フフフフ〜。
いい子してたかな〜?ちゃんとした嫁ぎ先考えてやったからね〜。
札っちゃん。
グフ…グフフフ…フフフフ…。
(せき払い)先日はすみませんでした。
なんの事だ?好き勝手言ってしまい…。
僕はこの家の財産は1円もいりません。
あんたら…バカみたいだ。
いいじゃん家族なんだから。
好きな事言って。
(河村凜子)度胸があるわよね〜。
妻の家族の事をまとめてバカ呼ばわりとはさ。
(河村陽子)もう終わった事よ。
食べましょう。
(凜子)またお姉ちゃんきれい事言っちゃって。
お姉ちゃんもさお義兄さんも頭にきたはずよ?いや私はむしろ嬉しかったね。
あれだけ無遠慮にもの申すという事は早く本当の家族になろうとしてくれているからだろう。
いや…そんな偉そうな事考えてません。
つい本音言っちゃっただけで。
本音?みんなバカというのが?あ…いや…。
遠慮なんかする事ないんだぞ育生くん。
(龍太郎)どうぞ。
そこで食べてください。
はい…。
育生くん。
この際もっと言ってやりゃあいいんだ。
もうおじいちゃんけしかけないでよ。
(龍太郎)じいちゃんは期待してるんだ。
恒三くんは育生くんを鍛えてるんだろ?
(恒三)お義父さんの食事はまだなのか?ごめんなさい。
今持っていこうと思って。
(龍太郎)そうやって離れに閉じ込めるなよ。
今日はこっちで2人の婿と一緒に食べようじゃないか。
バター取ってくれる?はい。
(龍太郎)はい。
これはマーガリンでしょ?どうぞ。
(龍太郎)ああ。
すまんね。
はい。
ありがとう。
お返しと言っちゃなんなんだけどね…。
育生くん…その…なんだ…。
(せき払い)私の息子にならんか?息子…?おじいちゃん…育生は私の夫だよ。
おじいちゃんの孫じゃない。
(龍太郎)養子縁組すりゃあいい。
孫が養子になる例はそんなに珍しいこっちゃない。
(凜子)いや…いやなんでそんな事わざわざ?私たちがいるじゃん。
そんな養子を取る必要なんてないんじゃないの?冗談に決まってるじゃない。
お父さんは人を驚かすのが好きなんだから。
冗談ではないぞ。
息子を持つのは長年の夢だ。
恒三くんが結婚する時にも養子縁組を頼んだ。
…が断られた。
そうなの?名古屋のね死んだおばあちゃんが寂しがられたのよ。
ただ河村を名乗るだけじゃなくて河村家の息子になる事だから。
だったら育生だって同じだよおじいちゃん。
向こうのお義母さんが寂しがるよ。
しかしなじいちゃんの命もわずかなんだ。
人生最後の夢を叶えたいんだよ。
育生くん息子になってくれ。
いや…ちょっと待ってください。
療養すればまだまだ元気でいられます。
それに…息子になるってつまり僕はお義母さんや凜子さんの弟になるって事ですか?
(龍太郎)あ…ああ。
アハハ…やだおかしいよ。
育生がママの弟?変だよ。
(凜子)ハハハハハ…全然笑えないんだけど。
(恒三)ごちそうさま。
(陽子)パパ?もういいの?コーヒーは?
(恒三)書類を見なきゃならないんだ。
養子縁組とは血縁と関わりなく法律上の親子関係になる手続きをいう
実の子と同じように相続人の権利が発生するため親族は不満を抱く場合がある
ううっ…!あ…ああっ!ああっ…あっ!
最悪の場合は骨肉の争いに発展するケースも少なくない
ねえ…おじいちゃんもしかして…。
いや…ああ…まあ心臓は油断出来ないけど認知症の兆候はなかったはずだよ。
だったらどうしてあんなもめるような事ばっか言うんだろう?病院から帰ったら丁重にお断りするよ。
私たちは何があってももめないようにしようね〜。
俺の事誤解してたくせに。
もう〜。
もう〜。
(恒三のせき払い)ハハ…いってらっしゃい…。
いってきます。
パパもいってらっしゃい。
「も」は余計だ。
何か?ええと…駅までご一緒しようかと。
仕事はどうだ?研修は順調です。
一体いつまで研修するつもりだ?大手の病院に行けば報酬が見込めるというのに。
外科や産婦人科でも経験を積みたいんです。
私も海外で働きたい世界を相手に戦いたいと思った事があったよ。
そうなんですか?しかし家庭を持った時に諦めた。
家族に責任があるからね。
ええっ?今度は養子縁組?
(凜子)許せないわよね。
私たち以外に子供が出来るなんて。
なるほど。
養子縁組をすると育生くんは相続人になれるっていうわけか。
河村の名字を名乗ってるだけで養子縁組をしていない恒三おじさんには相続権がない。
イエス。
全然違うんですね。
知らなかった〜。
(月子)何を感心してるの?マーくんの財産が減るって事なのよ。
僕の?どうして?いい?じいじの財産がこれだけあるとするでしょ?今までは陽子おばちゃん…マミー…そして凜子おばちゃん…ってこう3等分するはずだったのにそこに養子になった育生さんが加わるとほらほらほらほら…。
これだけずつさ1人の分が減るじゃない?そうするとマミーの取り分が減るって事はいずれそれを引き継ぐマーくんの分も減るって事なの。
なるほど。
簡単に言うと3分の1が4分の1に減っちゃうという事か。
イエス。
マーくん頭いい!すごい!いえいえマミーの説明がすごくわかりやすかったから…。
(陽子)どこが?
(正春)ああっ…!誰でもわかるでしょう?
(月子)陽子姉ちゃん。
会社に行かなくていいの?社員に示しがつかないわよ?だって…河村家の一大事じゃないの。
マミー僕行くよ。
仕事してるとこ見せなきゃ。
(凜子・月子)ん?あっ違う。
あの…ちゃんと仕事しなきゃ。
いってきます。
いってらっしゃーい。
いってらっしゃーい。
冷たいのね。
マーくんはさ傷ついてるのよ。
(月子)正真正銘の孫なのにさ赤の他人の育生さんにだし抜かれちゃってさ。
ひどい話よ。
(陽子)今回の事はさすがにお父さんの気持ちがわからないわよねえ…。
(凜子)あら…?あららら?養子の件はお姉ちゃんの差し金じゃないんだ?まさか。
大体お父さんがお金の事で人の言いなりになるわけないじゃない。
じゃあどうやって取り入ったんだろう?育生さん。
病院を開業して人の役に立ちたいんですとかなんとか言っちゃったんじゃないの?楓も案外入れ知恵してたりして。
楓がそんな事するわけないじゃない。
あら〜ごめんあそばせ。
楓もさ結婚が2回目だから焦ってお金で釣ったのかなと思ったんだよね。
自分が打算的だからって一緒にしないでよ!楓は本気で育生さんが好きなのよ。
そうですか〜。
すぐムキになるんだから。
子供しか頼るものがない人はこれだから嫌よね。
(月子)ちょっと…。
ちょっとやめましょうよ。
怖い…。
私たちさこれでも子供の頃ってとっても仲よかったじゃない?美人3姉妹なんて言われて。
アハハハハ…。
美人3姉妹…なんて初めて聞いたよそんなの。
それはあんたがさ年が離れてたから覚えてないだけよ。
とにかく育生さんのせいでさ私たち3人がさもめるなんて癪にさわるじゃない。
3人でさ団結してさ阻止しましょうよ。
今日にでもさ本人に養子縁組は断れって言って聞かせましょう!待って。
お父さんが知ったらきっと怒るわ。
あ…ああ〜そうね。
私たちが遺産目当てでこそこそ相談してるなんて思われたら嫌よね〜。
お姉ちゃ〜ん。
長女なんだからもう直接言ってお父さんに。
無理よ。
お父さん死にかけてから頑固になったもの。
うーん…。
あのさ説得役を頼めばいいんじゃないの?誰に?適任がいるじゃないのよ。
誰よりも育生の事を面白くな〜いって思ってる人。
あっ!死神!ああ…。
(吉沢貴志)ブーム北山さんの葬儀の進行案が出来ました。
本人の希望で親族の密葬となりますが会場の表に献花台を設けて芸能関係やファンの方のお花を受け付ける事に致しました。
取材への対応は?ああ…はい!広報部は総員で当たりますので混乱はさせません。
(吉沢)ただ…奥さんが喪主になる事をお子さん含め親族が認めていませんで…。
喪主を?
(田川寿)女房は40も歳が離れている上に結婚してまだ1年経ってないんですよ。
(正春)「病床のブーム北山再婚!!40歳も年下の元キャバ嬢」「遺産目当てと親族が反対!!骨肉の争い!!」ああもういい。
当日はもめるかもしれないな。
表に出ないように配慮して通常よりスタッフを多く配置するように。
(吉沢)承知しました。
ああ〜やだ遅れちゃいました!ああ…ちょっと取り込み事があったものですからごめんなさい。
やだね〜。
ああどうしたの?大丈夫?
(恒三)ご苦労さまです。
はい。
本日の案件は終わりました。
え?常務。
はい。
(月子)ああ…社長…社長。
社長。
ちょっとよろしくって?
(恒三)本日の詳細は吉沢くんから聞いておいてください。
お客様がお見えですよ?女!
(月子の笑い声)
(月子)女…。
いいお部屋ねえ。
父がわずか3人で始めた会社をあなたの腕でこんなに大きくしてもらって感謝してるわ。
(恒三)だから?
(陽子)「だから」っていう事はないけど…。
人間は目的がないのに人を褒めたりはしない。
お願いがあって来たの。
育生さんの事よ。
ねえあなたから養子縁組を断るよう話してもらえない?お金のためじゃないわ。
みんなが争う元になるでしょう?楓が月子や凜子ともめるような事になったらかわいそうじゃない。
断る。
ええ?仕事なら別だがお義父さんの個人的な希望にまで立ち入れない。
あなた…。
いいの?仕事に出る。
30年間父に尽くしてきたあなたは養子縁組をしていないからお父さんの財産をもらう権利はないのよ?よくある事じゃないか。
舅や姑の介護をしてきた嫁に1円も遺産がいかなくてもめるケースは多い。
(陽子)でも育生さんがお父さんと養子縁組をすれば私と同じように相続人になるのよ?うちに来たばかりなのに。
それがお義父さんの答えだよ。
いいじゃないか。
育生くんは正直で人と争わない。
欲もない。
素晴らしい婿だよ。
(ため息)
(御浜高次)おっ?嫁さんのじいさん?
(大野壮太)大変だね婿殿も。
ちょっと言動が気になったのでMRIをチェックしてました。
脳は大丈夫じゃない?まあお前にとっては一刻も早く逝ってくれたほうがいいだろうけどさ。
舅大舅と同居なんて地獄だよな。
嫁姑より婿舅のほうがやばいって言うからな。
相当もらわなきゃ元が取れないよな。
ご心配なく。
毎日かわいがってもらってます。
天国ですよ。
(PHS)あっすみません。
はい。
佐藤で…ああ〜じゃなかった。
ええと…河村です。
うん。
…ええっ?ちょっちょっ…。
何やってるんですか?ハロー。
今日は誰にも内緒で来たの。
養子縁組の事でしたら…。
(凜子の笑い声)そんなのねもういいの。
それよりさあなたと2人で話がしたいのよ。
2人で…ですか?年上には興味ない?実はタイプなんだよね。
姪の夫って事は忘れて私と遊ばない?もちろん楓には黙っとく。
後腐れないわよ。
(笑い声)
(2人の笑い声)やっぱ引っかかんないか…。
あんたが誘惑に乗っかってきたらどんな魂胆か探ってやろうかなと思ったんだけど…。
まだ信用してくれないんですか…。
あのさ取引しない?あんたが何を狙ってるのか打ち明けてくれたら陰ながらあんたをフォローする。
その代わり私にも協力してもらう。
何も狙ってません。
また…僕の目的は楓を幸せにする事でーすなんて言うわけ?
(凜子の笑い声)悪いけどさそんなきれい事全然信用出来ないから。
あのね男ってのはね女よりももっとずーっとずるい生き物なの。
自分の面倒を見てほしくて優しい女を手に入れたり人から羨ましいなと思われたくてきれいな女を連れて歩いたりお金持ちになりたくてさ金持ちの娘と結婚したりするようなそういう…。
気の毒ですね。
は?そう思ってしまうのは凜子おばさんがひどい男とばかり出会ってきたからかな?あんたにおばさんって言われたくないんだけど。
すみません。
まあせいぜいラブラブ見せつけときゃいいんじゃないの?そのうち化けの皮を剥がしてあげるから。
じゃあね。
ハア…。
(木村誠也)ほいほい。
よーしよしよし。
今日は走りやすいね。
ありがとう。
お仕事ですから。
(木村)冷たいね〜。
俺たちは憎み合って別れたわけじゃない。
いい関係を築いて豊かな人生を送ろうよ。
私は十分豊かな人生送ってますから。
無理すんなって。
君のパパと合うような男がいるわけないじゃない。
はい!よし。
よし…。
(スタッフ)体験乗馬のお客さんですよ。
はーい。
(スタッフ)お願いします。
はい。
体験の方どうぞ。
はい!あれ?マーくんどうしたの?え?たまには乗りたいと思って。
馬大嫌いだったじゃない。
おじいちゃんに連れてきてもらった時泣いてたじゃん。
それはもう子供の時だよ。
あっ…つった!ちょっと得体の知れない箇所がつってる…。
せーのっ!キャ…キャ…!何がキャーよ。
いとこ同士でしょ?ああっ…。
はい持って。
わかってるよもう…。
誠也くんなれなれしいんだな。
月子おばちゃんに頼まれて来たの?
(正春)マミーは…いや…ママは関係ないよ。
楓ちゃんがどう思ってるのか聞きたくて。
僕たち孫を置いて育生くんがじいじの養子になるなんてさ。
私は頭が痛いよ。
これでまた育生はみんなに疑惑を抱かれちゃう。
僕は彼が相続人になるのは嫌だな。
今まで遺産とかどうでもいいと思ってた。
ママの無駄遣いを見るたびにお金なんかないほうがいいと思ってた。
でも…赤の他人の育生くんに取られるなら僕がもらいたいよ!取るとか言わないでよ。
育生は遺産が欲しいなんて1回も言った事ないんだから。
でも取ったんじゃないか。
あいつは何もかも取っちゃうんだよ!
(いななき)ああっ!チョコチップ!うわっ…!チョコチップ…!待って…!
(正春)ああ〜!ちょっと!止めて!チョコチップ〜!ハア…天国か…。
(恒三)本音?みんなバカというのが?何よ偉そうに!出ていきなさい!化けの皮を剥がしてあげるから。
私の息子にならんか?婿はつらいよ…。
(着信音)ん?は?あっもしもし?ハハハ…母ちゃん「メール買った」ってなんだよ?
(佐藤華子)「アハハ…。
育生?ごめん」いやついにさスマホ買っちゃってさ嬉しくって。
「いや…別に電話ぐらいかけてくりゃいいじゃない」そうはいかないわよ。
婿に出したんだから。
名字が変わっただけだろ。
何も変わんないよ。
「どうかした?あんたから電話くれるなんて」え?もしかして婿いびりでもされてるんじゃないでしょうね?「育生?そうなの?」いや…いびられてなんかないよ。
むしろ気に入られすぎて逆に困ってる感じ…。
じゃあな。
また。
おかえりなさい。
実家のお母さんに愚痴か?違います。
まあいい。
例の養子の件だがどうするつもりだ?もちろん断らせて頂きます。
なぜ?いやなぜって…。
仮にも河村家の当主が真面目に申し出ている事だ。
慎んで受けるべきじゃないのか?いやでも…。
今度の休みに私に付き合いなさい。
(カメラのシャッター音)ご来場の皆様係員が順番にご案内致しますので押し合わないようよろしくお願い申し上げます。
なおお写真動画はご遠慮ください。
マスコミ誘導して。
相川くん。
動線確認してください。
今日はうちの婿が同行する。
修業みたいなもんだと思ってくれ。
どうも。
お休みに大変ですね。
お邪魔します。
混乱はないようだね。
はあ…。
表は。
(北山二美)出てって!
(子供の泣き声)
(北山明恵)ねえどうして?
(二美)あなたに父を見送ってほしくありません!
(明恵)喪主は私なんですけど。
(北山一郎)認めてない!
(一同)そうだそうだ!
(明恵)あのさあ認めるも何も私は彼の妻だからさ。
(一郎)病気のおやじに取り入って結婚したくせに!
(二美)遺産目当てなのはわかってるのよ!
(吉沢)亡くなった北山様が悲しみます。
お寺様もお待ちですので故人の御霊を弔わせて頂けませんか?だからこんな女がいては父が天国行けないのよ!うるせえ!そっちだってほったらかしだったくせに!死んだら金よこせかよ。
汚い。
(悲鳴)何すんのよ!
(明恵)あんたたちだって全員遺産目当てでしょ?社長この騒動他人事じゃありませんね。
(明恵)それはこっちだって同じだよ。
(一郎)自業自得だろう!
(二美)あんたお父さんエサにしてテレビとか出て…。
育生くんこの諍いを止めてみなさい。
これが河村の家業だよ。
我々は他人のもめ事を収めて飯を食ってる。
楓の夫ならやれるはずだね。
(金沢利子)いきなり養子縁組を申し出た?じっくり進めるように申し上げたじゃないですか。
(龍太郎)先生…金が泣くんです。
(利子)は?汗水たらして貯めた金がちゃんと生かしてほしいって泣くんだ。
だからといってまだ正体のわからない育生さんに託すのはリスクがあると思いますが。
先生私を見くびらんでください。
(龍太郎)私の見立てでは奴は相当金で苦労してる。
金の怖さを知っている。
僕はこの家の財産は1円もいりません。
(龍太郎)あんな事が言えるのは人間なんて金によって踊らされる生き物だという事を嫌というほど思い知らされた経験があるからだよ。
(利子)そこまでおっしゃるなら代理人として立ち入る事はございませんが…。
こちらに会長と育生さんが署名捺印すれば育生さんは会長の長男という事になります。
長男か…いい響きだね。
ただ一点不審な点があります。
(龍太郎)ん?育生さんはすでに河村の姓を名乗っているとお聞きしましたがまだ楓さんとの婚姻届は提出されていません。
ハハ…そんなはずはない。
(龍太郎の声)私は証人のサインをしている。
(利子)しかし本日現在届は出ておりません。
(明恵)あんたたちになんか遺産は絶対渡さない。
ほ〜ら!ほ〜らやっぱり遺産目当てなんじゃないのよ!あの…。
いまいましい女め!あの…!そろそろ終わりにしませんか?
(明恵)あんた関係ないでしょ。
(二美)下がってなさいよ!お金で争うと修復不可能になります。
元に戻れません。
(二美)望むところよ。
徹底的にやってやろうじゃないのよ。
はあ?それは私のせりふだよ。
あんたらみたいな欲ボケに負けるもんか。
(一郎)こっちだって負けないぞ。
出るとこ出てやる。
全面戦争だ!家族の争いに勝ち負けはないんじゃないかな?は?何言ってんの?いや…たとえ相手を完膚なきまでにやっつけたとしても他人同士のように縁が切れる事はないのですっきりおしまいというわけにはいきません。
長い年月の中であんな事やらなきゃよかったって後悔する事もあります。
つまり負けは負けだけど勝っても負けなわけで…。
誰も幸せにはなれません。
(恒三)申し訳ございません。
葬儀屋が出過ぎた事を申しました。
そ…そ…そうよ!なんでこんな偉そうに言われなきゃいけないわけ?大変失礼致しました。
せっかく冷静にお話し合いをされていますところに割り込んで説教じみた言葉の数々不快な思いをされた事と存じます。
(二美)本当に不快。
私たちお金で争ってなんかないから。
ただ話し合いしてただけなのに失礼よ。
どうでしょう?控室をご用意致しますのでそちらでまずお話し合いの続きをなさるというのは…。
ああそうしてもらおうか。
他人に立ち入られたくないからな。
(恒三)何とぞ私に免じてお許しくださいませ。
(恒三)吉沢くん案内して。
(吉沢)はっ。
(吉沢)こちらでございます。
さあどうぞ。
(月子)私さお義兄さんの事ちょっと見直しちゃった。
育生さんったらさぺしゃんこだったわよ。
釘刺したのよね。
お前なんかに河村家が継げるもんかって。
そう…。
(月子)まあね口では断っておいて陽子姉ちゃんのさ願いを聞き入れてくれてるってわけよ。
なんだかんだっていって夫婦よね。
これでも30年も一緒にいるもの。
(凜子)これであいつもさ…あっ育生さんも少しは甘くないっていうのがわかったんじゃないかな。
本当本当。
もうさ尻尾巻いてさ出てきゃいいのよ出てきゃいいの。
言い過ぎよ2人とも。
楓はどうなるの?冗談冗談。
何が冗談よもう。
(龍太郎)どうしたんだ?楽しそうだなあ。
どんな冗談なんだ?
(月子)お父さん休んでなくていいの?おいどうしたんだ。
ん?前はちっとも寄りつかなかったのに最近は3日とあけずに来てるじゃないか。
あら姉妹もさ年取るともう仲良くなっちゃうのよ。
そうよ。
美人3姉妹だからさ。
お父さ〜ん!バカバカしい。
あっ私そろそろ会社戻んなきゃ。
じゃあねお父さん。
(龍太郎)うん。
(凜子)いってらっしゃ〜い。
(陽子)いってらっしゃい。
よっしゃ私もロスに連絡しようかな〜っと。
お茶飲みますか?
(龍太郎)いや…。
ところで楓と育生くん籍入れたのか?もちろんよ。
お父さんが婚姻届の証人欄にサインして恒三さんが役所へ届けました。
恒三くんが?ああ見えて恒三さんは家族の事を考えてるんです。
ふ〜ん…ならいいんだ。
ふ〜ん…。
ああっいや…!どうしよう…!いや〜大変な葬儀でしたね。
おじさん本当にお見事でした。
育生さんもなかなかのものでしたよ。
家族のケンカに勝ち負けはない…なるほどって。
(恒三)しかしお客様に正面から説教するなんてもっての外だよ。
(正春)ですよね〜!
(吉沢)あっそれはおっしゃるとおりですが…。
(恒三)我々は親族を亡くして判断力を失っている方に頭を垂れるべきだ。
常に患者を下に見ている医者とは違う。
別に見下してなんかいません。
どうだろう。
医者は自分たちを特別だと思っているからねえ。
病院では葬儀屋はあごで使われる事も多いんですよ。
出入り業者と先生様とでもいうのかな?偏見ですよ。
そりゃ上から見ている医者もいるでしょう。
でもそうじゃない人もたくさんいます。
少なくとも僕は医者が特別なんて思っていません。
だったらなぜ医者を辞められない?
(恒三)楓と結婚したいなら医者を辞めて会社を継いでくれと頼んだのは覚えているよね?はい。
(恒三)なのに医者を辞めるどころかまだ海外の病院で働きたいなどと言ってる。
それで楓を幸せにしたいと言われてもその場しのぎとしか思えないね。
(吉沢)しかし社長医学部に入るのは実際大変なわけですから。
言いたくないが…楓の元夫は35になったらカワムラを継ぐと言ってくれた。
残念ながら別れる事になってしまったがね。
(正春)あっ誠也くんなら今でも楓ちゃんに会ってますよ。
この間も楓ちゃんのクラブで馬に乗ってました。
別れても仲良く出来るなんて素敵ですよね〜。
(恒三)彼はうちと同じように会社経営者の息子だ。
わかり合える面があるんだろう。
どうした?実家に帰らせて頂きますとでも言うかな?
(亀山まるみ)いらっしゃいませ。
(まるみ)あら〜いい男ねえ。
社長のお婿さん?はい。
はじめましてまるみです。
あ…僕はあまり…。
世のサラリーマンは酒くらいたしなむんだがね。
(まるみ)わあ〜いけるじゃない!はい。
乾杯!
(吉沢・正春)乾杯。
遅いね。
育生大丈夫かな?
(陽子)大丈夫よパパが一緒なんだから。
だから心配なんじゃん。
結局パパは私の好きな人が嫌いなんだよね。
どこの父親でもそういうところあるんじゃないかしら?パパは特にだよ。
一生パパのそばになんかいられないのに…。
どうしてわかんないかな。
楓…パパはちょっと度が過ぎるというかかなり理解出来ないところもあるけど全てあなたがかわいいからなのよ?パパにとってあなたはこの家の中でたった1人の肉親なの。
だから怒らないでね。
なんか…妙に具体的だね。
なんの事?いえ。
(ドアの開く音)あっ帰ってきた。
もうなんでこんな飲むのよ。
わあ〜!強くないのに…。
ああ…。
ああ…楓〜。
バカじゃないの。
う〜ん…。
(龍太郎)なんの騒ぎですかな?ああ早速恒三くんに潰されましたかね?ハハ…かわいそうに。
どうすれば楓と結婚出来るのかな?おじいちゃん…私たちもう結婚したじゃない。
うん…いやじいちゃんたちの古い考えではね籍が入るまでは正式な夫婦じゃない。
なんの事?
(龍太郎)いや養子の事で調べていたら婚姻届が出されていなかったからさ。
えっ?どうして?婚姻届はパパが…出してくれたんだよね?答えてよ。
どういう事?楓パパはね忙しくて出せなかったの。
ごめんなさいね。
じゃあ自分で出す。
返して。
(ドアの開く音)
(恒三)ビジネスの書類と間違えて破棄しようとしてしまったんだ。
嘘…破れてる。
っていうか…破いたんだよねこれ。
なんで破ったんですか?そんなに…僕が気に入りませんか?最低だよパパ。
育生に謝って。
悪い事したら謝れっていつも言ってたくせに!育生に謝れ!楓!パパになんて言い方するの!いや当然なんじゃないの?一生に一度の婚姻届をさそんなふうにされたら…ねえ!あっ二度目か。
黙ってて!あんたはすぐ引っかき回して喜ぶんだから。
いい加減にしてよ!なんでみんな育生を信じてくれないの?育生はお金なんかいらないって言ってるじゃん。
それをよってたかって財産目当てみたいに…。
おじいちゃんも養子とかわけのわかんない事言うのもうやめて!楓。
なんだ?言いたい事があるなら言いなさい。
受けて立つよ。
実家に帰らせて頂きます。
駆け落ちみたいな事をすれば楓が…家族と仲が悪くなるかもしれないと思って婿に入ったけど…。
それが原因で家族がもめたり遺産問題が持ち上がっているなら僕はここに来るべきではなかったんです。
おじいさん。
僕は息子にはなりません。
養子縁組はお断りします。
僕が楓を幸せにしたいって言ったのをその場しのぎとかきれい事とか思ってる方もいるみたいですが…!好きな女を大事にしたい幸せにしたいって普通に男が思う事ですよ。
そんな…そんな特殊な事じゃない。
それがおかしいと思うならこの家がおかしいんです。
(婚姻届をつかむ音)育生。
待って。
育生の実家に行くんでしょ?駅あっちだよ。
行くとこがあるんだ。
(凜子)というわけで意外な展開ではありますが育生は出ていきました。
そう…楓には悪いけどさもう別れちゃえばいいのにね。
(凜子)「ああ…それは無理なんじゃないの?」「あの2人本気でラブラブなんだもん」「お義兄さんもさバカよね」「いじめればいじめるほど燃え上がっちゃうのに」「でもさとにかくよ油断は出来ないわよ」お父さんが生きてる間にもらえるものはもらっとかないと。
(月子)え〜それって生前贈与でしょ?税金がすごいっていうわよ。
(凜子)なんか抜け穴があるらしいわよ。
私たちも…本気出さないとね。
あんな男に…。
(陽子)パパ?
(陽子)明日私が迎えに行きますから。
引き出しを開けたのか?
(恒三)私は婚姻届を破いていない。
お…お…お…お父さんに婚姻届の事を聞かれてそれで私…。
(恒三)勝手に鍵のありかを探り破き何事もなかったように…しまったのか?すいません。
ごめんなさい。
下品な…。
(恒三)泥棒と同じだ。
(恒三)顔も見たくない。
どうぞ。
婚姻届をお願いします。
(係員)これですか…。
ダメですか?
(係員)書き直されたほうが…ねえお祝い事なんで…。
この婚姻届を出したいんです!これでも俺らは幸せになるんです。
(係員)あっはい…。
とりあえずうちに泊まってアパート探そうか。
嬉しい。
あっでも広いところはダメだよ。
なんせ年収340万の貧乏研修医だから。
私ね西日が差す古いアパートとかに住んでみたいの。
愛は強い。
愛は美しい…
愛は人に勇気と希望を与える
しかし…愛はうつろいやすい
愛はいとも簡単に憎しみに変わる
そしてこの残酷な現実を我々に教えてくれるのが他ならぬ家族の争い…遺産争族問題である
(渡辺美香)いらっしゃ…あっ。
(渡辺達哉)おう育生!楓ちゃんこんばんは!こんばんは。
今日はちょっとうちに帰ろうかと思って。
あっそうなんだ。
今ちょうどおばちゃん来てるよ。
へえ〜そっか。
ああ寂しがってたろ?そうでもないよ。
ん?
(華子)もっと飲んでいいわよおごるから!
(歓声)
(太田順子)いいの?この前もランチおごってもらったのに。
(華子)いいのいいの!息子が婿に行ったから生活が楽になったの!
(一同)太っ腹〜!
(順子)なんたってさあちらは社長令嬢なわけだからゆくゆくは莫大な財産はね継ぐんだもんね!莫大かどうかはわかんないけどさ婿に行ったんだからねえ遺産を継ぐ権利は当然あるわけよ。
かなり気に入られてるみたいだから…。
(華子)アハハ!だからだから将来の心配はないわけよ。
(順子)ねえねえねえ!華子さんの家まで建ててくれちゃったりして!
(歓声)
(華子)でもそうなったら泊まりに来てよ。
(一同)行く行く!たっちゃんビール!
(達哉)はいよ!
今はかける言葉もございません
まことにまことにご愁傷さま
お金が全てじゃないもん。
(華子)嫌みにもほどがあるわ。
金持ちの娘で何も出来ないのよ。
生前贈与してもらえないかな?
(月子)お義兄さんにバラしたでしょ?黙れ!こいつらにビタ一文渡さないで!お父さん!?お父さん!お父さん!2015/11/05(木) 21:00〜21:54
ABCテレビ1
遺産争族 #3【舅の企み−10億巡るシュウトのムコいびり!ムコが息子に…!?】[字]
河村家の一同を罵倒してしまった育生(向井理)。龍太郎(伊東四朗)はその心意気に感動し養子縁組を提案するが、舅(岸部一徳)から執拗な「ムコいびり」を受けることに!
詳細情報
◇番組内容
“ムコ入り”した研修医、育生(向井理)。そこには“遺産”を巡っていがみ合い、欲望にまみれた一族がいた!—育生と楓(榮倉奈々)の幸せな結婚が引き金となり、家長である龍太郎(伊東四朗)のにぎる約10億円の資産を巡り、「家族」は「争族」へと変貌していく。金を巡る骨肉の争いが、「家族」の本当の姿をあぶりだす!果たして遺産は誰の手に?愛憎にまみれた新しいホームドラマ誕生!
◇出演者
向井理、榮倉奈々、余貴美子、室井滋、板谷由夏、鈴木浩介、堀内敬子、真飛聖、渡辺いっけい、岸本加世子、岸部一徳、伊東四朗
◇脚本
井上由美子
◇演出
常廣丈太
◇音楽
沢田完
◇主題歌
いきものがかり『ラブとピース!』(EPICレコードジャパン)
◇スタッフ
【ゼネラルプロデューサー】内山聖子(テレビ朝日)
【プロデューサー】服部宣之(テレビ朝日)、峰島あゆみ(テレビ朝日)、霜田一寿(ザ・ワークス)、池田禎子(ザ・ワークス)
◇おしらせ
☆番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/isansouzoku/
☆Twitter
https://twitter.com/isan_sozoku
☆Instagram
https://instagram.com/isan_sozoku/
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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