先週は水曜日に九千歩、この土日にもそれぞれ七千歩と、最近にしてはよく歩いた。よく歩いた翌日は体調がよく、何もしないでも居るだけでも幸福な気分になれる(笑)。
ところで、先ほどNHKで
「盗まれた最高機密~原爆・スパイ戦の真実~」という50分ほどの番組を見たが、コンパクトに凝縮された、すごい内容だった。
二十世紀半ばに、人類はその知力と性向により、まさに棺桶に片足を入れたのである。未来に核爆弾を破裂させずにやっていけるかどうかも、これまた人類の資質と知恵にかかっている。
とりわけ印象的だったのは、セオドア・ホールという米国の若い天才的科学者だ。その傑出した頭脳により原爆開発のマンハッタン計画に招かれ中心的役割を果たしたわけだが、そのただ中にいて、米国のみが核兵器を持つと世界の均衡が崩れると予感し、自ら進んでソ連のスパイになった。それにより、ソ連の核兵器開発は十年分進んだという。
米国のみが核兵器を持つと世界の均衡が崩れる――それは予感ではなく、おそらくは正しい認識なのだろう。強靱な頭脳を持った人間は、その置かれた環境に関係なく、正しい認識に達しうるのだ。(おそらくは同じくその頭脳によってだろう、その後もスパイ容疑で訴追されることもなく、イギリスに渡って科学者として静かな人生を送ったという。)
再放送は、11月4日(水)午前0時10分~午前1時00分。