偽装の夫婦 #5【天海祐希主演「恐怖の四角関係パーティー」】 2015.11.04


常に絶やさない女王様スマイルは世を忍ぶ仮の姿
実はとんでもない人間嫌いの嘉門ヒロは人生でたった一度だけ愛した男陽村超治と25年ぶりに再会を果たすがなんと自分を捨てた男は実はゲイだった
それどころか余命半年と宣告された母に真実を明かせない超治に頼まれ理想の…もとい偽装の夫婦を演じるはめになってしまった…はずだったんですけどねぇ
超治の母は仮病だって分かるしそれを彼には言えないし…ってなことしてるうちヒロと超治の関係にも微妙な変化が表れ…
(水森しおり)お友達は偽装結婚したゲイの方のことを本当に好きになってしまったんじゃないでしょうか?
(ドアが開く音)
(陽村超治)あ…。
あっごめん朝飯作れなくて。
すっごい二日酔いでさ。
(嘉門ヒロ)全然大丈夫です。
いつも作ってもらうのも申し訳ないので。
何か微妙に怒ってない?全然見てくんないしこっち。
私は本に集中したいだけで。
あ〜。
なぁヒロ俺昨日何か変なこと言ってなかった?全然覚えてないんだけど。
別に大したことは。
保君に告白したと。
あぁ…記憶がよみがえって来た。
なぁなぁついでに聞くけどさ何かこう体中あちこちすっげぇ痛いんだけどお前何か知らない?え?私に甘えんのやめてくんねえかな!ちょちょっ…!痛〜い!内出血してんだよ見て見てほらほらすごくない?これ。
ここ…ここん所これぶつけた痕だよね?急がないと仕事に遅れますよ。
ねぇねぇ…ヒロ。
あのちょっとお願いが…。
お断りします。
何も言ってないじゃんまだ。
言わなくても分かります保君のことだって。
そんなこと言わないでさ保君昨日のことどう思ってるかちょっと探って来てくれよ。
自分で行ったらいいじゃないんですか?自分でまいた種なんだから。
怖くてできるわけないじゃんそんなこと!酔った勢いで好きって言ったらドン引きしてたんだから保君。
(弟子丸)す…すいません急用思い出したんでか…帰りますあっちょっと保君!頼むよヒロ〜伝えてほしいんだ好きって言ったのは決して変な意味じゃなくてかわいい後輩としてだって。
第一俺にはほらヒロっていう妻がいるんだし。
でも私はホントの妻じゃないですから。
またそんなこと言う!だってこのままじゃ保君と会ったって目も合わすこともできないじゃん俺。
ねぇお願いお願いだから!いってきます。
あ〜!び…びっくりした。
お義母さん?母さん!ちょ…ちょっと何やってるの?こんなとこで。
大丈夫?
(陽村華苗)あぁ…ごめん。
いつの間にか眠っちゃった。
「眠っちゃった」って何だよそれ何で入って来ないんだよ?もしかして具合悪いの?大丈夫?病院行こうか?大丈夫よここまで来たはいいけど入りそびれちゃっただけで。
ほらヒロさんが妊娠してないっていう衝撃の事実があんまりショックだったから。
何だよまだ怒ってんのかよ。
ヒロだって悪気があってやったわけじゃないんだからさ。
あっいいからあんたはここにいてちょうだい。
ヒロさんにちょっと話があるから。
ちょ…ちょっと。
ちょっと待ってちょっと何それ。
(鍵をしめる音)ウソ!?ヒロさん。
はい。
この前はごめんなさいね反省してるの。
私もちょっと大人げなかったかな〜って。
はい?人にはついていいウソと悪いウソがありますよく考えたら私がガンだってウソついてること超治には秘密にしてくれてたんだもんねヒロさん。
妊娠したってウソなんかついて結婚までしたかったあなたの気持ち考えたら何だか胸が痛くなっちゃったの。
そうですか。
でもねヒロさん諦めちゃダメなのよ。
「諦めちゃダメ」とは?赤ちゃんに決まってるじゃない大丈夫よヒロさんなら。
ジャガー横田さんなんて45歳で出産したんだから!あの〜お義母さん…。
あっ痛ったい!超治いつまでもこんなとこにいないで私の荷物早く持って来てちょうだい!これが高齢出産の人が書いた手記ね。
そしてこれがどうやったら子供ができやすいか書いてある医学書関係。
お義母さん私達の場合…。
あの…あ…さすがに無理だよ。
俺だってもう若い頃ほど元気じゃないし。
そう言うと思ってあんたにも買って来たの精のつくもの。
伊勢芋でしょすっぽんのスープ。
スタミナドリンク。
強力サプリメント!ちょっと勘弁してよ母さん。
大丈夫よ2人の赤ちゃんならかわいいに決まってるから。
ヒロさんも照れていないで積極的に行かなくちゃ。
男性をその気にさせる下着も買って来たから。
は〜い排卵日にはこれで頑張ってね。

(ベル)
(真理)嘉門さんお電話ですよ。
はい。
(真理)ご主人から。
いいですね〜いつまでもラブラブで。
いえ決してそういうわけでは。
(須藤)ダメですよ小田さん。
(真理)はい?いつまでも「嘉門さん」なんて。
結婚なさってもう「陽村さん」なんだから。
あ〜そうでしたねすいませ〜ん。
館長私は今まで通り「嘉門」でも別に…。
私はもう諦めました再婚は。
はい?どうせ私のような男の良さを分かってくれる女性は亡くなった妻ぐらいのもんだし。
あの…館長。
小学校の頃授業で答えが分かってるのに先生に当てられなくて答えが分からない時に当てられる奴っていたでしょ?そんな人間なんです私は。
もしもしお電話代わりました。
かも…陽村ですが。
もしもし俺俺。
何かいいね〜!「陽村です」って本物の夫婦みたいで。
あの仕事中は職場に電話せずケータイにメールしてもらえますか?あ〜あ〜悪い悪いでもさぁなかなか返事来ない時あるじゃん。
あれ耐えらんなくてさ俺。
用件は何ですか?一体。
母さんが来たから話が途中になっちゃったんだけど保君のことなんだけど。
その件なら話は終わったはずですけど。
そんな冷たいこと言うなよ〜。
これからもう会えないかと思うと仕事も手に付かなくてさ。
仕事中ですので切りますよ。
ちょっちょっ…ちょっと待って分かった分かったからじゃあさ保君にメールだけ打ってくんないかな?
(通話が切れた音)あれ?もしもし?ヒロ?ヒロ?あいつホントに切りやがったよもう!
(すみれ)園長代理は奥さんのどこが好きで結婚したんですか?いや…そそれは…。
もちろんあれですよあのほら…愛し…愛してるからですよ。
どうしたんですか?原先生改まって。
もしかして好きな人でもいるんですか?いたんですけど結婚しちゃいました相手の人。
そうなんですかふ〜ん。
じゃあその人知らないんだ原先生の気持ち。
鈍感だねぇそいつ。
好きな人に本当の気持ち言えないのって…。
つらいよなぁ。
(男性)返却お願いします。
はい。
こんにちは。
こんにちは。
薦めてもらった本どれも面白くてあっという間に読んじゃいました。
また何かいいのあったら教えてください。
分かりました。
あの…。
それから…。
はい?あっいや…やっぱ大丈夫です失礼します。
もしかしてしゅ…。
主人のことですか?何で分かるんですか?昨日あなたに誤解されるようなことを言ってしまったと激しく後悔してましたので。
誤解ってことは…。
「好き」って言ったのはあくまでかわいい後輩としてだそうです。
あぁ…!ですよねぇ!焦った!ご迷惑をお掛けしてすみません。
でもここだけの話超治さん俺と話す時結構いろいろな所タッチして来るんですけどあれは?癖なんです男でも女でもすぐ友達になった気で。
じゃあ「2人で旅行行かないか」って誘われたんですけどあれは?あくまで友達として気軽な気持ちで誘ったんだと思います。
ですよねぇ!男が好きなら結婚するわけないしヒロさんと。
これからも仲良くしてやってもらえますか?あの人と。
もちろんです!ヒロさんにそう言ってもらえて安心しました。
あ…ご主人に謝っといてください。
「誤解してすいませんでした」って。
はぁ〜!
(ドアが開く音)ただいま。
おかえり〜。
どうしたんですか?う〜ん…。
保君に何てメール送ろうかなって考えてたら何か頭痛くなって来ちゃって。
喉も腫れて来たみたいだし風邪ひいたのかなぁ?そうですか。
おい!ちょっちょっ…ちょっと慰めてよ!ねぇ親友が具合悪いんだからさ。
あなたの電話を切った後すぐ保君が図書館に来ました。
へぇ〜…そう。
え!?ちょっ…ウソ!?ねぇねぇねぇヒロヒロ…!ちょっとちょっと…!ねぇねぇちょっとちょっと…それで?それで?あなたが言ったように話をしたら…。
うんうん。
「誤解してすみませんでした」と謝ってました。
やった〜!ありがとうヒロ!ありがとうヒロ!ハグしていいか?もうしてるけどさ!あ〜ホントに最高だお前ホントに優しい奴だな〜!あ〜…。
これからハグする時には私がいいと言ってからしてもらえますか?うん分かった分かったからさそんな堅苦しいこと言うなよ!親友なんだしさ!よし!今日はお詫びにお前の好きなものいっぱい作ってやるからな?あっ!あぁ…そうだそうだ。
すっごくいいこと思い付いた!私着替えて来ます。
いやいやちょちょちょっと…何何…ちょっと来て来て…。
座って座って…まだ何にも話してないじゃん何にも。
あなたが何かひらめいた時にはかかわらないことにしてるんです。
厄介事に巻き込まれたくありませんから。
そういうんじゃないから今回はねあの…心温まるっていうの?触れ合いっていうの?保君を家に招待しようと思って。
ほらホームパーティーみたいなことやるからって。
ホームパーティー。
うんだってまださ1対1で会う勇気はないし。
それに保君もヒロがいたほうが気が楽じゃない!それにほら!俺が作った料理食べたら好きになってくれるかもしれないし俺のこと!アハハ〜!いいことずくめじゃない!私には何のメリットもないような…。
何で何で…?お腹いっぱい食えるし…あっそうだヒロもさ誰か誘ったら?友達…あっ由羽ちゃんママは?だって披露宴にも来てくれたし友達として付き合ってるんだろ?ええまぁ。
よし!じゃあ俺由羽ちゃんママ誘うからヒロは保君誘って頼むよ!
(犬の吠え声)ねぇヒロ来てくれるんだよね?保君本当に。
招待を承諾してくれたと言ったはずですが何度も。
いや分かってるけどさ顔見るまで落ち着かなくてさ。
(チャイム)あ〜!来た〜!ちょっとちょっとヒロ出てよ出てお願いお願い!いらっしゃい。
こんばんは。
いらっしゃ〜い。
お邪魔します。
どうぞどうぞ。
由羽何て言うの?
(水森由羽)お招きいただきありがとうございます。
ハハハ…上手!由羽ちゃんジュースでいい?うん。
ちょっと待っててね。
あの…クッキー焼いたんでよかったら。
ありがとうございます。
あの…先日ご相談した件なんですけど。
ゲイの方と偽装結婚したお友達のことですか?あの…そのことは何といいますか…。
えっと…。
安心してください話題にしませんから。
ありがとうございます。
え?え?何の話?いやあの…別に。
あのどういう方なんですか?もう一人いらっしゃる方は。
あ…何といいますかあの…。
あの…うん。
ヒロのかわいい後輩っていうか弟子みたいなもんですよねぇ?ええまぁはい…。
(チャイム)あぁちょっとヒロ出てくんないかな?遅くなりましたすいませんこんな格好で。
ちょっ…どうしたのそんなに濡れて!来る途中川に犬が落ちて困ってるおじいさんがいたんで見て見ぬふりできなくて陽村さん家のホームパーティーだし自分的にはオシャレしたんで迷ったんですけど…。
早くシャワー浴びてもらって…。
あぁ…そうそうそう!保君!着替えとタオルここ置いとくね。
(弟子丸)・ありがとうございます・何やってるんですか?いや…。
別に。
これ…洗うんだよね?
(弟子丸)うまそうですね!でしょでしょ?たくさん食べてね。
よし!じゃあ乾杯しようか!ねぇヒロ音頭取って。
あの…何で私が?だって!今日はみんなヒロのために来てるんだから!言っている意味が全く…。
ここにいるのはみ〜んなヒロのファンなんだし!ファンクラブ第1回会合みたいなもんでしょなぁ保君!はい。
はい。
では…何といいますか…皆さんのご健康とご多幸…。
ちょ…ちょっと待って!そんな堅苦しいやつじゃなくてさこの場にふさわしい感じのこと言えないわけ?なぁ保君!
(弟子丸)あぁ…まぁ…。
フフ〜こんないい体して…。
これ持って帰っていいからね。
あっいいんですか?では保君の好きな言葉で乾杯しましょうか。
何ですか?好きな言葉って。
「世界平和」と「ライス大盛り無料」なんです。
いいね〜!お腹いっぱいになったらほら争い事もなくなるっていうし。
今日は大いに食べてみんな仲良くなりましょうっていうことで「世界平和」と「ライス大盛り無料」に乾杯!
(一同)乾杯。
あ〜!ハッハ〜!楽しいね今日は!あっ由羽ちゃんも保君もいっぱい食べてね!好き嫌いとかない?鶏大丈夫?
(弟子丸)はい。
由羽ちゃんちょっと待っててね由羽ちゃん肉好き?うん。
ちょっと待っててよでも保君先にやるから空揚げ大丈夫?
(弟子丸)はいお願いします。
由羽ちゃんちょっと待っててよ。
オレンジジュース飲んでておいしいからそのオレンジジュースもおいしいから。
すいませんでした。
あの子お腹がいっぱいになるとすぐ眠くなっちゃうんです。
俺もです何かおいしいもの食べたら幸せで。
じゃあさじゃあさ!ねぇねぇ!保君も泊まって行く?あ…いやあの…今日は朝まで飲み明かさない?みたいななぁ?ヒロ。
あまり無理に勧めないほうがお仕事もあるんだし。
分かってるよ!俺はただ今日は楽しいな〜って言いたかっただけで…あっじゃあもう一回乾杯しようよ!何度もしましたけど。
いいじゃん!こういうのはノリなんだからさちょっとヒロもほら座って…。
よし!じゃあ次は…水森さん。
由羽ちゃんママの好きな言葉で乾杯っていうのはどう?いいですね聞きたいな俺も。
水森さんはどんな言葉が好きなんですか?私はヒロさんの図書館で読んだ本の中でホーキング博士が言っていた子供達に伝えたい3つの言葉が好きなんです。
何て言ったんですか?その博士。
1つ目は「足元を見ないで星を見上げろ」。
2つ目「絶対に仕事を諦めるな」。
3つ目は「もし幸運なことに愛を見つけることができたらそれはまれなことであることを忘れず決して捨ててはならない」。
(弟子丸)何かいいですね。
今度読んでみますその人の伝記。
保君はもう愛を見つけましたか?あぁ…僕はまだ…。
私は見つけたと思っています。
由羽ちゃんのお父さんのことですか?彼とは別れました私に暴力振るうんで。
じゃあ今は別の男の人と?陽村さん達はもうご存じですけど私は女性しか愛せないんです。
そうなんですね…。
由羽ちゃんはそのことを…。
知ってるし応援してくれてます。
すごいですね。
あの…前から聞きたかったんですけど水森さんってどうしてそんなに堂々としていられるんですか?だってほら…レズビアンっていうだけで他の保護者の方からいろいろ誤解されるのに。
前の夫から受けた苦しみに比べたら何てことないです。
私が今一番すべきなのは由羽が周りを気にしないで自分の個性を伸ばして行けるように守ってあげることですから。
私は由羽にどんなことを聞かれてもウソをつかないで信頼される母親になりたいって思います。
何かうらやましいなぁ…あなたみたいに生きられたら。
いかがですか?園長代理先生も。
もし隠してることがあるなら…話したほうが楽になりますよ。
あ…あ…いや僕は…。
そうですよねすいません私と違って立場もあるしそんな簡単には行かないですよね。
あぁいや…そんなわけじゃ…。
保君はどう思いますか?私達みたいな人間のこと。
あぁ…すいません。
今まであんまりそういうこと考えたことなかったので。
でも誰を愛そうがそれは自由じゃないかなって。
じゃあゲイの方とお付き合いできる?それはどうかな…。
う〜ん…。
やっぱ無理ですねイメージ湧かないし。
ハハ…そうだよね!そうそうそう…俺もそう!イメージか!イメージね!イメージ…。
何かヒロさん静かですね今日は。
3人のお話を伺ってるだけでいろいろ何ていいますか勉強になりますので。
(弟子丸)ヒロさんって何で普段からそんな落ち着いて穏やかに笑ってられるんですか?私は別にそんな人間では…。
そうだよそうそうそう!こいつ結構性格悪いし人間嫌いで実はあれだよ?心の中で毒づいてたりするんだよ。
ウソ…信じらんない。
ううん…だって若い頃はねもっとフランクっていうかサバサバしたいい女だったんだけどね。
なぁ?ヒロ。
(弟子丸)あのよかったら教えてもらえませんか?お2人が出会った時のこと。
確か大学の同級生なんですよね?何か…キャンパスで初めてヒロを見た時そこだけ輝いてるっていうかあの…映画みたいにスローモーションで歩いて来るように見えて。
その時俺もいろいろ悩んでたから「あっ俺が待ってたのこいつだ。
こいつなら俺のこと分かってくれる」って思って。
ヒロさんは?私は「明るくてうるさい人だな」ぐらいで。
じゃあどうして付き合ったんですか?超治さんと。
この人にいつも引きずり回されてるうちに「あぁ何か…一緒にいるとやたら空が青く見えるな」とか。
この人とならどんなバカなことやっても恥ずかしくないなって思うようになって。
ハハ…思い出した!そういえばほら電車で突然踊りだしたら車掌さんにえらく怒られたこともあったなぁ!あとあれあれ!美術館でオブジェのふりしてたら追い出されて出禁になっちゃって。
何か楽しそうですね。
そんなことをしてるうちにこの人と一緒にいるのが当たり前のようになって。
この人とずっと一緒にいられたらいいなって思うようになって。
どうやって結ばれたんですか?え?いいんですか?そんなこと聞いて。
すごく興味があるんですお2人が結ばれた日のこと。
嫌なら諦めますけど。
初めて…大ゲンカしたんです。
何で?ヒロがいつまでたっても誕生日教えてくれないから俺がキレてそしたらこいつ泣きだして。
そんなの初めてだったからびっくりして訳聞いたら…。
3歳の時にヒロの両親が火事で亡くなったんですけどそれが…こいつの誕生日だったみたいで。
ご両親の命日と誕生日が一緒なんですね。
だからそれまで誕生日を祝ってもらうのが嫌だったんですけど。
そしたらこの人に怒られちゃって。
「誕生日は自分を産んでくれたことを両親に感謝する日だ」って。
「俺はお前に会えてこんなに幸せなんだからだからもう二度と誕生日が嫌だなんて言うな」って。
(弟子丸)ステキですね超治さん。
い…いやそんなことは…!それなのに何で別れたんですか?え?あ…それはあの…。
やっぱ超治さんがフラれたんですか?いや…。
俺がヒロのこと捨てたんだよ。
え?何でですか?それは…。
それは俺が…。
(チャイム)ちょっ…誰なの?こんな今頃…。
私が…。
はぁ…。
(名波八重子)ヒロちゃ〜ん!ごめんねこんな時間に!どうしたの?八重ちゃん。
あ…うんちょっとね。
近くまで来たからさヒロちゃんのラブラブの新居をのぞいてみようかな〜なんて思ってさ!あ〜どうもどうも!どうぞどうぞ上がってください。
あぁ…でも何かお客さんみたいだし…。
あっ失礼しま〜す。
そんなこと言わないで!残り物でよかったら料理もありますから。
そうよ八重ちゃん。
大丈夫です食べたばっかりなんでほら行くわよあんた達。
(名波真)腹へった〜。
(名波愛)私も〜。
何言ってんのよ〜!もうすぐお腹すいちゃうんだからもう…。
じゃあねヒロちゃん!超治さんもお邪魔しました。
どうも。
ほら行くわよ!ほらはい…。
ちょっと…追っ掛けたほうがいいんじゃないの?
(八重子)ん〜!へへ…フフフ…!ホントにいいの?八重ちゃん。
いいのいいの〜!ん?あの…何かあったんじゃ?フフ…全然全然!あ〜そうだ!見て見てこれかわいいでしょ?うちのパパに買ってもらったの前に。
じゃあね!旦那さんによろしくね!ほら行くわよほら!何やってんの…。
何かおいしいもん食べようかね。
何がいいかな?楽しかったなぁヒロ。
またみんな呼んでさちょくちょくやろうよ食事会。
何度も言いましたがお風呂のふたは上がったら閉めといてもらえますか?フフごめんごめん。
今日のステキな会話を思い出したらさ忘れちゃったんだよつい。
使った椅子を戻さないのはあなただけです。
後で座ろうと思ってたからだよ。
ていうかお前やっぱり何か怒ってるよね?いいチャンスだったから言えばよかったんじゃないですか?自分がゲイだって。
そんなこと言ったら俺達が偽装結婚だってバレちゃうじゃん。
じゃあ諦めたんですか?自分の気持ちを保君に伝えるのは。
そうじゃないけどさ…。
だって保君ゲイとは付き合えないって言ってたし。
このまま片思いでいるしかないのかなぁと思って。
あ〜この間原先生も言ってたんだけどさ好きな人に好きって言えないのってつらいなぁ。
(小俣)ねぇ「ほ」で始まる4文字の言葉で当てもなくさまようことって何かしら?彷徨じゃないですか?そっかそっか彷徨ね。
申し訳ありませんが他の方も読まれるのでそういうことは…。
(小俣)私も昔旦那が浮気した時2人の子供を連れて上野とかを彷徨したことがあったなぁ。
あれはつらかったわ。
(ベル)
(郷田照乃)もしもし?叔母さんヒロですけど。
何か用?あの…八重ちゃん何かあったんでしょうか?
(照乃)何で?昨日の夜子供達を連れて家に来たんですけどたまたまお客さんがいたんで帰っちゃったんです。
バカだねぇ。
旦那とうまく行ってないなら正直に言えって言ったんだけどめそめそ泣くだけで。
だからいいかげんにしろって追い返してやったよ。
それから連絡は?
(照乃)ないよ。
あの…天ちゃんは?
(照乃)出てったっきり。
2人とも何であんな情けない大人になっちまったか。
フフっ。
私があの子達の父親と結婚したのが間違いだったのかもそもそも。
叔父さんと結婚したこと後悔してるんですか?叔母さん。
あんたも超治って奴とこのままずるずるいたってろくなことないよ私には分かる。
女を絶対に幸せにできない男だよあいつは。
(通話が切れた音)
(振動音)もしもし。
(郷田天人)ごめんヒロちゃん仕事中?天ちゃんどこにいるの?
(天人)ごめん言いたくない。
そんなこと言わないでよ。
あれから叔母さんにも連絡してないんでしょ?何してるの?今。
(天人)ごめん図書館で本読んでる。
え?いるならいるって言ってよ。
(天人)ごめん今ちょっといいかな?用件伝えたらすぐ帰るから。
大丈夫だけど。
ねぇ八重ちゃんのこと知ってる?
(天人)もう随分前に旦那が家出てって離婚申し込まれてるんだあいつ。
何でそんなこと知ってるの?
(天人)この前旦那に聞きに行ったから。
脱サラして田舎で農業やりたいって言い出したのがそもそもの始まりで。
八重子は当然猛反対して旦那は結構優しい奴だから何とか説得しようとしたんだけどしまいにはキレちゃったみたいで。
「八重子といても心が安らがない。
お前が明るく振る舞えば振る舞うほどやることなすこと全てがウソっぽく感じる」って。
それで八重ちゃんは?「それでもいいから一緒にいてくれ」って泣き付いたらしいんだけど「そんなの偽装結婚みたいだ」…って旦那に言われたみたいで。
そうなんだ。
お…おっよし。
用件はこれだけだからもう帰ることとしよう。
相変わらず家族思いの長男だね天ちゃんは。
そんなこと…。
仕事とかどうしてるの?諦めずにマジック続けてるよ。
今は腹話術にチャレンジしてるんだ。
あぁ実はもう一つ用件があって。
ちょっとこれ使っていいかな?うん。
こんにちは「こんにちは」。
何かヒロちゃんに言いたいことがあるんだって?「うん実はそうなんだ」。
(天人)それは何だい?「うん実は僕…」。
「ヒロちゃんのことが好きだった」。
「小さい頃からずっと好きだった。
でもいとこだしヒロちゃんと俺が釣り合うわけないから。
どうしても言い出せなくて。
でも…自分の気持ちだけはちゃんと伝えとかなきゃいけないって気がして」。
う〜んお前何言ってるんだよ。
今更だよホントにそれ今更だうん。
あっヒロちゃんホントにあの今のなしっていうか気にしなくていいからじゃあ。
すみません。
聞くつもりはなかったんですけど…。
ヒロさんも見習ったらどうですか?前に話してた偽装結婚したお友達ってヒロさんのことですよね?超治さんのことが好きになってしまったんでしょ?やっぱり。
25年前彼と結ばれたあの日に帰りたいんでしょ?だったら素直にそう言えば…。
でも彼は…。
相手がゲイとかそんなこと関係ないでしょ。
好きな人に好きって言うことのどこがいけないんですか?お疲れさまでした。
お疲れさまでした。
(振動音)
(陽村の声)「この場所へ行け!おまえが必要だ!!!!!」何してるの?八重ちゃん。
あ…別に別に。
うちの旦那迎えに来ただけだよ。
一緒に帰ろうかなぁと思って。
事情は聞いたよ天ちゃんから。
ストーカーみたいなことやめたら?子供達はどうしてるの?一体。
あの子達のために離婚なんてできないの。
(八重子)お仕事お疲れさま!たまたま近くに来たからさ一緒に帰ろうかなと…。
(名波幸司)あ〜〜!そんな農業やりたいなら私も応援するからさ!痛った〜…痛った…。
ちょっと待ってよ〜。
テラスに家庭菜園とか造ってもいいからさ〜!お願いだから…。
帰って来てよ家に…。
帰ろう八重ちゃん。
(八重子)痛った…。
ほっといてよ!!よりによって何でヒロちゃんにこんなとこ見られなきゃいけないのよ…。
(八重子)もう…ついて来ないでよ…。
ヒロちゃんなんて大嫌い…。
あぁ…。
小さい頃「あいつは嘉門ヒロのいとこなのに」っていっつもいっつも陰口言われた私の気持ち分かる?
(八重子)ヒロちゃんみたいになりたくて嫌いな牛乳必死で飲んだけど全然背伸びないし。
一生懸命勉強してもすぐ眠くなっちゃうし。
運動いっくら頑張ってもヒロちゃんみたいに全然体動かなかった私の気持ち分かる?だから決心したの。
私はヒロちゃんとは違うとこで勝負しようって。
キレイって言われなくてもかわいいって言われる女になってやろうって。
高校の時好きな人できたら簡単な問題分からないふりして「すご〜いこれからも勉強教えて」って甘えたら一発で落とせた。
「ストーカーで困ってるから送って」って言ったらすぐ部屋に連れ込むことできた。
(八重子)そうでもしなきゃ私みたいな女は幸せになれないの。
こんなんなったのは全部ヒロちゃんのせいだからね!!フフっ。
人は幸せになるために生きているのではない。
自らの運命を成就するために生きてるのだ。
はぁ?ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』の一節です。
もう何言ってるのか全然分かんない。
私本読むの苦手なの知ってるでしょ。
そうやって昔から私のことばかにして。
私は八重ちゃんがずっとうらやましかった。
何それ。
八重ちゃんどんなに甘えたり悪いことしても心のどこかで許してもらえるって分かってるから。
周囲の人に愛して光線を振りまいてた。
「私を愛してもっともっと愛して」って。
ハハっそんなこと…。
そんなこと私には絶対できないから。
うらやましくて仕方なかった。
寝る前あなたが叔母さんに本読んでもらった時私がドアの外で気付かれないように聞いてたの知らないでしょ?私はねあなたが思うほど幸せじゃないの。
これからどうやったら幸せになれるかも全然分からないの。
実はに…。
妊娠したって言ったのもウソなの。
えっ?だから私と幸せ比べしても仕方ないよ。
八重ちゃん。

(真)・イェ〜イ!前へ進め!・・ハハハ…!・どうぞ。
(真)やめろやめろ…!
(愛)あ〜!行きますよ行きますよせ〜のよいしょ!
(愛)あ〜!ハハ〜!まだまだ…!久しぶりに聞いた。
あの子達があんなに笑ってるの。
実はね超治さんが電話くれたの。
「何か心配なことあるならいつまでもあの子達預かりますよ」って。
(真)前へ進め!前に進め!疲れた!疲れた!もう一回もう一回!もう一回休憩もう一回休憩!降参降参あ〜疲れた。
あ〜ほらほらかあさん帰って来たよ。
あ〜!ハァハァ…。
ごめんね2人とも。
お詫びに何かおいしいもの食べに行こっかねっ。
ほら返事は?
(お腹が鳴る音)アハハハ…!2人ともすごいなお腹が返事しちゃったよ。
ハハハ…。
ハハハ…。
(泣き声)
(真)どうしたの?お母さん。
(八重子の泣き声)
(八重子)ごめんね…。
(愛)泣かないでよお母さん。
(八重子)ごめんね…。
よしじゃあ愛ちゃんも真くんもこれからは2人でおかあさんのこと守ってあげるんだぞなっ?ただもしホントに困ったことがあったらまたいつでもここにおいで。
ねっ。
(八重子の泣き声)
(ドアが開く音)無事帰った?八重子さん達。
ええ。
そう。
ヒロ飯まだだろ?何か作ろっか?どうした?何かあった?今日はいろいろと。
何?いろいろって。
天ちゃんと由羽ちゃんママが図書館に来て。
何か言われたの?2人に。
天ちゃんには…。
「ずっと好きだった」って言われました。
「自分の気持ちはちゃんと伝えときたいから」って。
最初からそうじゃないかな〜とは思っていたけど。
勇気いったろうなそれは。
由羽ちゃんママには相手が自分を受け入れないって分かってても好きな人に好きって言うことのどこがいけないんだって言われました。
そっか…。
だからヒロに告白したんだ由羽ちゃんママ。
だから…。
私も2人を見習おうと思ってて。
えっ?私は…。
私は…。
あなたが…。
俺もそうする!へ?俺もそうする。
好きな人にちゃんと好きって言って来る。
おかげでやっと決心できたよヒロ。
保君に告白して来る。
自分がゲイだってこともちゃんと。
あぁ…そう。
自分の素直な気持ち伝えてそれでフラれるんなら仕方ないよな。
親友としてうまく行くように願ってくれよヒロ。
あぁそうだ。
きっと遅くなるだろうからちゃんと戸締まりして寝るんだぞ。
ありがとうなヒロ。
はぁ…。
2015/11/04(水) 22:00〜23:00
読売テレビ1
偽装の夫婦 #5【天海祐希主演「恐怖の四角関係パーティー」】[字][デ]

元恋人から求婚…が、彼はゲイでした。「女王の教室」「家政婦のミタ」脚本家・遊川和彦と挑む意欲作。“本当のパートナー”とは?新しい夫婦の形を描くラブストーリー。

詳細情報
番組内容
超治(沢村一樹)を好きになったのでは?と自覚するヒロ(天海祐希)。一方、超治は保(工藤阿須加)に夢中。超治の告白に戸惑う保(工藤阿須加)から相談されたヒロは、告白に深い意味はないと超治をフォローするハメに。超治はホームパーティーを開き、ヒロと超治は2人の出会いについて語る。そこへ八重子(坂井真紀)がやって来て、様子がおかしいと心配になるヒロ。そして、ヒロは天人(佐藤二朗)から意外な告白を聞かされ…
出演者
天海祐希
沢村一樹
内田有紀
工藤阿須加
坂井真紀
佐藤二朗
柴本幸
田中要次
キムラ緑子
富司純子ほか
原作・脚本
【脚本】
遊川和彦
監督・演出
【演出】
深川栄洋
音楽
平井真美子
【主題歌】
「What You Want」JUJU(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作
【プロデューサー】
大平太
高明希
田上リサ
【制作会社】
5年D組

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32725(0x7FD5)
TransportStreamID:32725(0x7FD5)
ServiceID:2088(0x0828)
EventID:6107(0x17DB)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: