ハートネットTV シリーズ 虐待 心の傷と闘う「第3回」 2015.11.05


それから辛いものをどんどん食べたりというのは無理な話で。
食べる力どんどんお母さんがゆっくり育ててあげて下さい。
生字幕放送でお伝えします
こんばんは。
「ハートネットTV」です。
シリーズでお伝えしています「虐待心の傷と闘う」。
3日目のきょうは番組に届いた皆さんの声を紹介しながら虐待による心の傷とどう向き合っていったらいいのか考えていきます。
スタジオには山梨県立大学教授の西澤哲さんにお越しいただきました。
よろしくお願いいたします。
きょうは生放送です。
ツイッターで番組をご覧になっての感想やご意見、さらには体験談をお待ちしております。
ハッシュタグ#nhk_heartこれを付けてなるべく50字以内でお寄せください。
お待ちしております。
これまでに番組には180を超えるカキコミやメールが届きました。
私たち、すべて目を通しました。
そのほとんどが虐待による心の傷の深さについて。
さらには、何年たっても中には何十年たってもその後遺症で苦しみ続けているという声が届いています。
いくつかご紹介します。
まずは父親から虐待を受けていた方です。
母親から虐待を受けていたという方です。
後遺症によって、なかなか人間関係を築くのが難しいということですよね。
やはり、子どもにとって主な養育者である親っていうのは最初に出会う親密な関係を築く存在ですからその人との間で虐待等があった場合どうしても人間関係のひな型の部分でゆがみが生じてしまう。
それがのちのちの対人関係を中心とした生きづらさっていうのにつながっていくんだろうなと考えます。
例えば虐待が終わったとしてもそこで終わりではないということですか。
暴力行為が終わったとしてもその影響というのは場合によっては一生続いてしまうという状況になります。
きょうは生放送です。
ツイッターですでに、こういった声が届いています。
このあとも引き続きツイート、お寄せください。
虐待が残す心の傷は複雑で深く、その後の人生に大きな影響を与えます。
実際にメールを寄せてくれた方を取材しました。
母親から虐待を受けてきた。
虐待が始まったのは幼稚園のとき。
自我が芽生え、自分の気持ちを言えるようになったころだった。
例えば、どういうことを言わされるんですか?それは。
母親は遥花さんに完全な服従を求めた。
どういうお母さんなんですか?ことし4月遥花さんは薬を大量にのみ生死の境をさまよった。
さっぱりっていうのは誰がですか?
母親から支配されているといってもいいと思うんですがいかがでしたか?
お母さんがコントロールしている状態で支配的な関係という典型的な事例だと思いますけどね。
母親はどうしてこのような行為をしてるんでしょう。
母親のことが詳細な情報がないので確定的なことはいえないですが支配欲求が高いということは裏を返せば無力感を持っている人が多いですよね。
社会の中で、家族の中で自分が無力な存在であると思いを持っている人が子どもを支配することによって有能性を回復するというか間違った方法なんだけれどそれで支配関係を作ってしまうのは時々ありますね。
母親は分かっているんでしょうか。
難しいですが恐らく意識していない。
意識しかけているのかもしれないけどそれを自覚してしまうのが怖いんだと思います。
そのお母さんは遥花さんに対して生まれてきてありがとうということばをかけたりして遥花さんにとってはそのことばが救いだというかつながっているというキーワードになっていると。
ただ、やっぱり私はどうしても、さまざまな虐待のケースを見てきて思ってしまうのはお母さんは、本当にそう思ったんだろうかというか自分のためにそのことばを言ったのかもしれないなと思いますし、あるいはそういったもので優しさっていうのを感じてしまって虐待的な関係から自分が離脱できないというのは子どもにとってはものすごく苦しいことだと思いますね。
いいところがお母さんにもあるから逃げられないというようなことばもありましたし。
これは暴力的な支配関係やDVの場合もそういったことは報告されますし非常に特徴的かなと思います。
そして遥花さんが自分の存在価値がなかなか、自分で認められないという状況に陥ってましたけれども。
虐待っていうのはもとのことばは乱用ですから乱用っていうのは親が自分のために自分が生きるために子どもを利用するということなので子ども自身は自分の人生を生きることを奪われてしまうというかそういった状態にまで至ってしまいますよね。
遥花さんと同じような声も届いています。
ご紹介します。
40代の女性です。
生きている意味が分からないということなんですね。
だから、やはり子どもって、自分から内省的に自分に生きている意味があるという存在がないわけでそれは親との関係の中で親でなくてもいいんですけど重要な大人との関係の中で自分の価値というのを見いだしていく訳なんですよね。
虐待的な関係乱用的な関係というのはそれが起こらない状況で自己肯定感以前のものなんですね。
自己ができないっていう…。
そうなんですよね。
子どもって自分の状態や自分というものを親を通してみるわけですよね。
自分が笑っているときに親が笑ってくれているというので自覚する、つまり親からの照らし返しっていうんですけど照らし返しが十分に行われていないつまり、あなたはいるだけでいいんだという照らし返しがない。
自己の中心になるものが作れないんですよね。
だから、自分が不安定になってしまって生きている意味が分からないというような、そういうふうな認識、認知になっていくというふうに思いますね。
ほかにも虐待についてこんなカキコミが届いています。
非常に響くメッセージですけどいかがでしょう?
最後のことばっていうのが本当に本質をついたことばだなというふうに私は感じました。
人の人生をのっとることも虐待。
それも虐待ではなくてそれが虐待の本質なんですね。
さっきも言いましたが乱用性というのがチャイルドアビューズを子ども虐待と訳していますが本来はチャイルドアビューズは子どもの存在を利用して親が生きると。
極端な言い方をすればこどもが親が生きるために利用されてしまうという状況なんです。
つまり自分の人生を奪われる親の人生というのが虐待・乱用の本質なのでさっきのことばは響きました。
この方は自分がしたいことほしいものを聞かれても答えられない。
それは自分というものを奪われていたからというまさに…。
自己というのが全然、浮かび上がってこなかったということですね。
このようなツイッターも届いています。
子どもがダメージを受けるんですけど恐らく、親もそのダメージにどこかで気付いている部分があると思うんですけど否定したいんですね。
ですから、そういったことを脱価値化っていうんですけど自分のやったことを重大性を認めないということが起きるんです。
ツイートがたくさん届いています。
虐待で大きな傷を負ったあとどうすれば回復に向かっていくのか先ほどの映像の遥花さんのケース、ご覧いただきます。
改めて安心できる空間があるというのはこれ、大事なことですよね。
すべての回復は安心感というところそれから安心できる人に囲まれているってことがそこから始まりますよね。
だから、遥花さんがおっしゃったことはまさに、そのとおりだと思います。
あと、育てなおしっていいますか育ち直りっていいますか虐待っていうのはさまざまな形で子どもの子ども時代を奪っちゃうんですね。
子どもとして大事にされるとかそれこそ、VTRにもありましたようにハグされるとかそういうふうな部分が奪われてしまうんですね。
親に利用されているわけですから。
その部分を取り返さなきゃいけないしそういう意味では赤ちゃんがえりができなきゃいけない。
そして、本当にこれは核になるところですけど親からの分離、決別という点が非常に重要になると思います。
そこら辺が難しいという声も届いています。
だから、例えば親に見捨てられたら自分は誰に助けてもらえばいいんだという思いもあるのでなかなか、さっきも申し上げた安心できる空間や人が必要となっていくんですよね。
この人がいるから私は親と別れられるということが必要かなと思います。
なかなか、そういう人って見つからないものですよね。
だから、そこは今、遥花さんが本当にすごくラッキーだったんじゃないかなと思うんですけどそういうところに出会えたそういう資源を、いかに増やしていくかっていうことも社会の責務かなと思いますけど。
こんな声も届いています。
きのうの番組のあとに届きました。
なんとかして、絶ちたいっていう気持ちが伝わってきますね。
やはり、虐待を受けたりいろんな場所で育っている人に会っているわけですけどやはり、彼らもなかなか親を見切れないといいますか親を見放すといったら表現悪いかもしれないけど決別できないで苦しんでいます。
やっぱり、その中でも親の現実をちゃんと直視できて親の客観的な状況を知って親との決別を決めた子どもたちもいてその子どもたちそのあとの成長はやはり、とてもいいんですね。
親の客観的なことってどういうことですか?
親自身が虐待をしてしまうというのもそれなりの理由があってのことなので悪意があるというわけではなくてそれは、ある意味親の生育歴だったりよくいわれるのが親自身が虐待を受けて育っていると。
事例について子どもと一緒に親の人生をたどっていくんですね。
それで、子どもとこういうことがあってお母さん、こうなったんだよねとか、このお父さんとパートナーになったんだあるいはアルコール依存になったんだって一つ一つ、子どもと作業していくわけなんですねそうするとあるいは自分が置かれた環境に客観的に理解できる。
ある子は、どう言ったか。
お母さんは親としては許せないけれども女としては分かる気がするって言ったんですね。
今、その子は親とはもちろん接触はしていますけど親の人生とは違う人生を歩んでいる状況です。
そしてカキコミやメールの中で親に謝罪してほしいという声が本当に届いているんですよね。
謝罪はとても大事な要素だと思います。
子どもが回復していくうえにおいて。
ただ、本当の謝罪でなければいけない。
例えば、親が子どもに対して自分がこういうことをしてしまったのはこういうふうな自分自身の問題があってこうなったんだ。
自分自身の問題はどうやって生じたんだって弁解ではなくて事実を親が自分で見つめて子どもに対して説明してそのことについて謝ると。
そのためには親にとって1年、2年かかることも少なくないです。
あるいは謝罪できない親御さんもいることも事実だと思います。
ただ、謝罪というのが子どもにとっては回復に向けた強いベクトルを与えてくれると思います。
いずれにしても大きなエネルギー長い時間もかかることだと思います。
きょうは生放送でした。
こんなたくさんツイートがきている中で一つ、ご紹介しましょう。
この苦しみは当事者じゃないと分からないというような声も届いているんですけど少しでも多くの人が共有するということも必要だと思いますし。
実際にそういうふうな子どもたちや元子どもだった人たちがたくさんいますからそういうことを社会が認識していかなければいけないしどこまでできるかというのは議論は分かれるところですけどもできるだけのことを私たち、社会として用意していかなきゃいけないんじゃないかと2015/11/05(木) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV シリーズ 虐待 心の傷と闘う「第3回」[字]

生放送で子ども虐待について考える。番組には、虐待行為の後遺症に苦しみ続けているという声が多く寄せられた。専門家を交え、どう心の傷と闘えばいいのか議論する。

詳細情報
番組内容
子ども虐待について3夜連続で考えます。番組ホームページには、かつて虐待を受けた当事者から切実なメッセージが数多く寄せられています。特に多いのが、虐待行為そのものが終わったにも関わらず、後遺症に苦しみ続けているという声です。3夜目は生放送。視聴者の皆さんから寄せられたメッセージを紹介しながら、専門家を交え、どう心の傷と闘えばいいのかを徹底的に考えます。番組ホームページに是非体験談を書き込んでください
出演者
【ゲスト】山梨県立大学人間福祉学部教授…西澤哲,【司会】山田賢治

ジャンル :
福祉 – 障害者
福祉 – 高齢者
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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