外務省は9日、子どもの人身売買やポルノ問題を担当する国連特別報告者が「日本の女子生徒の13%が援助交際を経験している」と客観的な根拠に基づかず発言したのは不適切だとして、窓口の国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)に抗議し、発言撤回を求めたと発表した。
国際社会での日本の名誉を不当に傷つける動きに厳しく臨むとした安倍政権の対応の一環。政府として、来年3月に国連人権理事会へ提出予定の報告書に客観的証拠に基づかない数値を書き込まないよう特別報告者に強く働き掛ける。
政府が問題視しているのは、ブーアブキッキオ特別報告者(オランダ出身)が10月26日に東京都内で記者会見した際の発言。外務省はOHCHRを通じ、女子生徒の援助交際率を「13%」とする根拠を明示するよう求めたが、ブーアブキッキオ氏は明確な説明を避けているという。
これを受けて政府は11月上旬、ジュネーブ国際機関政府代表部を通じ「情報源も明らかにできないような『情報』の引用は到底受け入れられない」とOHCHRに強く抗議。先方が応じるかが今後の焦点になる。
同氏は来日中、児童ポルノをめぐる日本の現状は深刻だとの認識を示していた。(共同)