西郷隆盛らがクーデターを起こし戊辰戦争が始まった。
幕府は降伏し徳川家の支配に終止符が打たれた。
(眞鍋)マジカル・ヒストリー倶楽部にようこそ!歴史を知れば旅はもっと楽しくなります。
世界を旅して歴史を学んでいきましょう。
さあ今回文太君に与えたミッションは「アメリカ合衆国の独立とフランス革命」。
一見ねつながりがなさそうなアメリカの独立とフランス革命だけど何か関係あるの?
(永松)これが関係大ありなんです。
今回はその2つがどう関係していたのかを見ていきます。
この時代以前は国王や君主などが一方的に人々を支配していました。
うん。
ところがアメリカの独立とフランス革命を境に近代としては初めて政治の舞台に本格的に国民が登場するようになるんです。
そっか。
世界史にすごく大きな影響を与えた時代なんだね。
そういう事です。
じゃあ早速見ていこうか。
はい。
それでは早速私が作った旅のプランマジカル・ヒストリー・ツアーにご案内致します。
まずは今回の見どころです。
いざ3つのビューポイント!訪れるのは主に現在の北アメリカとフランス。
時代は…まずはニューヨークリバティー島にある自由の女神像。
実はアメリカの独立とフランスとの関わりを象徴するものです。
そしてフランスはパリの中心にそびえる凱旋門。
フランス革命の混乱に終止符を打ったある人物が造らせました。
国王中心の時代から国民の時代へ。
その変換点を知る旅にさあ出かけましょう!革命が起こって大きく時代が変わったのが今回なんだ。
そうなんです。
この自由の女神像実際には地上から高さ93mもの巨大なものです。
右手に掲げているのは世界を照らす自由の炎といわれています。
うん。
眞鍋さんは実際に行かれてみてどうでしたか?そうだね。
遠目から見てもすごく大きかったしやっぱりこれを見ると「アメリカに来たな」って実感するね。
そうですよね。
ではこの自由の女神像が示すアメリカとフランスのつながりが分かるツアーを考えてみたので見てみましょう。
それではマジカル・ヒストリー・ツアー。
ファースト・ビューポイント!いざテイクオフ!テイクオフ!マジカル・ヒストリー・ツアー。
まず初めはニューヨークリバティー島から。
ニューヨーク湾にそびえ立つ…このアメリカの自由の女神像は独立100周年を記念してフランスから贈られたもの。
アメリカの独立はフランスとどのように関わっているのでしょうか。
時代を遡って…。
マジカル・ジャンプ!18世紀半ばフランスとの戦争で迫した財政立て直しのためイギリス本国は植民地…しかしこの決定には植民地の代表は参加していませんでした。
一方的な負担の押しつけに植民地側は反発。
…との考えに基づきこの決定を拒否しました。
しかしイギリス本国は更に北米での茶の販売の独占権を東インド会社に与えます。
ついに植民地側の不満が爆発。
1773年12月ボストンに停泊していた東インド会社の船を襲い茶箱を海に投げ捨てました。
これがきっかけで…翌年トマス・ペインの著した「コモン・センス」が発売されます。
その中で……であると主張。
この本は大ベストセラーとなりました。
そして…独立宣言には全ての人が平等である事生命自由幸福を追求する権利を与えられている事。
そして人民主権の思想が盛り込まれていました。
これは後の民主主義や人権の思想に大きな影響を与えました。
独立戦争では当時世界最強といわれたイギリス軍に対しアメリカの苦戦が続いていました。
そんなアメリカを助けて独立戦争に真っ先に参戦したのがフランスだったのです。
フランスなどの参戦もあって形勢は逆転。
植民地側の勝利が決定的になり1783年パリ条約でイギリスはアメリカの独立を承認しました。
こうして近代初の国王などの君主がいない国共和政の国が誕生。
ヨーロッパ中に衝撃を与えたのです。
近代初の共和政の国か。
はい。
アメリカが自由の国っていうイメージはここが始まりだったんだね。
そうなんです。
それもこれもフランスが参戦したおかげで勝った訳だからやっぱりアメリカとフランスは深い関係があるっていう事なんだ?そういう事です。
そしてアメリカの独立に大きな貢献をした人物が次にはフランス革命にも関わっていくんです。
ほう。
その代表的な一人がこちら。
トマス・ペイン。
「コモン・センス」を書いた人です。
ほう。
トマス・ペインはアメリカが独立したあとフランスに渡ってフランスの憲法草案作成に関わりました。
へぇ〜。
そしてもう一人。
フランスの貴族出身の…このラファイエットがフランス革命につながるある出来事に関わっているんです。
何だろう?それについては次のビューポイントで見てみましょう。
18世紀アメリカが独立し自由を勝ち取った頃フランスではいまだ絶対王政が敷かれていました。
アンシャン・レジームと呼ばれる旧制度の下税金を払わなくてよい第一身分の聖職者第二身分の貴族と税金を納めなくてはならない第三身分の平民とに分けられ多くの民衆は政治的権利を奪われ貧しい暮らしを強いられていました。
そこへ更に…この財政難を乗り切ろうとルイ16世は第一身分と第二身分からも税を取り立てようとします。
この時それぞれの身分の代表者を集めた議会三部会を開く事を提案したのがアメリカ独立戦争を戦った…そして175年ぶりに三部会が開かれました。
アメリカの独立を目の当たりにし自由の尊さを知ったラファイエットはここで憲法制定国民議会を開きました。
立憲君主制を受け入れられないルイ16世はこれを軍隊で弾圧しようと画策。
その時不穏な動きを感じ取った民衆が立ち上がりました。
1789年7月14日パリ市民が国王による専制政治の象徴とされていたバスティーユ要塞を襲撃したのです。
これがフランス革命の始まりです。
翌月人権宣言が発表されました。
これは自由と平等という人間の基本的な人権を表した画期的なものでした。
アメリカの独立に大きな影響を受けて始まったフランス革命。
その100年後今度はアメリカからお返しとして自由の女神像が贈られました。
2つの女神像は自由を求めて共に戦ったアメリカとフランスの絆を象徴するものとなっています。
へぇ〜。
フランス革命がアメリカの影響で起こったっていうのは知らなかったな〜。
はい。
でも確かに一緒に戦って自由を勝ち取ったアメリカを横目に見てたら「何でうちの国は?」って思っちゃうよね。
そうですよね。
そうか。
でもこれでフランスの人々にも自由と平等が訪れたっていう事?いやいやちょっと待って下さい。
まだ革命は始まったばっかりなんです。
アメリカの独立がイギリスを切り離すだけでよかったのに対しフランスの場合はこの当時既にある国内のシステムをがらりと変えようとした訳ですからまだまだ乗り越えなくてはいけない事がたくさんあったんです。
フランス革命が始まった頃に戻ってその続きを見てみましょう。
それでは最後のマジカル・ヒストリー・ツアー。
サード・ビューポイント!いざテイクオフ!テイクオフ!マジカル・ヒストリー・ツアー。
最後はフランスパリにある…実はフランス革命の混乱のさなかにある人物が造らせたものでした。
なぜこのような豪華な門を造らせたのでしょうか?フランス革命の時代へ…。
マジカル・ジャンプ!1792年…その翌年には国王と王妃をギロチンにかけて処刑してしまいました。
国王が処刑される。
この事態に衝撃を受けたヨーロッパ諸国は対仏大同盟を組んで革命政権を倒そうと戦争を仕掛けてきました。
一方国内でも意見の違いから派閥が乱立。
都市の貧困層に支持されたジャコバン派がロベスピエールを中心として独裁政治を行い反対する者を次々に処刑しました。
しかしロベスピエールの恐怖政治は反発する者も多く結局はロベスピエール自身が処刑されてしまいます。
そんな混乱の中である人物が頭角を現しました。
若き軍事の天才…ナポレオンは対仏大同盟との戦いに連戦連勝。
この凱旋門はロシアオーストリアとの戦いに勝利したナポレオンが1806年にその勝利を記念して建設を命じたものだったのです。
ナポレオンは国民投票で圧倒的な支持を得て皇帝に即位します。
そしてフランス革命の終結を宣言しました。
フランスを守るために始まったナポレオンの対外戦争はその後侵略戦争となって続きます。
しかしロシアへの遠征に敗退したのをきっかけに没落が始まります。
そして1815年ワーテルローの戦いでイギリスとプロイセンの連合軍に敗れセントヘレナ島に流されました。
う〜ん。
フランスは共和政に憧れてフランス革命を起こしたのにナポレオンが皇帝になっちゃったら結局共和政じゃないって事だもんね。
そうですね。
そんなナポレオンですが現代の民主政治にとって非常に重要なものも残しているんです。
ほう。
その一つがナポレオン法典です。
革命によって確立した法の下の平等私有財産の不可侵契約の自由などが盛り込まれたフランスの民法典を作ったんです。
これはそのあとの多くの国の民法に影響を与えました。
日本も影響を受けているんです。
へぇ〜そうなんだ。
日本にも影響を与えるなんてすごいんだね。
そうですね。
でフランスはナポレオンのあと国内はどうなっちゃうの?はい。
それをこちらの表にまとめてきました。
このようにナポレオン第一帝政のあと実は王政に戻ってしまうんです。
そして第二共和政。
ナポレオン3世による第二帝政。
そして第三共和政。
…と行ったり来たりしているんです。
ふ〜ん。
ちなみに現在の体制は第五共和政といわれています。
何かすごく迷走してる感じが見て取れるよね。
そうですね。
そっか。
フランスの人は一度自由と平等を知ってしまったから理想を追い求めていたけど古い体制との間で揺れ動いてたんだね。
はい。
ここからは歴史の深いお話アドバイザーの西崎先生に伺っていきます。
(2人)よろしくお願いします。
よろしくお願い致します。
さあ先生今日はどんなお話でしょうか。
はい。
このツアーではアメリカの独立とフランス革命とがどのようにつながっていたかっていう事を見てきましたけれどもこれは違う言葉では…大西洋革命?はい。
それはどうしてかっていいますと大西洋の両側ですね。
アメリカ大陸それからヨーロッパ。
この2つの革命をきっかけにしていろいろな革命がそのあと起こる事になるんです。
ほかの場所でもですか?そうですね。
特に注目したいのはカリブ海。
アメリカの南のカリブ海ですけれどもそこの島国のサン・ドマングという所ですがここでは1791年にフランス革命の影響を受けて黒人奴隷の反乱が起こるんです。
(2人)へぇ〜。
でさすがにフランスはナポレオンの時代ですけれどもこの革命を鎮圧しようとするんですけれども。
でも最終的には1803年にフランスは敗れてしまうと。
奴隷軍が勝ったんですか?そうです。
へぇ〜。
今でもある国ですよね。
ハイチ。
あ〜そうだったんですか。
これが誕生するという事が起こります。
でそのほかにもやはり南半球中南米諸国で1810年代から1820年代ですかね。
さまざまな革命が起こってスペインなどから独立をして共和国が誕生すると。
ですから革命っていうのは広まっていくといいますか伝染していくというのが起こる訳です。
でそのほかにももう少し時代あとになりますけれども19世紀の終わりぐらいにはアジアとかアフリカの植民地でも独立を求める人たちの動きがあってでその人たちもやはりフランス革命アメリカ独立革命の自由平等人民主権…といった理念に共鳴して立ち上がる訳ですよね。
でそして皮肉な事にはイギリスとかフランスのような支配している国に対して「君たちが言った理念はこうじゃないか」と。
で「それをなぜ私たちには与えてくれないのか?」…というようなそういう論理展開で独立を求めていくようになるという事です。
なるほど。
自由と平等という考え方が世界中に広まっていった時代だったんですね。
そうですね。
いや何か時代の大きな転換点だったな…という事が改めて分かりました。
先生どうも…。
(2人)ありがとうございました。
いや文太君自由で平等な国がそばにあるとやっぱりいいなって思っちゃうよね絶対。
そうですね。
フランスもさまよった時期もありましたけど自由を維持するのも大変ですね。
そうだね。
手に入れるのも大変だし維持するのも大変だね。
圧政に苦しむ…2015/11/06(金) 14:20〜14:40
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 世界史「アメリカ合衆国の独立とフランス革命」[字]
歴史を知ると、旅はもっと楽しくなる! 世界各地の遺跡や観光地に隠された歴史の秘密を解き明かすマジカル・ヒストリー・ツアーに、みなさんも出かけましょう。
詳細情報
番組内容
歴史の秘密を解き明かすマジカル・ヒストリー・ツアー。今回訪ねるのは18世紀から19世紀のアメリカとフランス。アメリカの独立とフランス革命はお互い影響を及ぼしあって起きた歴史的事件だった。一体どんな関連があったのだろうか? また、フランス革命後半に登場したナポレオンは後世にどんな影響を残したのだろうか? ニューヨークの自由の女神像やパリの凱旋門を訪ねてひも解いていく。【出演】眞鍋かをり、永松文太
出演者
【講師】東京大教養学部教授…西崎文子,【司会】眞鍋かをり,永松文太,【語り】山田みほ
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 大学生・受験
映像 : 480i(525i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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