降も事情聴取は継続します。
後は手分けして目撃情報の補強と決定的な証拠を探そう。
(白石)はい。
(深沢)はい。
(白石)どういう生徒さんでした沢井春菜さんは。
(教師)周囲ともなじみませんでしたし1人で黙々と動物の世話をしてたって印象ですね。
(白石)かわいがってたんですなウサギ。
(教師)その分ショックが大きかったんでしょうね。
担任であるわたしとも学校に来るよう何度も話し合ったんですが。
ご苦労さまです。
(谷口)こんにちは。
(白石)あっあなたこの間の。
どうも。
(白石)検査か何かですか?
(谷口)各学校の飼育状況の確認です。
先生今日ほかの学校でウサギの耳を縛るようないたずらが見つかりました。
こちらも気を付けてください。
分かりました注意しときます。
(谷口)動物の命を軽んじるような事件が続くと色々と変な影響が出ますからね。
(白石)面目ない。
捜査協力もいただいたのにまた被害出してしまって。
すいません。
心に傷を負った子供たちが気の毒です。
2年前の事件でも発見者の女の子が不登校になりましたし。
熱心に世話をしてくれる子だったのに。
(白石)ご存じなんですか?
(谷口)《どうかした?ウサギに何かあった》
(春菜)《もうすぐ5月30日》《友達が死んだ日なの》
(春菜)《親友で動物が大好きだった》《30日ってもしかして千山事件の》《ゆきちゃんはわたしのせいで》サバイバーズ・ギルトかもねそれ。
サバイバル…。
(深沢)サバイバーズ・ギルト。
災害や事故事件なんかで大勢の人が死んだとき生き残った人間が自分が助かったことに対して罪悪感を感じる心の動きのことだ。
宮田ゆきが事件に巻き込まれたことに責任を感じてるのかもしれないわね。
親友を守ってあげられなかったって。
(白石)あの子お前と塚本に千山事件の犯人はまだ捕まってないって言ったんだろ。
それ自分のことか?それは分かりませんけど。
(倉田)今後はそういった心情面への配慮も必要かもな。
桜木明日からの聴取いったんこっちに預けろ。
はい。

(ノック)・
(秋絵)春菜ご飯ここ置いとくから。
お母さんね春菜は悪いことしてないって信じてるから。

(倉田)おはようございます。
(高峰)おはようございます。
(秋絵)おはようございます。
(倉田)お母さんはこちらでお待ちください。
(秋絵)はい。
(倉田)それじゃあ行きましょうか。
ちょっといいかな。
(男の子たち)はい。
この人見たことない?
(男の子)見た。
(深沢)間違いないか。
(男の子)たぶんねえ。
(男の子)うん見た見た。
いつだ。
(秋絵)娘がご迷惑をお掛けしてホントに申し訳ありません。
(高峰)まだお嬢さんが犯罪を犯したかどうかは分かりません。
お掛けください。
(秋絵)信じてはいるんですけどでもあの子何か隠してるみたいで。
子供が隠し事をするのは普通のことです。
うちの娘もいたずらすると隠しますよ。
すぐ顔に出ますけど。
お嬢さんいらっしゃるんですか?ええ。
(秋絵)刑事さんのお子さんならしっかりしてらっしゃるでしょうね。
今回のようなこともきっとないでしょうし。
どうでしょう。
わたし娘のことを無条件に信じないようにしてるんです。
えっ?
(高峰)刑事の仕事を続けてきてたくさんの犯罪者と接していると彼らが必ずしも特殊な人間じゃないってことが分かってきます。
だから自分の娘が被害者や加害者になる可能性もゼロじゃないって。
強いんですね。
普通の母親です。
何か実際にあったらきっと動揺すると思いますし。
(塚本)ずっと黙ってるとしゃべり方忘れちまうぞ。
こんなの大したケガじゃねえし。
あんときマジでびっくりしてたろ。
本当はあそこで何しようとしてたんだ。
じゃあさゆきちゃんの話聞かしてくんないか。
親友だったんだろ?ゆきちゃんのどんなこと?
(春菜)《カワイイきらきら》
(ゆき)《どう?気に入った?》
(春菜)《うんありがとゆきちゃん》
(ゆき)《それでね。
ほら見て。
わたしもお揃い》
(春菜)《本当だカワイイ》《わたしもゆきちゃんの誕生日プレゼントお揃いのものにしよっと》
(ゆき)《まだ早いよ》《11月だよわたしの誕生日》
(春菜)《今から考えとくの。
楽しみにしててね》
(ゆき)《うん》《どう?カワイイ?》
(ゆき)《あっカワイイ》《やった》
(深沢)最初の事件から5件目までは目撃情報なし。
赤い髪飾りの女の噂が広がったのも6件目以降か。
5件目までは慎重にやっていた。
赤い髪飾りも6件目から着けることにしたのかもしれないな。
やっぱり沢井春菜が犯人なんでしょうか。
違うと思うのか?彼女が宮田ゆきの死に罪悪感を感じてるならこんな事件起こさないんじゃないかと思って。
根拠のない感情論は捜査の邪魔だ。
事実と状況だけを踏まえて犯人像を絞り込んでいけば自然と。
不自然か。
深沢さん?いや何でもない。
(春菜)《カニ》
(ゆき)《あっカニ。
イェイ》
(塚本)お疲れ。
(深沢)今夜も張るんですか。
(塚本)あっ?
(深沢)寝不足が顔に出てるんで。
桜木みたいですよ。
あれと一緒にすんじゃねえよ。
(深沢)やっぱり沢井春菜が犯人だと?
(塚本)泳がせて現行犯で取っ捕まえるわ。
犯人だったら。
(深沢)違うって口ぶりですね。
お前何かつかんでんのか。
(深沢)まだ何も。
ちょっとした違和感ってとこです。
(塚本)勘かよ。
でも俺は勘だけで突っ走るつもりないんで。
理屈じゃ解決できねえよ。
俺はこのまま突っ走らしていただきますわ。
(深沢)よかったらどうぞ。
(塚本)おっ悪いね。
(深沢)1枚だけです。
(塚本)せこっ。
仲いいんだ。
いらねえ。
桜木。
桜木。
はい。
今日で何泊目?え〜と。
はっ臭いですかわたし。
エチケットっていうのは自分のためじゃなく周りの人間のためにあるの。
わたしはそういうのちゃんと用意したわよ。
すいません。
高峰さんも泊まり込みで捜査とかしてたんですか?そういうふうに見えないですけど。
(高峰)失礼ね。
事件の内容によるでしょ。
それはそうですけど何か親近感湧いちゃって。
お疲れ。
お疲れさまです。
このままいくとここで朽ち果てそうだなカメ。
この事件が解決するまで朽ち果てるわけにはいきません。
いい気合だ。
何か進展あったか?いえむしろ分からなくなりました沢井春菜のこと。
最初は彼女のこと犯人じゃないって感じたんです。
でも事件現場から逃げていく彼女を見て自分が間違えてたんじゃないかって。
状況証拠も目撃証言も沢井春菜が犯人だって示してるし。
カメ何に引っ掛かってる。
彼女が抱えてる痛みが何なのか知りたいんです。
千山事件を調べてほしいって言った本当の彼女の思いを。
痛みか。
動物殺傷事件と関係があるかどうかは分かりません。
けどそれを知らないと沢井春菜とちゃんと向き合えないと思うんです。
千山事件の遺族や関係者は毎年5月29日に現場を訪れる人が多いそうだ。
29に…あした?当日の30日に来る者は少ないようだ。
5年たった今もその日そこに立つことができないほど当事者の傷は深い。
痛みと向き合うのはつらいぞカメ。
人の痛みならなおさらだ。
覚悟を決めてやれ。
室長。
んっ?室長にもあるんですか?向き合うのがつらい痛み。
当然だ刑事だからな。
(白石)どうだ師匠。
新しい犯行予告見つかったか。
今んとこ空振りっすね。
特定のサイトに書き込まれてるわけじゃないっすから。
言い訳はいいから早く探しなさい。
(白石)頼むぞ師匠。
あしたは5月30日だ。
最初の事件が2年前の5月30日。
去年も同じ日に事件が起きてる。
今夜犯人が動く可能性高い。
深沢お前何やってんだい。
(深沢)不自然なんですよ。
事件が起きた現場周辺で沢井春菜が目撃されるようになったのは6件目以降です。
なぜそれ以前には目撃されていないのか。
(秋山)それは最初のころの犯行だから慎重になってたんじゃないんですか?
(深沢)俺も最初はそう思った。
でももし慎重にやるなら自分が住んでる地域から離れた場所で犯行を行うはずだ。
変か。
自分の通ってる中学で事件起こすってのは。
ええ。
それに6件目以降沢井春菜が事件現場に姿を現す理由なんですが。
えっ?どの学校に飼育動物がいるか確かめるためなんじゃないんすか?だって俺近所の学校に動物がいるかどうかっつうのは分かんないっすもん。
(深沢)犯行の下調べだとするといくら何でも目撃され過ぎなんだ。
慣れたから大胆になったなんてレベルじゃない。
(白石)確かに不自然だな。
やましいことがないからこそこそする必要がない。
目撃されても当然なんですよ。
特徴的な赤い髪飾りを着けてるのもそれなら説明がつく。
現場百遍。
すいません。
ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな。
(男子生徒)あの日って交流会では宮田さんのこと誰も見なかったよな。
(女子生徒)うん。
だから後から聞いてみんなびっくりしてたじゃん。
何でゆきちゃんがって。
でもゆきちゃんは最初から不参加って言ってたんだよね。
(男子生徒)そうですけど来たら分かりますよ。
係の人もいたし俺らもその辺で遊んでたんで。
もしかしたら裏から入ったんじゃないかな。
ありがとうございます。
犯人が別にいるとしたらこの靴跡の男か。
(大森)でも男の目撃証言ないんだよね。
ああ。
犯人がほかにいると仮定したら今度は目撃されな過ぎだ。
事前に現場の下調べをしてる様子もない。
赤い髪飾りの幽霊の次は透明人間が犯人とか?透明人間か。
その可能性もあるな。
そこ乗っちゃうんだ。
学校にいても違和感のない人間。
または下調べしに行く必要のない人間。
《事件当日宮田ゆきちゃんは裏門から入った》《誰にも気付かれずにその場所に行きたかったから》《秘密?》《彼女はここで犯人と遭遇し殺された》《ゆきちゃんはここで何をしていたのか》《事件当日ここにあった物》《グラウンドの備品お菓子の入った段ボール参加した子供たちのリュック》
(女子生徒)《事件の後春菜すごい変わったよね》
(女子生徒)《うん全然笑わなくなった》《春菜ゆきちゃんのこともショックだったと思うけど》
(女子生徒)《あああの男の子のこともね》
(女子生徒)《え〜何だっけ名前》
(パトカーのサイレン)
(倉田)抵抗するな。
飼育動物連続殺傷の容疑だ。
100件近くサイトチェックして今回は先回りさせてもらったよ。
目撃されないわけだ。
飼育動物推奨会職員のお前なら現場の下調べする必要ないからな。
あ〜!わ〜!
(白石)おい逃がすな!あ〜!塚本さん。
何でここに?
(塚本)俺ら刑事と一緒だよ。
この子はなずっと犯人追ってたんだよ。
自分がこの事件止めるつもりで。
そうだろ?
(谷口)ちょっと乱暴な扱いやめてくださいよ。
別に人殺したわけじゃないんですから。
(塚本)あっ?
(谷口)動物殺したって3年以下の懲役か罰金でしょ?こんな大騒ぎすることないでしょうが。
(塚本)てめえ。
(春菜)どうして?どうしてこんなことできるんですか?こんなひどいこと何でできるんですか?あのとき君が泣いてたから。
泣いてたろ千山事件で死んだ友達のこと思って。
だからウサギが死んだらもっと悲しむかなって。
やってみたかったんだ。
阿久津みたいに自分より弱い生き物をたくさん殺すこと。
だからウサギを殺した。
ウサギが死んで悲しむ子供たちをいっぱい見たかったんだ。
だからどうして。
だって面白いから。
わっ!
(深沢)塚本さん。
(塚本)人が傷つくの見てそんなに面白えか!塚本さんそれやっちゃまずい。
(塚本)この野郎!おい弁護士呼んでくれ。
人権侵害したぞこの刑事。
おい俺はな俺はな阿久津とは違うんだ。
動物で我慢してんだ。
何が悪いんだ。
何で自分で犯人捕まえようなんて思ったの?
(春菜)嫌だったから。
弱い生き物が殺されていくの。
危ない目に遭うかもしれないのに。
(春菜)わたしが殺されて殺人事件になったら警察もちゃんと捜査してくれたでしょ。
(塚本)お前な。
別にわたしはそうなっても仕方ないから。
高野優也君。
覚えてるよね。
小学校5年生のときの隣のクラスの子。
ご両親が保管してたの。
(ゆき)《まだ渡してないの?それ》
(春菜)《だってタイミングないんだもん》
(ゆき)《高野君の机かげた箱にこっそり入れておけばいいじゃん》
(春菜)《でも高野君が見つけたときにほかの子が一緒にいたら恥ずかしいよ》
(ゆき)《う〜んそっか》《あっじゃあわたしが届けようか?》
(春菜)《ホント?》
(ゆき)《うん今度のこども交流会のとき》《みんな遊んでる間なら簡単に忍び込めるし高野君のリュックに入れておけば誰にも見られないでしょ》
(春菜)《大丈夫かな》
(ゆき)《大丈夫うまくいくって》《その代わりその日の飼育当番春菜ちゃん代わりにやってね》
(春菜)《うん》
(春菜・ゆきの笑い声)・
(戸の開く音)・
(パトカーのサイレン)怖くて。
どうしていいか分からなくて誰にも言えなかった。
わたしのためにゆきちゃんがあそこに行ったこと。
事件の後お母さんも友達もみんな優しくてそのたびに苦しくなった。
わたしは友達を死なせた人間なのに。
わたしがゆきちゃんを殺した。
(塚本)千山事件の犯人まだ捕まってねえっつってたよな。
沢井春菜。
千山事件の被害者宮田ゆきの死にかかわった疑いで逮捕する。
(塚本)もういいんじゃねえか?あなたはじゅうぶん苦しんだから。
もう自分を許してあげていいと思う。

(泣き声)ゆきちゃん。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
《どう?カワイイ?》
(ゆき)《あっカワイイ》《やった》
(春菜)《大事にするね》
(ゆき)《うん大事にしてね》村山さん。
ご苦労さんだったな。
これみんなで。
ありがとうございます。
入ってください。
お茶入れますから。
(村山)いいよいいよ所轄の人間には敷居高えんだ。
事件持ち込んだときはずかずか来てたじゃないですか。
(長嶋)あっいらしてたんですか。
ちょいとごあいさつにね。
今回はありがとうございました。
担当がしっかり捜査しましたから。
わたしはほとんど役に立ってませんけど。
(村山)大丈夫だ役に立つなんてはなっから期待しちゃいねえ。
分かってますよ。
それに解決してもちょっと複雑で。
(村山)あっ?事件に巻き込まれた子供たちの心の傷はきっと簡単に消えると思えませんから。
そりゃそうだ。
刑事は神様じゃねえ。
でもな俺の心はちっとは救われたよ。
村山さん。
仕事戻んな。
俺はあしたでただのじじいに戻る。
桜木泉巡査部長。
後のことはよろしく頼んだ。
村山さん。
お疲れさまでした。

(三井)係長資料です。
(倉田)あっありがとう。
(高峰)失礼いたします。
私警視庁の高峰と申しますが。
(深沢)定期的な確認のお電話で。
(白石)何か思い出されたことなどないかと思いましてはい。
(塚本)え〜それはですねですからあのそれはあの言葉のあやと言いますか。
あっ?いやそれを言うんでしたらそっちの言い方もおかしいんじゃないすかね。
ええええです…もしもし。
もしもし!もっもし…。
(倉田)塚本。
お前やっぱり倉庫の整理行ってくれ。
(三井)塚本さん頼もしくな〜い。
(塚本)やだちょっと三井ちゃん三井ちゃん。
《杉並事件》《ああ。
6年間消えない痛みを与え続けている事件だ》《いや俺だけじゃない。
高峰にも》《その痛みは消すことも癒やすこともできない》《同じ場所にとどまっているかぎりはな》2015/11/04(水) 14:55〜15:50
関西テレビ1
絶対零度〜未解決事件特命捜査〜 #06[再][字]

「未解決事件が遺す心の痛み」
上戸彩 宮迫博之 山口紗弥加 丸山智己 杉本哲太 北大路欣也

詳細情報
番組内容
 「学校飼育動物連続殺傷事件」の捜査を続ける4係。事件の第一発見者である沢井春菜(福田麻由子)を重要参考人とし、春菜に任意の事情聴取を行うことになった。しかし春菜は深夜になっても家に帰宅していない。春菜を捜しに出かけようとする桜木泉(上戸彩)と塚本圭吾(宮迫博之)のもとに、科捜研から次に動物殺傷事件が起こることが予想される場所が分かったという連絡が入る。泉と塚本が現場へ到着すると、
番組内容2
そこには春菜がいた。塚本は逃げる春菜を捕まえようと腕を掴んだ際に、春菜から腕をナイフで切りつけられ負傷してしまう。
 一方、春菜の家を取り調べに行った高峰涼子(山口紗弥加)と深沢ユウキ(丸山智己)は、春菜のパソコンから動物虐待の裏サイトへアクセスした履歴を見つける。春菜と事件の関与がますます疑わしいものになり、春菜の捜索が強化された。そして、同日の深夜、ネットカフェにいる春菜が発見され、
番組内容3
春菜の事情聴取をすることになった泉。春菜は「動物を殺したら、死刑になる?」と泉に質問をし・・・。
出演者
上戸彩 
宮迫博之 
山口紗弥加 
丸山智己 
北川弘美 
木村了 
中原丈雄 
杉本哲太
 ・ 
北大路欣也 

ほか
原作・脚本
【脚本】
酒井雅秋
監督・演出
【企画】
成河広明

【プロデュース】
森安彩

【アソシエイトプロデューサー】
瀧山麻土香

【演出】
村上正典 
岩田和行
音楽
【メインテーマ】
「Dry Town〜Theme of Zero〜」LOVE PSYCHEDELICO

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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