NHKニュース7 2015.11.04


新しい時代を迎えました。
日本郵政と、傘下のゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社は、東京証券取引所に株式を上場しました。
民営化に大きくかじを切ったこの人も。
こんばんは。
ニュース7です。
日本郵政と、傘下の金融2社はきょう、東京証券取引所に株式を上場しました。
時価総額は3社を合わせて15兆円を超え、28年前のNTTに次ぐ、大規模な上場となりました。
寄りつきました。
ゆうちょ銀行、寄りつきました。
日本郵政も寄りつきました。
都内の証券会社です。
注目された3社の上場。
最初の値は、3社とも売り出し価格を上回りました。
28年前のNTTに次ぐ、大規模な上場。
こちらの証券会社では、新規に口座を申し込む人が、先月は通常の3倍を超えたということです。
都内に住む60代の女性です。
売り出し価格が決まった先月、日本郵政とゆうちょ銀行の2社の株式を購入しました。
きょうは、日本郵政の株式が値上がりしたところで、一部に売り注文を出し、2万円を超える利益が出ました。
今回の上場、街の人は。
きょうの会見で、日本郵政の西室社長は、決意を語りました。
日本郵政グループの組織は、ご覧のようになっています。
持ち株会社の日本郵政の下に、貯金事業を行うゆうちょ銀行、保険事業を行うかんぽ生命、そして郵便事業を行う日本郵便の、この3つの子会社があります。
今回、上場したのは、日本郵政とゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社で、日本郵便は上場していません。
スタジオには、経済部の野口記者です。
野口さん、なぜこの子会社の2社は上場して、日本郵便は上場しなかったんでしょうか?
ゆうちょ銀行とかんぽ生命については、今後、株式の売却が進めば、政府の規制がなくなって、民間企業と同じ土俵で競争できるようになります。
このために上場したんです。
一方、日本郵便は、郵便配達の事業など、公的な性格が強く、全国一律にサービスを提供するユニバーサルサービスが、法律で義務づけられています。
このため、上場はそぐわないとして上場しませんでした。
ようやく、この3社、上場したわけですけれども、今後の経営課題としては、どんなことが挙げられますか?
上場したということは、国内外の投資家から、厳しい視線を向けられるだけに、成長戦略をきちんと示すことが必要です。
例えば、ゆうちょ銀行では、利用者から預かる貯金を元手にした、資産運用の強化を通じて、収益力の引き上げが求められます。
一方、日本郵政の評価は、中核子会社の日本郵便の業績と密接に関わっています。
日本郵便の経営は、郵便事業が昨年度、赤字となるなど、決して安定していません。
このため、日本郵便の収益力の向上、つまり、いかに稼ぐかが、日本郵政の課題になっているのです。
さらなる効率化を進めようと、日本郵便では、こうしたメガ拠点と呼ばれる巨大な物流拠点を、全国で整備する計画です。
ことし5月から稼働を始めたこちらの施設。
郵便物を配達先ごとに分類する物流拠点です。
これまでの拠点だった全国の駅前の郵便局と比べ規模が大きく、交通の便がよい郊外に整備されています。
総務省の試算では、全国の郵便局のうち8割で、郵便事業が赤字です。
このため日本郵便は、郵便物の集配業務の機能を集約するなどして、郵便局の数を維持しながら、効率化を進めています。
さらに人口減少やインターネットの普及で、国内の郵便物が減る中、海外事業の強化も進めています。
ことし5月には、オーストラリアの物流最大手、トール・ホールディングスを買収。
若手の職員などを派遣し、50か国以上に拠点がある国際物流のノウハウを取り込んでいます。
全国一律のサービスを維持しながら、どう成長を図るのか。
日本郵便は難しいかじ取りを迫られます。
上場初日の3社の株価の終値は、日本郵政が1760円などとなりました。
これまで、政府が100%保有していた日本郵政の株式。
今回、売りに出されたのは11%で、株式の売却益は、すべて東日本大震災の復興財源に充てられます。
次です。
1949年の分断後、半世紀以上行われていなかった、中国と台湾の首脳会談。
その会談が、3日後の今月7日に行われることになりました。
中国と台湾、双方にとっての歴史的な会談。
それぞれどんな思惑で臨むんでしょうか。
歴史の新しいページ。
台湾の新聞各紙は、首脳会談の開催決定を大きく伝えました。
中国の国営テレビも。
1949年、蒋介石率いる国民党政権が、共産党との内戦に敗れて台湾に逃れてから、敵対関係が長く続いた、中国と台湾。
一つの中国を原則とする中国に対して、李登輝総統は、台湾を国と位置づけた、いわゆる二国論を発表。
中台の対話が途絶えます。
その後の民進党の陳水扁政権も、独立志向が強いと見なされ、関係が悪化します。
これに対して、2008年に政権を奪回した、国民党の馬英九総統は、中国との関係を強化するため、窓口機関による対話の枠組みを復活。
中台間の直行定期便の就航などを実現させました。
しかし去年、中国との経済関係強化を目指す協定の締結に反対し、学生たちが議会を占拠。
馬政権が進める中国との融和策には、警戒感も広がっています。
中国の習近平国家主席と、台湾の馬英九総統の歴史的な会談は、今月7日にこちらのシンガポールで行われます。
シンガポールは、これまでも中台の交流に重要な役割を果たしてきた国で、双方が受け入れやすい場所です。
中国側は、会談は双方が指導者の名義で行うとしています。
ただ、国家主席や総統の肩書では呼ばずに、日本語で誰々さんのニュアンスに近い、先生と呼び合うとしています。
なぜ、肩書ではなく、先生と呼び合うんでしょうか。
中国で取材している記者は。
指導者どうしの対等な会談とすることで、尊厳を求める台湾側に配慮をした一方、国対国の関係に見えないように、主席や総統と呼び合うことは、避けたいんです。
階段に踏み切りましたのは、台湾海峡の緊張緩和を印象づけて、来年1月の台湾総統選挙で、国民党を側面から支援するねらいと見られます。
ただ、共産党は、野党の民進党が政権を奪回する可能性が高いと見ています。
民進党とは今のところ、対話のチャンネルがありませんので、今のうちに首脳会談の前例を作って、政権交代してからも、首脳どうしが意思疎通できる仕組みだけは、作っておこうという考えもありそうです。
一方、首脳会談について、台湾の市民は。
馬総統は、なぜ首脳会談の開催に踏み切ったのか。
取材した記者は。
台湾の馬英九総統は、支持率の低迷が続き、任期満了も来年5月に迫っているので、首脳会談を、みずからの歴史的な功績にするねらいがあると見られます。
さらに、国民党こそが、安定した中台関係を維持できると印象づけて、野党の民進党をけん制し、劣勢が伝えられる国民党の候補を後押ししたいという思惑もうかがえます。
これに対して野党の蔡英文主席は、会談の発表を、早速批判しました。
台湾では馬英九政権の急速な中国への接近に、警戒感が広がっていて、首脳会談の実現が、国民党の巻き返しにつながるかどうかは、不透明な情勢です。
続いても中国が大きく関わる、南シナ海の問題です。
きょう開かれたASEAN拡大国防相会議。
問題解決に向けた対応を打ち出せるか注目されていましたが、この場でも、アメリカと中国が対立して、共同宣言を採択できない異例の事態となりました。
ずらりと並んで手をつなぐ、ASEANとアメリカ、中国など、総勢18か国の国防相。
しかし、共同宣言を採択できず、南シナ海問題の解決に向けた強いメッセージを打ち出せませんでした。
ASEAN加盟国のシンガポールのメディアは。
なぜ、異例の見送りになったのか。
現地で取材した記者は。
中国国防省は、共同宣言が採択できなかったことについて、談話を発表。
域外の国家が、議論と関係のない内容を無理やり入れようと企てた。
すべての責任は、域外国家にあるとして、アメリカが原因だと強く非難しました。
昨夜の米中国防相の直接会談でも、常万全国防相は、南シナ海の問題は、中国の核心的利益と関係していると述べ、妥協する意思がないことを明確に示しています。
今回の一連の会議。
この問題を巡る米中の溝の深さが強調される形になりました。
次です。
TPP・環太平洋パートナーシップ協定の大筋合意から、あすで1か月です。
きょう、新たに農林水産省が明らかにしたのが、牛肉や豚肉などの畜産物。
そして、マグロやアジ、サバといった水産物など合わせて19品目への影響です。
それによりますと、牛肉や豚肉は、長期的には価格が下落する可能性があるとしています。
輸入牛肉を使っている焼き肉店です。
TPPによって、仕入れ価格が下がる可能性もあると、期待を寄せています。
首都圏で120店舗余りを運営する焼き肉屋チェーンです。
牛肉のおよそ80%を、アメリカやオーストラリアなどから輸入しています。
牛肉の関税は、現在の38.5%が、段階的に引き下げられ、16年目に9%となります。
きょうの農林水産省の発表では、牛肉は関税の引き下げによって、長期的には、外国産と競合する比較的安い肉用の雄のホルスタインを中心に、国内産全体の価格が下落する可能性もあるとしています。
豚肉は、当面は、輸入の急増は見込みにくいとしています。
ただ長期的には、国内産の価格が下落する可能性もあるとしています。
生産者の受け止めは。
島根県江津市の養豚農家です。
豚肉のブランド化に取り組み、安定した収益を確保してきましたが、外国産に押され、経営が圧迫されると心配しています。
一方で、チャンスにつなげるべきだと考える畜産農家もいます。
香港やシンガポールなどに牛肉を輸出している畜産農家です。
また乳製品の影響も公表されました。
7万トンの新たな輸入枠が設けられるバター。
最近は年末にかけて品薄になる年が続いていましたが、新たな輸入枠によって、バター不足の解消につながることが期待されています。
その一方、チーズでは、関税の撤廃によって、長期的には国内産の価格が下落することで、乳製品の原料となる生乳の価格も下落する可能性があるとしています。
北海道広尾町で、乳牛およそ80頭を飼育する酪農家は。
そして水産物です。
アジとサバ、マグロ、サケとマスについては、いずれも影響は限定的だと見込まれるとしています。
ただ、長期的には、価格が下落する可能性があるとしています。
こうした影響について、農林水産省は、自民党の農林関係の会議で説明しました。
小泉農林部会長は。
次です。
最高裁判所の大法廷で、弁論が開かれました。
夫婦別姓を認めない民法の規定が、憲法に違反するかどうかの裁判です。
こちら、結婚して夫婦になると、例えばこのように、同じ名字に。
つまり夫婦同姓になります。
夫婦の名字を同じにするという、明治時代からの民法の規定があるためです。
現状は96%のケースで、妻が夫の名字に変えています。
ただ、働く女性が増えることで、不都合も起きています。
名字が変わることで、それまでのキャリアが途絶えてしまう。
旧姓を使い続けたとしても、銀行口座が戸籍に基づく新しい名字になると、振り込みなどでトラブルになるといった声があります。
一方で、家族の絆が弱くなるといった、反対の声もあります。
早ければ年内にも、言い渡される見通しの判決。
最高裁がどのような判断を示すか注目されます。
原告の一人で、行政書士の小国香織さんです。
結婚して戸籍上は夫の名字になりましたが、仕事では旧姓を使っています。
しかし、行政書士として公正証書などに署名するときは、戸籍名を使うことになっています。
顧客には、そのつど説明する必要があるといいます。
さらに、夫の名字にすることで、自分がいなくなってしまうような喪失感を覚えたといいます。
夫婦別姓について、国民の意見は分かれています。
3年前の世論調査では、今の法律について、改めてもかまわないと、改める必要はないが、35%前後でほぼ同じ割合に。
夫婦別姓に反対する意見には、家族の絆が弱くなる、親子で姓が違うことになり、子どもがいじめに遭いかねないといったものがあります。
ただ職場では、旧姓の使用を認める動きが広がっています。
一部上場企業などを対象に、おととし行われたアンケート調査で、旧姓の使用を認めている企業は、64.5%に上っています。
さらに海外では、欧米を中心に、多くの国で、夫婦は同じ名字にすることも、別々の名字にすることもでき、各地で選択の自由を認める動きが広がっています。
きょうの最高裁での弁論。
原告側は、ほとんどの夫婦が夫の名字で、男女差別だと訴えました。
一方、被告の国側は、民法の規定は、夫婦どちらかの名字を選ぶというもので、差別ではないと反論しました。
原告の小国さんは、大法廷でこう意見を述べたといいます。
夫婦別姓を認めない民法の規定は、過去、改正が検討されたことがあります。
平成8年、国の法制審議会は、希望すれば夫婦別姓を選択できることなどを盛り込んだ改正案を、当時の法務大臣に答申しました。
しかし、当時の与党内から反対の意見が出たことなどから、法務省は国会への提出を見送りました。
女性の社会進出が進む中、明治時代からの規定に、どのような判断が示されるのか。
最高裁は、早ければ年内にも判決を言い渡す見通しです。
ニュースを続けます。
ことしは従来より4か月遅い8月に解禁された、大手企業の採用面接。
その課題を検証する政府の会合が開かれ、経済団体側は、学生から中小企業の就職内定を辞退されるケースが相次いだなどとして、面接時期を6月に前倒ししたいという考えを示しました。
これに対し、大学側は、6月は授業の真っ最中だなどとして、面接時期を8月から変更しないよう求め、意見が食い違いました。
これを受けて会合では、来年の就職活動に向けて、年内に検討結果を取りまとめることにしています。
ラグビー日本代表の五郎丸歩選手。
世界最高峰のプロリーグ、スーパーラグビーに挑戦することが、正式に決まりました。
ワールドカップでベストフィフティーンに選ばれた五郎丸選手。
スーパーラグビーのオーストラリアのチーム、レッズが、五郎丸選手の入団をきょう発表しました。
スーパーラグビーは、オーストラリアをはじめ、ニュージーランドと南アフリカのチームで構成され、来シーズンからは日本とアルゼンチンのチームも参加します。
五郎丸選手は、来年2月に、日本でのシーズンが終了したあと、レッズに合流する予定です。
その五郎丸選手、きょうは所属チームの地元、静岡県磐田市の市役所を訪れ、まずは国内リーグ開幕に向けた意気込みを話しました。
国内のトップリーグは、今月13日に開幕します。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
けさは幻想的な光景が見られました。
京都府北部の大江山連峰です。
この時期、穏やかに晴れて、冷え込んだ朝に見られる雲海です。
太陽が昇り始めると、雲海は赤く染まっていきました。
まさに雲の海に、山が島のように浮かんでいるような風景ですね。
さあ、きょう日中はよく晴れました。
そして今、暖かな空気が流れ込んできているんです。
それは、今、北海道の北を低気圧が通過中です。
これに向かって、この時期としてはかなり暖かな空気が、特に北日本を中心に流れ込んできています。
この状態、あすの日中まで続く見通しです。
さらにあす日中、各地で日ざしもありそうです。
このため、気温がぐんぐん上がりそうです。
札幌は最高気温18度、平年よりも6度高い予想です。
そのほかも20度以上で、平年と比べると2、3度高い所が多くなりそうです。
2015/11/04(水) 19:00〜19:30
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽郵政3社きょう上場 ▽中台 初の首脳会談へ 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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